表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/281

第22話 はなむけと、旅立ち

第一章、この話で終わりです。

燃え尽きました…。

「正解を選んでも、力あるものに踏み躙られる、それがこの世の中なんじゃ。」


「そんな…。」


「そんな、じゃないぞい。

 前にわしが言ったじゃろう。

 お主は、この世を支配できる力がある、と。」


「は、はい。」


「言い換えれば、お主には、大事なもの全部を守れるだけの力があるんじゃ。

 死んだ両親も故郷も、ティナも幼馴染も、これから出会う大事な人たちも、大事な場所も。

 全部抱えて守る力がある。

 頭の中の枠を外して、どうすればいいか答えを探すんじゃ。」


「枠…。」


「私は、守られるだけになるつもりはないわ。

 私だってロックを守りたい。

 それにおじいさんやこの村の人も。

 でも、私には全部を守れる力はない…。」


「フォホホ。

 ありがとの。

 まあ、現実的に全員守るのはロックも無理じゃな。

 

 ロックは、お主は大事な人が死なないように「守りたい」のか、それとも「幸せ」にしたいのか、どっちじゃ?」


「…。

 「幸せ」にしたい…、です。

 僕が守りたくても、ティナがそれを望んでいなければ、それは僕が「自分だけの幸せ」のためにやってること。

 ヨムじいさんたちに対しても同じです。」

 

「じゃあお主の大事な人が、魔王によって不幸になってたらどうじゃ?」


「倒し、たいです。」


「ふむ。

 お主はこれからたくさんの人と出会う。

 大事な人も増えていくじゃろう。

 その大事な人たちがどうやったら「幸せ」になるか。

 それを考え続けるんじゃ。

 その答えが「魔王を倒すこと」なら倒せばいい。

 もしかしたら「魔王と共存すること」が幸せになるのなら、和解するための方法を探ればいい。

 自分の目で見て、耳で聞いて、そして考えるんじゃ。

 もちろん、自分の幸せもな。」


「大事な人の幸せ、自分の幸せ…。

 ティナ、魔王がいることは君にとって幸せかい?不幸かい?」


「魔王がいたからあなたと出会えた。

 そういう意味では、幸せと言えるかもしれない。

 でも、大事なあなたの大切な人たちを奪ったのであれば、そして、これからもそんな犠牲者が増えるとしたら、一緒に倒したい。 」


「…。ありがとう。」


「ティナ、お主も自分の幸せ、大事な人の幸せが何か、考えるんじゃぞ。」


「ええ。わかったわ…。」


「それともう一つ。」


「はい。」


「本当の強さはスキルやレベルではない。」


「はい。

 だから、自分たちの力でモンスターを倒して強くなることが大事なんですよね。」


「戦いの経験や連携、でもないんじゃ。


 自分たちが倒せるレベルの敵だけを倒していても、レベルは上がる。

 経験も連携も身につくじゃろう。


 しかし、魔王と戦う時に、自分より強いからといって諦めるのかの?

 これから先、自分より強い敵と戦わねばならん時は、必ず来る。」


「それで、今回の計画を?」


「うむ。

 強敵や理不尽なことは、突然やってくる。

 装備や準備を整えるから、明日来てね、とはいかん。」


「だから、カイルさんに強引に連れていくように頼んだんですね。」


「そうじゃ。

 そして、一番大事なのは、何かわかるか?」


「…。

 カイルさんに、「ディランを麻痺させろ」と言われた時、「無理です」、と言ったんです。レベルが10以上離れてるから。

 でも、実際にはできた。

 ダメと決めつけず、やってみることで、可能性が広がるんですね。

 それに、怖がって立ち向かわなかったら、これから自分より強い敵と会った時、逃げることしかできなかったかもしれません。」


「答えは出てるようじゃの。

 大事なのは、「挑戦」と「勇気」じゃ。

 お主の目標がS級冒険者程度なら良いが、たくさんの大切なひとを幸せにする、そのために必要なら魔王すら倒す、というなら、絶対に必要なことじゃ。」


「はい。」


「そして、それもお主にとっての答えかはわからん。

 枠を外して、考え続けるんじゃ。そして、行動することじゃの。」


「ヨムじいさんは行動力ありすぎですよ…。

 今回は本当に辛かったんですから!」


「それについては、全責任はワシにある。

 すまんかった…。

 

 あと、カイルは大反対しとったんじゃ。

 あやつにも悪いことをした…。

 

 お主たちが許せないというのであれば、わしがどんな罰でも受けよう。

 人殺しと変わらんからの…。」


「じゃあ僕からは、1つ。」


「なんじゃ…?」


「今回のことに、責任を感じないでください。

 ヨムじいさんたちは、僕たちの「幸せ」を考えて、嫌な役を引き受けてくれたんですから。」


「ロック…。」


「私からも。」


「なんじゃ?ティナ…。」


「旅に出ても、たまには帰ってきてもいい?

 ここは、もう私の故郷だから…。


「2人とも…。

 すまん、本当にありがとう。

 

 こんなところで良ければ、いつでも帰ってこい。

 ティナの家も、あんな遠くじゃなく近くに移しとくわい。

 お主らはこの村みんなの家族じゃから。」

 

「僕も、いいんですか?」


「当たり前じゃ!


 これから先、どんなことがあってもワシらは2人の味方じゃ。

 危ない時は命をかけて助ける。

 辛いことがあっても、決して孤独じゃないぞ。

 それだけは忘れないでくれ。」


「ありがとうございます…。」

「ありがとう…。」


「そういえば、ディランを倒すときカイルさんが、「はなむけだ」って言ってたんですけど、なんのことでしょう?」


「あやつは甘いからの…。

 自分で倒さないと身にならないといいながら、せめてこれくらいは、と聞かなくてのう…。

 ステータスを見てごらん。」




************


名前:ロック

パーティ:ラフリンクス

Lv:5→15

HP:704→2747

MP:69→269

体力:66→262

力:61→260

素早さ:69→274

器用さ:60→259

魔力:67→262

スキル:

【噛み付き ★★】

成長促進パッシブ ★★★★★】

【隠密 ★★★】

【麻痺針 ★★】

【スキルスナッチ ★★★★★ 】


************


************


名前:ティナ

パーティ:ラフリンクス

Lv:9→13

HP:731→1026

MP:104→154

体力:77→106

力:63→92

素早さ:69→99

器用さ:78→117

魔力:106→156

スキル:

【   】

【慈愛の祈り ★★★】

【全能力50%UP ★★★★】


************




「すっごく上がってるわ…。」


「…だから最後も、「麻痺させろ」って言ったのか…。

 僕に経験値を与えるために…。」


「どれどれ。

 お~!だいぶ強くなったのう!」


「カイルさんとも少し話せますか?」


「あやつは「そんなことしたら、どんな面を下げて会えばいいかわからん」と言っておったから、多分無理じゃと思うぞ。

 まあ、少し時間を置いてから話すんじゃな。


2人とも、今日は疲れたじゃろ。

ゆっくり休みなされ。」


「実は…、もう限界です…。」


「わたしも…。」


「ティナもうちに泊まっていきなさい。

 ロック、いやらしいことせんようにな!」


「な!?

 し、しませんよ!」


「ふふ。」


「フォホホ…。」








それから数日後…。




「お世話になりました!」


「もう行ってしまうのか…。

 寂しいのう。」


「もう。

 おじいさん、それは言わない約束でしょ?」


「そうじゃがな…。」



出発することになったロックとティナを村人全員で見送っている。



「結局、カイルさんとは話せずじまいでした…。」


「カイルなら、見送りに来るはずじゃが…。」


「あ、きたわ!」




「おう。」


「どうも…。」



お互いなんと言っていいか分からない。



「まあ、なんだ。

 すまなかったな、あんな目に合わせて。」


「それはヨムじいさんから話を聞きましたので。

 ありがとうございました。」


「お詫びと言ってはなんだが、いや、お詫びじゃねえな。

 お前らの旅立ちのはなむけだ。」



「これは!?」


「俺らで倒したディランの素材で作った武器と防具だ。」


「すごい…。いいんですか…?」


「ああ、もちろんだ。

 じいさんにステータスも聞いたから、ちょうどいい強さになってるはずだぜ。」


この間、レベルアップ後のステータスを見た時、チェックしていたのだ。


「あの恐怖を乗り越えた証として持っていきな。

 負けるんじゃねえぞ。

 敵にも、自分にも。」


「「はい…!」」


「お前らはこの村の家族だ。

 いつでも帰ってこい!」


「「はい!ありがとうございます!!」」



こうしてたくさんの家族に見送られ、2人は旅立っていった。



~第一章 完~


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

最後の数話は、ちょっと読むの辛かったですかね…。


第二章はやる気をチャージして、また書いていきます!

今後ともよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ