お別れはいらない
出兵の前日、スモルとクトロは天空の家族の一室で向い合っていた。
「スモル、君と離れ離れになるのは辛いけど僕は王国騎士団の隊長だ。行かねばならない」
「クトロさん、私も同じ気持ちです。この天空の家族で一緒に頑張ってきた仲間ですもの」
「仲間、それだけかい? 僕をまだ恋愛対象とは見てくれないのかな」
「それは… 私、恋愛というものをしたことなくて。確かにクトロさんを好意的に思っいるんですがそれが恋なのかは分からないんです」
「そうかい、好意的には思ってくれてはいるんだね。じゃあ試してみよう。今まで我慢してきたんだ。今日くらいは許してくれ」
そういうとクトロはスモルの唇に軽いキスをした。
「何をされるんですか」
スモルは顔を真っ赤にしながら言った。胸はどきどきしている。
「どうだい? 今の気持ちは。不快になったかい? 」
「いえ、なんか頭がぼーっとして胸がどきどきします」
「そうかい。それは良かった! その気持ちは恋というものに近いんじゃないかい。正式に告白をしよう。スモル、僕は君が好きだ。僕が戦争から無事帰ってきたら付き合って欲しい」
クトロは真剣な顔をして言った。
「クトロさん。分かりました。あなたと天空の家族で暮らす中であなたがどんな人かは少し理解できた気がします。その上であなたにキスをされて嫌な気持ちにはならなかった。もしかしたら私もあなたのことが好きなのかもしれません。あなたの帰ってくるのを待っています。どうかご無事で帰ってきて下さい」
「おお、スモル。ありがとう。僕は負けないよ。帝国に勝って絶対無事に帰ってくる。約束するよ」
そう言うとクトロはスモルの唇に深いキスをした。
その後、出兵したクトロは時間を置かず戻ってくることになる。
戦争は佃煮海苔のレンの手によって回避されたのだ。なにやら潮辛い大海の主の力を利用し帝国を脅したのだという話。
スモルとクトロは正式に付き合うことになった。
幸せな時間が二人を包み込んだ。
完




