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第98話 モンスターの大群、襲来

「来たぞーーーー!!!!

 モンスターだーーー!!!」」



見張りが鐘の音で緊急事態を街中に知らせる。



地鳴りが響き、砂煙とともに遠くにモンスターたちの集団が見えてくる。



冒険者たちに緊張が走る。


B級モンスターが主力の時でも、犠牲者は出る。


それがA級モンスターまでいるとなれば、当然だ。


ロックたちも初めて見る数百体のモンスターの群れを前に、息を呑む。



「ナマハゲワシが先行してきます!

 特殊魔法使いのB級モンスターです!」


「状態異常に耐性のある遠距離攻撃タイプ、前に出ろ〜!」



遠距離タイプはあらかじめ一本道の両側の岩山にに登っている。


その中で状態異常に強いものがナマハゲワシを待ち構える。


と言っても、状態異常耐性があるものはごくわずか。


ほとんどは耐性なしの冒険者だ。



スキルを奪うためロックたちも前線に出る。



「特殊魔法を使うために奴らは近づいてくる!

 弓使い・攻撃魔法使いは近づけないように攻撃だ!」



部隊長の役割をする冒険者から指示が飛ぶ。



特殊魔法の射程はあまり遠くなく、弓や攻撃魔法の方が遠くまで攻撃できる。


攻撃魔法よりも弓の方が射程が長い。



ナマハゲワシが近づいてきた。


鬼のような顔をした派手な色のハゲワシだ。


数は7匹。



バフをかけられた弓使いたちが矢を射る。


[武技]を使うB級冒険者の弓攻撃が直撃すれば、一撃でナマハゲワシのHPを半分ほど削ることができる。


しかし、相手はかなり素早さが高いモンスター。


しかも地上から打つ矢はなかなか当たらない。



ナマハゲワシが急降下し、状態異常魔法を唱えてくる。



(<スキルスナッチ>!)



射程範囲に入ってきたナマハゲワシの【上級特殊魔法】を奪うロック。


ロックの攻撃なら一撃で倒すことができるが、剣の[武技]では射程範囲外。



冒険者たちには、ロックが狙う動作をしたモンスターは、後回しにする作戦が周知されている。


他の冒険者はロックの狙っていないナマハゲワシを集中して攻撃。



ロックが3体のナマハゲワシのスキルを奪った。



反対側の岩山にはA級の弓使いが2人、攻撃魔法使いが1人おり、3体を葬った。



攻撃魔法は純粋なダメージ量では同級の[武技]に劣るが、魔法によっては命中しやすい。


[武技]と違ってフレンドリーファイアが発生しにくい複数攻撃を繰り出すこともできる。


使用者のイメージとスキルのすり合わせが重要で、想像力次第で応用が利きやすい攻撃手段である。



スキルを奪われた3体は魔法が使えなくなって動揺したところを突かれ、あっさりと倒すことができた。



残り1体はロックと同じ側の岩山に配置されたB級冒険者やティナの攻撃で倒された。



状態異常になってしまった冒険者もいたが、回復魔法使いが控えていたためすぐに回復できた。



「よし!

 良い調子だ!」



先行してきたナマハゲワシに続いて、いよいよモンスターの群れ本体が接近してきた。


まずはB級・C級モンスターの混合した集団。


サソリと蟻、蛇のモンスターが地面を這う大きな波のように近づいてくる。


蛇のモンスターはエシアドの崖で戦った虹蛇だ。


まだA級モンスターはきていないようだ。



「弓で攻撃だーー!!」



アプテロザル砂漠のB級・C級モンスターの遠距離攻撃はナマハゲワシの特殊魔法攻撃くらい。


弓の[武技]による範囲攻撃で先制攻撃を行う。



ところが、敵もただやられはしない。


蟻のモンスター、軍隊アリとアスカトルの数が5倍以上に膨れ上がる!



どちらも【分裂】のスキルを持つモンスター。


無限ガエルのように【起死回生】を持っていない上に、本体が隠れる場所もないので着実に減ってはいるはずだが、攻撃している側には無限に増えていくように感じる。



C級モンスターはA級冒険者がステータスを上昇させた状態で上級弓術の[武技]を使えば範囲攻撃でもなんとか一撃で倒せる。


B級モンスターはA級冒険者でも一撃では倒せない。


B級冒険者に上級弓術を使えるものはいなかったので、C級モンスター相手でも複数回の攻撃が必要といった具合だ。



あくまでも直撃した時、だが。



蟻のモンスターが1度に分裂できるのは5〜6匹だが、分裂体がやられたらまた分裂するため、結局その倍ほど倒さなければならない。


知能も低くないので、本体に矢が当たらないよう分裂体が盾となっているようだ。


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