第100話 スキル封じのサソリ
ロック達と反対側の岩山では、A級冒険者が活躍し、犠牲者を出さずに鳥達を撃退した。
【ミラーシールド】の使い手がいたため、ヘルコンドルは何もできずに倒された。
ロックのパーティが片方の岩山を担当することで、反対側にA級冒険者を集中できたのだ。
続いてナマハゲワシが飛んでくるが、ロックは岩山を駆け降りる。
一本道を数体のA級モンスターが進んできているからだ。
ロックと一緒にミラが行動し、A級モンスターの場所を伝える。
素早く降りるため、ロックがミラを背負っている。
振動が激しく、胸の感触が感じられて集中を乱されるロック。
「ロック、わかってると思うけどキングスコーピオンには気をつけてね。」
キングスコーピオンは群れで出現するモンスターで、【人を呪わば穴二つ】というスキルを持っている。
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【人を呪わば穴二つ ★★】・・相手のスキルを封じることができるが、自分は一切動けなくなる。自分より高レベルの相手には効かない。
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キングスコーピオンはステータスがそこまで高いわけでも、レア度の高いスキルを持っているわけでもないが、手強い。
群れで襲ってきて、そのうちの数体がスキルを封じる。
そして、他のキングスコーピオンが【急所攻撃】でダメージを与えたり、急所に当たらずとも猛毒で冒険者を苦しめる。
「スキルを封じられたらヤバいもんね。
気をつける。」
ロックとミラが一緒に行動する理由は【気配察知】の他に2つ。
1つは特殊魔法。
バフがあるのとないのでは大きな戦力差になるので、ロックのバフが切れないように。
それに、混戦になるのでバリアも重要だ。
もう1つはスキル。
【上級回復魔法】を使うモンスターがいるようなので、そのスキルを奪ったらミラに渡すためだ。
「いた!
あそこ!」
ミラが示す方に、蛇のA級モンスター、ファラクがいた。
【上級回復魔法】に加え、【光輝の壁】という防御壁を張るスキルを持っている。
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【光輝の壁 ★★★★】・・ダメージを半減させる防御壁を作り出す。消費MPは守る仲間1人につき1/秒。
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持ち堪えていた前線がファラクの回復と防御壁により、一気に押され始めている。
ロックは一旦ミラを最前線の少し後方に下ろし、ファラクの元へ駆ける。
立ち塞がるモンスターは[武技]の範囲攻撃で蹴散らす。
しかし、【光輝の壁】によりダメージが半減している敵は先程のように一撃では倒せない。
ただ、ロックもステータス差により敵の攻撃でダメージを受けない。
強引に射程範囲内まで近づき、【スキルスナッチ】を発動。
移動しながらでも発動できるようになってきた。
ロックは【光輝の壁】を奪い、そのままファラクを一撃で仕留めた。
そしてミラの元へ戻ると、【光輝の壁】を渡した。
ミラは【起死回生】と入れ替えた。
これは作戦会議の時に敵のスキルを聞いてミラが希望したことだ。
犠牲者を1人でも少なくするための決断だ。
「あと、あそこにも!
別のA級の気配も2体あるから気をつけて!」
「わかった!」
ここまで冒険者側は1人の犠牲も出ていない。
ロックがいなければ、上空からの魔法で大きなダメージを受け、【ミラーシールド】と【分裂】によりかなり押し込まれ、さらに【上級回復魔法】と【光輝の壁】により堅牢になったモンスター達に圧倒されていただろう。
魔族の思惑が大きく外れていることは間違いない。
だが、まだまだ油断はできない。
ロックはファラクに近づき、スキルを奪おうとする。
「うっ!?」
スキルが発動しない。
キングスコーピオンだ。




