第32話 避け続けた、あの敵からスキルを奪う
今回は早いテンポで進みます。
「ねえ、ロック?」
「なに?ティナ。」
「村の人たちにもらったこの武器と防具、強くなってるわよね?」
数日前死闘を繰り広げたDランクのモンスター、ディラン。
その素材で村の人が装備を作って、2人に贈ってくれたのだ。
その装備が、もらった時より明らかに強くなっている。
「うん…。
最初は気のせいかと思ったけど、間違いないよね。」
武器や防具を装備するにはクリアしなければいけない条件がある。
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装備できる基準は以下の通り
武器・・・攻撃力が自分の「器用さ」以下であること
攻撃力が自分の「力」×2 以下であること
防具・・・防御力が自分の「体力」以下であること
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当時の2人が使うには、ディランの装備はオーバースペック。
成長に合わせてその力を調整できるような装備だったのだ。
「あの村の鍛治師さん、物凄い人だったんだね。」
「そうね…。
ただのおじさんだと思ってたわ…。」
ロックのレベルはやっとEランクになったばかり。
しかし、【成長促進】スキルにより、その能力はDランク並み。
この装備の能力をめいいっぱい引き出せるようになった。
ティナの装備はまだまだ余力を残している。
2人は改めて感謝した。
「よし!
期待に応えられるように、がんばろう!」
「そうね!」
2人はがんばった。
日中はせっせとレベル上げ。
夜はもんもんとするのを我慢。(ロックだけ)
そんな2人の数日間を振り返ってみる。
2日目。
あのディランと同じ、Dランクの将軍ガエルを倒した。
Eランクなら2〜3匹でも対応できるようになってきた。
3日目。
3匹のリザードマンに遭遇。
それぞれ剣・弓・魔法を使っていた。
リザードマンはそれぞれの特徴に合ったスキルを持っている。
剣か魔法のどちらかのスキルで迷ったが、剣を持つリザードマンからスキルを奪った。
『【剣士】スキルを奪いました。どのスキルと入れ替えますか?』
「…【寝技専門】。」
『【寝技専門】スキルは完全に消滅しますが、よろしいですか?』
(なんとなく、とっておきたかったけど…。)
「はい…。」
「ロック?
なんだか元気ないわね?」
「そ、そんなことないよ?」
『【寝技専門】スキルと【剣士】スキルを入れ替えました。』
魔法の攻撃には "基準値" があって、下級・中級・上級となるにつれ上がっていく。
自分のランクに釣り合わない等級だと火力が物足りなくなる。
今のロックであれば中級がちょうどいいくらい。
このペースでレベル上げしていたら、明日には中級でも物足りなくなりそうだ。
成長促進を持つロックの成長速度は異常なのだ。
ロックといると霞んでしまうが、ティナも十分異常な部類に入る。
【全能力50%UP】によって、格上のモンスターにダメージを与えることができ、通常得ることができる経験値の数倍〜数十倍を獲得している。
だが、全てロックの【隠密】【麻痺針】で急所攻撃できることが前提ではある。
この世界におけるスキルの存在は、果てしなく大きい。
4日目。
ロックの新しいスキル【剣士】スキルが大活躍だった。
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【剣士 ★★】・・剣術が下級レベルになる。
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単純な剣の技術は、鍛錬や経験で上手くなる。
ティナの弓術はスキルがなくても達人レベルだ。
じゃあなんのためにスキルがあるかというと、[武技] というものがあるのだ。
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[下級剣術 武技]・・攻撃力の1.2倍の単体攻撃(消費MP10)ができる。また、0.7倍の範囲攻撃(消費MP15)ができる。
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能力UP系統の消費MPは3分の1とか、6分の1、といった具合に割合なので、ここぞというときにしか使えない。
ただ、武技は消費MPが固定なので、レベルが上がれば上がるほどMPの負担が少なくなる。
具体的な技の名前や型はなく、自分の培ってきた技術や経験、好みからそれぞれの技をつくる。
これは魔法も同じである。
名前はなくても良いが、イメージと身体の動きがシンクロすることが大事で、特に魔法は名前をつけることも大事なのだ。
近いレベルのモンスターを数匹倒すより、ある程度レベル差のあるモンスター1匹の方が経験値は多い。
特に麻痺させられる2人とっては高レベルモンスターを倒す方が効率が良い。
なので、剣術武技の範囲攻撃よりも、単体攻撃を多用した。
これにより、将軍ガエルをロックとティナの1撃ずつで倒せるようになった。
将軍ガエルが非常に効率が良く、午前中だけで、前日1日分の経験値を軽く超えた。
そして…。
「お〜い。
ロック、ティナ〜!」
ゴルドさんがやってきて、3人は合流した。
次話、レベル上げの結果は?!




