第29話 初のクエスト受注!
我ながら、ネーミングが安直です。
「ダニスさん、ありがとうございました!」
「い〜え〜!
ま〜だきでね〜!」
「はい!」
「じゃあ、行ってぐるな!」
ダニスに見送られ、3人はギルドに向かった。
ギルドに入ると、中はクエストを受注しようとする冒険者でごった返している。
「うわ〜。
すごいわね。」
「んだな。
ワニダイルを倒せるこどを証明できるクエストは…、Eランクだべな。
おめえらはFランクだがら受注でぎねえ。
代わりにおらが受注するがら、しっがり狩っでごい。
今あるクエストからおらが何枚が持ってっで、レイカに選んでもらうべ。」
「それってもし、私たちが狩るのに失敗したら、ゴルドさんに迷惑かかるんじゃ…?
罰金とか、評価とか…?」
「だがら、気にすんなっで!
それに、魔王倒すっでやづが、Eランクにびびっでどうするんだ?」
「Eランクというか、ゴルドさんに迷惑かけてしまうかもしれないことが心配です。」
「おめえらがこれがらやろうどしでるこどは、長い目、広い視野でみだら、みんなのためになるこどだろう。
でも、その時に迷惑がかがる人、不利益を被る人は、必ずでてぐる。
それを受け止める覚悟も必要だぞ。
そしで、迷惑かげでも、本当に大事なこどなら絶対に成し遂げるという覚悟もな。」
「…はい。」
「昨日ダニスにいいとご持ってがれちまっだからな。
おらもいいこど言うだろ?」
「ははっ。
ゴルドさんはいいコトしか言わないですよ。
…ゴルドさんとダニスさんにお会いできてよかったです!」
「…そうだべ?
じゃあ、受付行ぐぞ!」
ゴルドは照れを隠すように、レイカの受付に並んだ。
EランクとCランクの依頼を持っている。
2人もあとをついていった。
「次の方どうぞ〜。
あ、ゴルドさん!
おはようございます!
昨日の件ですね。
ありがとうございます。」
「おう。
とりあえず何枚か持っできだから、こんなかがらレイカが選んでぐれ。
2人がもし失敗しても、おらが狩っでぐっから。」
(面倒見るからには、その尻拭いまで全部やる、そういう「覚悟」で話しかけてくれたんだな…。)
さっきのゴルドの言葉を思い出しながら、そう感じ、感謝するロック。
「ゴルドさんは本当に新人さんの面倒見がいいですね。
お2人とも、声かけてくれたのがゴルドさんでよかったですね。
中には、評判の悪い冒険者もいますから。
…まあ、そんな人はギルド職員の前では声かけませんけどね。」
「はい。昨日もお家までお邪魔しちゃって…。
とてもよくしてもらいました。
あの…、冒険者同士のトラブルはよくあるのかしら?」
「そうですね。
頻繁にはないですが、新人さんが騙されたり、女性冒険者が冒険中に乱暴されたり…、残念ですがなかなか無くなりません。
発覚してない事件も多いでしょうから、十分に気をつけてくださいね。」
「ありがとうございます。
気をつけます!」
レイカはゴルドが持ってきた依頼票を見て、2枚を選んだ。
「このCランクの依頼は、ゴルドさんですね。
Eランクも受注はゴルドさんということでよろしいですか?」
「んだ。
あんまりよぐねえこどはわがっでるが、事情が事情だがら、しょうがねえべ?」
「…そうですね。
初めてのケースなもんで…、任せちゃってすみません。」
通常であれば、スキルが覚醒するGランクでギルドでクエストを受け始める。
移動するだけの実力がないため、低レベル中は同じギルドで活動する。
そこですぐに頭角を現し、レベル以上の強さを発揮する冒険者は稀にだが、いる。
だが、ギルドにもこず、いきなりEランクのモンスターを狩ってくるなんて…。
前代未聞だ。
(仕事に責任感のある人なんだな。
信じてもらえるようにがんばろう。)
レイカが美人ということもあって、前向きに考えるロック。
見境のない男である。
「では、Eランクの依頼ですが、こちらをお願いします。」
レイカが選んだのは、ツイストコブラ。
「本当に大丈夫ですか?
もし、無理なら適切なランクの依頼から始めてください。」
疑うというよりも、心配してくれている印象を受ける。
「このモンスターは基本Lvはいくつでしょう?」
「26です。」
ワニダイルがLv25。
「ご存じなければ、特徴をご説明いたしましょうか?」
「試験のようなものだと思ってたんですが、お聞きしても大丈夫なんですか?」
「もちろんです。
情報収集は冒険者にとって不可欠なものですよ。」
「ではお願いします。」
「はい。
ツイストコブラは巨大な蛇のモンスターです。
長い体に捕まってしまうと、逃げるのは大変難しいです。
そして、締め付けて身体中を砕かれてしまいます。
耐久力もあり、素早さもある厄介な相手です。
その代わり、魔力は低いです。
魔法があれば幾分やりやすいでしょう。」
「強敵そうですね…。
ワイダイルとどっちが攻撃力高いですか?」
「単純な物理攻撃ならワニダイルですね。
ただ、捕まってしまったら断然ツイストコブラです。
一方的に攻撃を受け続けますから。」
「ふむふむ。
どんなスキルを持ってるかはわかりますか?」
「スキルは持っていない個体がほとんどです。
ごく稀に締め付けの威力が明らかに強い個体が報告されています。
こういった特殊個体は冒険者にとって脅威なので、もし発見したらお知らせください。
討伐依頼を出しますので、場所や特徴などの情報があったら助かります。」
(カイルさんが倒したワニダイルもそうだったのかな?)
噛み付きが異常に強いと言っていて、スキルを奪ったら【力30%UP】を持っていた。
「その特殊個体は、報奨金が高かったりするんですか?」
「ええ、相場の1.5倍となります。
でも、大変危険なので、異常を感じたら逃げてくださいね!?」
「わかり、ました。」
(特殊個体の強さの原因がスキルなら、僕にとっては普通と変わらない、ってことだな。)
「よっしゃ、じゃあ行ごか!」
「「はい!」」
「お気をつけて。」
次話、ツイストコブラを狩れるか!?




