旅の仲間
コナロ撃退記念ズンドコHSI激安シークレットツアー、補助金パワーで1000円、に申し込んだ須賀はあわよくばフランス・イタリアなんかに行きたいと思っていたが、結局高校の時に買った蛍光黄色のパーカーを身に着けてアフリカ・エジプトに飛んだ。さすがにコナロ、世界で1000億人も亡くなったわけで、まあどこの観光行くにしても空いてますわな…。おかげで空港はガラガラで、ヤッホーと言えばこだまが響きそうなもんだったけど、割と兵士とかいるし、銃とかもってるし、なんかこわい。レストランでとりあえずはサダラでも買って食うとくか。な。うまうま。空港を出ると砂と日差しと大地が広がる。地球の歩き方を広げると割と目的の町が近くにあるみたいなので、何の気なしに徒歩で移動してみたが、コロナが関係してるのか、それともここがそういう街なのか、やたらそこらじゅうで死体を解体し、内臓を取り出し、わりと天日干しにしてミイラにしてるみたいな様子が見られた。俺はモノホンの砂漠で死体を見て、呟くんですわ。it's a turuu waarud。海外きたなーって感じ。コロナは結局ニベアのクリームが良く効くということがアメリカ、中国、なんとなくそこらへんの大国がそういうのを発見し、あっという間に花王の手によって壊滅させられた。彼らは三日月形の幅広なナイフを使って素っ裸にされた若い女(顔は隠してある)の腹を切り裂き、ひょいひょいと内臓を取り出していた。うーん…。血にまみれた手とナイフを足元においてた布でぐっと拭き取り、さっと青缶を開け、クリームを手に塗り込む。鼻歌なんか歌っちゃって。アルコール消毒し慣れた手つき。7年。家族、友人はみんな死んでしまった。彼はまだたっぷりと時間をかけて塗り込んでいた。クリームが血と混じり、ほんのりピンクに染まっている。写真を撮っていると、やたらその手でピースをしてきて、子供たちも寄ってきて、こういうのって90年代の番組でやたら見たなとデジャブ感。だんだんもっと人が少し寄ってきて、バクシーシ、シンハービール、なんとか、かんとか、いろいろ言ってて全然わからん、握手もさせられて、ああどうも、手ももうなんか血とニベアでベタベタで、ははどうも、この手でカメラ触りたくないなあ、ちょっとトイレで手とか洗いたいなあ、と思ってる間にホテル・マンダリン・オーケストラ、目的の宿。須賀は方向感覚に優れているのかなんなのか、初めてのところに行っても大体目的地にたどり着ける。日に焼けたコンクリート、あけ放たれた木のドア、向こうには埃と闇と人々の声が広がっている。