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ぼく  作者: 槌谷 紗奈絵
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また会おうね

お父さんとお母さんは、たくさんのお友だちといっぱい話しています。



ぼくは眠くなって、楽しいわらい声や歌声が遠くに聞こえたような夢のような・・・・・



すっかり眠っていたぼくは、お片付けの音で目がさめました。



あたりは、もうまっ暗になっています。



ひなちゃんが、窓をあけて玉子焼きとおさしみとごはんを、ぼくの銀色のおさらに入れました。



ぼくは、いつもするように、ひなちゃんの顔を見てオアズケをしていると



外に出てきたお友だちが、「 おりこうじゃん。 ひなちゃんの言う事を聞くんだね。 」



ひなちゃんは、ぼくに 「 よし! 」 と言ってから



うれしそうにそのお友だちを見て 「 はい。 」 と言いました。



エミさんが、 「 めずらしい犬ね。 なんて言う種類? 」 と お母さんに聞くと



お母さんは、「 かい犬なの。 ね、 クロ。 」 と 答えました。



「 へーー!  クロか。 くまもおそれず向かって行くというやつだな。



おれ、ヨシロウ。 よろしくな。 」 と 言いながら ぼくの頭をなでました。



「 だいじょうぶ? かまない? 」 女の人が、ぼくをこわがりました。



ヨシロウさんが、「 だいじょうぶさ。 ほら、 お手をしようとしてるぜ!  



クロはいいやつを 見分けるんだよ。 」



「 またまたー、ヨシロウったら。 ヨシロウがだいじょうぶなら、みんなだいじょうぶよ! 」



そう言いながら、ゆっくりぼくのそばに来て、



「 おりこうなクロちゃん、わたしは、ヒロ。 わすれないでね。 」   



と 頭をそっとなでました。 ぼくは、ヒロさんにお手をしました。



「 ぼくは、カズマ。 カズっておばえて カ ズ 。 」 



「 チサよ! よろしく また来るから ほえたりしないでね。 」



「 おれ、ススム。 おれんちにも ワンコがいるんだぜ。  



今度つれて来るから遊んでやってな。 」



「 クロちゃん、コロコロしちゃって あんた太りすぎじゃなーい? 



わたしといっしょにダイエットしようか。 」



「 ヒトエといっしょにするなよ なー、 クロ。 クロは、きんにくなんだよな。 」



とヨシロウさん。 みんなは、また、わらいました。



ぼくは、お友だちぜんいんとお手をしました。



やさしくてあったかい手。 ぼくは、うれしくなって グルグルグルっとのどをならしました。



ヒロさんが、 「 クロちゃん、おこってるの? 」 と ビックリしています。



「 よろこぶと のどが、なっちゃうんです。 」 ひゅうがは、はずかしそうに言いました。



お父さんが、あったかそうな上着を着て外に出て来ました。



「 じゃあね、リョウガ。元気そうで安心した。なかなかみんなで集まれないけど、



かならず、また来るからね。 」 と ヒトエさんが言いました。



お父さんが、「 そうだ! 毎年 シルバーウイークに うちで集まるというのはどうだろう。 」



と言うと 「 そうね。 いいアイデアだわ。 」 と お母さんが、手をたたきました。



「 さんせい!さんせーい! 」 みんなは、口々に言いました。



「 うれしいよ。 こうしてみんなと話ができるなんて。 来年は、もっと元気になるよ。



たのしみだな。 」 と お父さん。



「 わたしも うれしい! マサキさん、かならずエミといっしょに来てくださいね。 」



「 はい! もちろんです。 」 ( あれー? だんなマサキじゃないの??? )



お母さんが、かいちゅう電気をてらして カンカンを自動車からはずしました。



マサキさんが、自動車のやねを出して、エミさんがおとなりに乗って帰って行きました。



手をふっていたみんなも、四角の自動車に乗って帰ってしまいました。



お父さんと、お母さんと、ひなちゃんと、ひゅうがが残りました。


 

「 わたしたち、 幸せね。 」



お母さんが、ひなちゃんとひゅうがの肩をだいているお父さんを見上げて言いました。   



-50話につづく-


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