3章 謎の女
音がした方へたどり着くと、そこは、地面が崩れ、なにかとても重いものが落ちてきたかのような大きな穴が空いていたのだ
「な、何だこれ どうなっているんだ」と放心状態になりかけの鬼灯
『これだけの騒ぎを起こせば来てくれると言うのは本当だったのね!』
どこからか声が聞こえる。声のした方を向くとそこには、
「あんたは!」構えながら警戒する鬼灯
「こいつ、この前襲われた女なのか?」構える鬼灯に問う菊
「たぶん、そうよ、襲われていたときとは見た目がガラリと変わっているようだけれどね」
そういう鬼灯と菊の目線の先には謎の仮面を被った女が立っていた
『あはは!また会えた、まだ生きてた。体は回復しているみたいね。よかった!』
と女は嬉しそうに言った。
「てめぇのせいじゃねぇのかよ、ここに何の用だ、用がないならさっさとどっかいけよ」
(これ以上なめた真似しやがったら切り刻んでやる)今にも襲いかかりそうな菊
『あなたに会いに来てあげたのよ。そんなに怒らないでね』と鬼灯を見る女
『それに「てめぇ」なんて言わないで`紫月`って呼んでよね。』
紫月と名乗った女はそう言いながら鬼灯の方へ一歩一歩近づいていった
「!、おい待て、まだ終わってねぇぞ。鬼灯に近づいてんじゃねぇよ」菊は怒鳴った
そして、紫月の方をつかもうとした瞬間ーシュッ!ーと風の吹いた音がして紫月が消えた
「何!」菊が叫んだ瞬間に後ろに突然紫月が現れた。すぐさま菊は振り返り、蹴りを入れようとするが、また消えては現れ、避けられることが続く。
『ふふ、何度やっても無駄よ。遅いのね』不敵に笑われ、煽られた菊の怒りは頂点にあった
怒りに任せて蹴りを
入れに行く菊は紫月の思うように動いてしまっていた
それを見かねた鬼灯は「バカ野郎が、何やってんだよ!」と怒鳴って菊を殴った
「ってぇな!なにすんだてめぇ」鬼灯にも殴りかかっていきそうな菊に対し鬼灯は
「お前さっきからいつになく見え見えの行動し過ぎなんだよ」それを聞いた菊は舌打ちをして黙り込んだ。そんな菊に「とにかく、今は対策を考えないとだろ。」と鬼灯は言った
『まぁだ?喧嘩は終わったのかしら。ちなみにさっきの速さはいつもの4分の1だけれどね』と紫月は煽り気味に言った
「仕方がねぇ、取り敢えずあいつを追い払うぞ」と少し悔しそうに菊は言った
「やっと冷静になったわね。わかったわ」と笑顔の鬼灯
「うるせぇ、おい剣剥、聞こえてただろ、久々に暴れるぜ」
『オッケー、速さ強化と剣術でいい?』
「おう、すぐ終わらせてやる」そう言うと菊の体が光りだした
「行くぞ、紫月、覚悟しろ」と紫月に向け声を張り上げて走り出した
『面白いわ、かかって来なさい』といい紫月は楽しそうに菊に言葉を返して構えた
紫月が構えると紫月の両手に短剣が握られていた
「クソ、一筋縄じゃいかねぇか。おもしれぇ」と菊は紫月に切りかかった