13章 人と霊の思い
『あら、やっと戻ってきたのね。こんなに時間をかけて何が変わったのか教えてもらわないとね。』紫月は菊が現れた途端、短剣を構えて挑発した。
「言われなくてもそのつもりだ。だがその前に、俺がこの勝負で勝ったら、ここのトレーニング場は俺一人で好きなように使わせてもらう。俺が特訓をしている間は俺が協力を求めない限り一切関わらないでくれ。お前が勝ったら俺は今後一切お前のすることに口出ししねぇ。お前にやれと言われたことは文句言わずにこなしてやる。」菊は冷静な顔立ちで紫月に交換条件を申し出た。
『えぇ、いいわ。私に勝てると思っているのならかかってきなさい。』
「悠長に構えて、後悔するなよ。」
紫月の言葉と同時に菊はにやりと笑い、銃を抜くような姿勢を取り、霊気を集中させた。
「強さへの第一歩だ。行くぜ、銃途。お互いに手加減なしだ。」
『月夜の静寂を震わせろ 炎狼星』菊は銃途と重なるような声で銃の開放をした。
「ノープランって言うわけじゃなさそうね。そっちで何があったか知らないけれど、お手並み拝見するわ。私の勝ちは確定だけれどね。更には私の指示に従う犬になるのよね。」
「舐めた口聞いてんなよ。行くぜ。」菊の言葉とともに紫月は動き出し、菊は銃を構えた。
ドン ガッ 銃声とともに短剣を弾き返す音が響き渡る。
『銃を使うあなたはよっぽど三途川菊に興味があるようね。しかも何があったのかは知らないけれど、あなたのことを信じ切っているようね。』
紫月が銃途に話しかけながら銃弾を避けて斬りかかる。
「だったらなんだって言うんだ。戦いに手ぇ抜いてんじゃねぇぞ。」
『何度質問しようがお前に教える気はないから安心しろ。まぁ、俺らに勝てたら考えてやってもいいぜ。絶対にありえないがな。精々お前の全力をみさせてもらうぜ。』
『生意気な口をきけるのは今のうちよ。殺さない程度痛めつけて操り幽霊にしてあげるわ』
銃途と紫月が挑発し合った事により戦況は激しさを増していった
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『、、フフ。その強力な霊圧はただの見せかけではないみたいね、、。もう一日が経つけれど全然疲れていないようね。さすが最強と言われた霊の器。あなたが霊と心を共有すればするほど、誰の手にも追うことのできない力が生み出されていくわ。あなた次第でね。』
紫月は嬉しそうな顔で菊との戦闘を続けていた。
(クソ、なんでこいつはこんなにボロボロで、霊力も削れているはずなのに立ち上がって倒れねぇんだよ。このまま粘ってもきりがねぇ。)菊は紫月の余裕ぶりに動揺していた。
「いつまでもこんな削り合いはやってらんねぇ。そろそろケリつけようぜ。」
菊は一発の弾丸に霊力をかけ始めた。
『いいわ。そろそろ飽きてきたところだし、この世界の現実を見せてあげるわ。』
そう言って紫月も二本の短剣に霊力を込めた。
互いに向き合い、隙を伺い、一瞬の沈黙が生まれた。その瞬間互いの位置が入れ替わっていた。勝負は一瞬で決まった。
ドサッ
紫月は悔しそうな満足そうな顔をしてその場に倒れこんだ。
その直後に菊も霊力の使用による疲労と痛みに耐えきれず倒れ込んでしまった。
番外編作ろうか悩み中です、、
試作中の恋愛小説載せようと思います(途中まで)
試作の恋愛よかったらコメントお待ちしております