ハロウィン番外編②
鬼灯と剣剥。二人はどんないたずらをするのだろうか、、、、
「ねぇ、鬼灯ぃ?菊寝ちゃってるよ?どぉする?今がチャンスなんじゃない?僕が起きないようにちょっといたずらしておいてあげるよ」
「そうだな。目覚めたときの反応が楽しみだ。。。」
優雅に眠る菊の側で怪しげな計画が動き出していたが、菊は知る由もなかった。
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夕焼けチャイムがなる。夕焼け小焼けの音楽の音で菊は目が覚めた。
「んん、、、あぁあ寝すぎたか、、、、、?って、俺の部屋じゃ、ない?」
重いまぶたをこじ開けて、即座に警戒態勢に入る。
(寝すぎたにしては笑えねぇな。誰がこんなことしやがった。)
「剣剥!。。。。反応がねぇ。近くに霊圧はいるが、、あいつも捕まってんのか?」
ズザッ
突如、机の上においてあった無線から音が聞こえた。
『目が覚めた?まだハロウィンはこれから。心行くまで楽しんで☆』
「この声、鬼灯と剣剥だなぁ?舐めた真似しやがって。ドア開けろ」
『ドア開ける?いいよ。後悔するだろうけど。この空間は菊の思い通りにならないし』
いたずらっぽい笑い声とともにドアの鍵が開く音がした。
「上等だよ。そのいたずら受けてたってやる。」
そう言って菊は悪魔とも言える不敵な笑みを浮かべながらドアを勢いよく開けた。
ドアを開けるとそこには見たこともない町並みに大量の幽霊に仮装し、興奮しきっている人間たちがいた。ただでさえ人混みが苦手な菊にとってこの場所は地獄でしかなかった。
「おい、てめぇら、これ以上ふざけてんならぶっ◯すぞ?」
そう言うとどこからか二人の声が聞こえてきた。
『今日はトリックオアトリートでいたずらしてもいいかしっかり聞いたのだ。』
「はぁ?聞いたって、、あぁ、お菓子の話か。ったく、くだらねぇこと覚えやがって。そんなんどうでもいいから出せっつってんだろ。どうせ剣剥の入れ知恵だろぉが」
この空間は、菊に見覚えがあった。剣剥とよく霊圧の抑え方を練習した異空間だ。
『出たいなら今日1日その空間で起こる出来事に耐えるんだな。んじゃがんばるのだ』
そうして連絡は一方的に途絶えたのであった。
「あ”ぁ、うっぜぇ。なんでこんな目に、、、とにかく人のいなさそうな裏山に向かうか」
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「くはは、剣剥の言うとおり裏山に向かっているようだな。」
「菊は人混みが苦手だからねぇ〜。仕掛けたいたずらが作動するのが楽しみだぁ〜」
鬼灯は異空間の様子を覗き込むために剣剥の目を借りて菊の様子を見つめていた。霊の目を共有するため、鬼灯の左目は青く染まり、炎のように揺らめいていた。
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「無駄にアチィな。人が多いせいってのもあるんだろうが。だりぃ。」
文句を吐きながら、ようやく裏山の麓にたどり着き、あるき続ける。すると、
ガサッガサッガサッ
木の上から大量の蜘蛛が降ってきた。
ゾワゾワゾワッ
「あい、、、つらぁぁぁ、、、っひぐ、、絶対にぶっ◯ぉす!!!!!!!」
半なき状態で蜘蛛を取り払いながら、ものすごいスピードで山を登っていく。
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「っく、、あははっははwww本当に蜘蛛嫌いは変わらないなぁ。菊は。」
「本当だねぇ〜普段は絶対こんなの見られないよぉ〜」
「これ、ハロウィン終わったら相当やばいんじゃないか?」
「あはっ、そんときは僕はにげれるしぃ?鬼灯、ぐっじょぶぅ?」
「んなっそこは剣剥も一緒にな?(圧)」
「あはぁどっちもこわぁい」
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「っはぁ、、、はぁ、くっそ、むかつく、ぶっ◯してやる。」
ようやく人気のない静かなところにたどり着いた菊は、息を整えどう懲らしめようか考えていた。すると今度は、至る所から幽霊が湧いて出てきた。
「っな、、はぁ?どっから、、」
菊が戸惑った一瞬、その一瞬で幽霊たちが一斉に菊に飛びかかり、当たりは乱戦状態になった。
「っぐ、はなせっ。っざけんな。雑魚が、くそ、霊圧すら使えねぇのかよ」
霊圧があったなら、こんな浮遊霊を一瞬で圧倒することができたのに。そう思いながらも数に押されて地面に押し倒されていく。潰れる、そう思ったその時。
ベチャッ ベタッ グッチュ
「んな、、なにすんだ。何だこれ、、絵の具?かぼちゃ?ワッペン?」
浮遊霊たちがどこからともなく取り出した、オレンジと紫の絵の具やハロウィンを象徴するようなワッペンを取り出し、菊にベタベタと貼り付けていく。
「っや、やめろ、くっそ、ふざけんなっ。っぐ、力だけは無駄につえぇなっ」
菊がどう抵抗しようとももはやされるがままにハロウィン風に飾り付けられていく。
いっときたった今、日はすっかり落ち、暗くなった。
『やっほぉー。どうだったぁ?菊ぅ?ちゃんとイベントには参加しなくちゃだねぇ〜」
『目の前の扉に入ればこっちに帰ってこれるぞ』
またどこからともなく二人のアナウンスが聞こえた。
ふっと目の前に現れた扉に菊は手を伸ばし、その中へと入っていった。
ようやく異空間から出られる菊。さぁこのあと菊が取る行動とは?