過去の思い出からチートの話に
11/8は体調不良ですみません。今日、まとめて2話更新しますペコリ(o_ _)o))
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折角話に出たので、夕食で日本酒を出すことになった。日本という単語を後世に残すのはどうかと思い、原材料の米を使い「米酒」と名付けられている。ざっくりとイメージで作り方を話したら、研究熱心なリュシアンが実現したのよ。本当にチートだわ。
「チートと言えば、私一つだけ気になっていることがあります」
エルフリーデがちらりと私を見る。さきほど説明させた仕返しかしら? たいていのことは共有したと思うけれど……。
「ミモザ国へ向かう前、領地視察で馬車が襲撃されましたよね」
「あったわね。エルフリーデがケガをした事件だわ」
すっと出てきて安心した。まだボケの心配はしなくていいみたい。お茶菓子を堪能しながら、ハーブを浮かべたお茶を楽しむ。薔薇のお砂糖は、まだ使っていなかった。お菓子を食べ終えてから、最後がいいわね。
「私の精霊の剣を、ブリュンヒルト様は使役した。魔法の杖の代わりにしたと仰ったけれど……無理です。あの後いろいろと実験したのですが、誰も出来ませんでした」
実験、したの? 誰が? リュシアン?! それにカールお兄様やテオドールまで! 危ないじゃないの! 叱る私に、知らなかったエレオノールが目を丸くした。クリスティーネは実験そのものは知っているし、事件も知っていた。けれど、二つの繋がりを知らなかったらしい。ラウレンツと顔を見合わせている。
「聞けばいいでしょう。あれは本当に危ないのよ」
「まあな、俺がいても腕が吹っ飛ぶ可能性はあるぞ、と注意したんだが」
やれやれと首を横に振って、呆れたと示すけれど……リュシアンも実験に参加したんでしょう? 同じ穴の貉じゃない。
「結局、どうやったんだ?」
一番興味津々で尋ねるのはリュシアン、穏やかな笑みであの時の怒りと衝撃を思い出しているのがテオドール。反省より好奇心が勝ったエルフリーデ。困ったものね。
「私が持っていた一番のチートは、すべての物語を知っていたこと。実はね、『聖杯伝説』には書籍限定の番外編があったの。そこに載っていた方法を試しただけよ」
「ヒルト様、その方法がなぜ私には使えないのでしょう」
セリフも魔力の高め方も、そっくり真似をした。堂々とパクリ宣言をするテオドールの目が怖いわ。白状しないと何をされるか……ぶるりと身を震わせて肩を抱いた。
「教えてもいいけれど、真似をしないで。それと怒らないで頂戴」
前半は全員に適用だけれど、後半はテオドール用よ。承諾するまで言いませんからね!




