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ぼく  作者: 槌谷 紗奈絵
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サプライズ

ひゅうがは、のぼ君の水をかえてから 細いミミズをつかまえてのぼ君と遊んでいます。



「パクッ」 のぼくんが、小さな音をたててミミズをひゅうがの手からもぎ取りました。



ひなちゃんは、きれいにマリモをまるめました。



お母さんは、お日さまのにおいがするせんたく物をうれしそうにおうちの中に入れています。



すると、下の道から ガラガラガラガラ 大きな音が近づいてきます。



お母さんが、時々ふくろにつめるカンカンの音です。



ぼくは とびおきました!



カンカンの音をひびかせながら自動車が坂の道をこちらにまがって登ってきます。



見たこともない、やねのない自動車!!



フワフワの白いものをかぶった人が乗っています。



おうちの中で、おせんたくをたたんでいたひなちゃんが、ぼくのとなりに走って来ました。



ひゅうがも飛び出してきました。



前のあき地にガラガラガラガラと入って、ブルルンボスンボスンプシューとエンジンが止まりました。



降りた運転手は、むねのポッケにお花を入れて、おしゃれをしています。



白いフワフワの方のドアをあけに行きました。



白いフワフワが動いて自動車から降りました。



ワーーー! 下までぜーんぶフワフワです。



「 りょーがー !!  ミヤビー  !! 」



白いフワフワは、大声でさけびました。



ぼくは、びっくりして となりに立っているひなちゃんを見上げました。



「 エミ!?  エミなんだ!! 」 お母さんが白いフワフワに走りよって行きます。



おしゃれをした運転手と白いフワフワは、うでをくんで歩いて来ます。



「 サプライズよ!  サプライズ。 」



エミとよばれた白いフワフワが片目をつむって言いました。



「 わたしたちケッコンしたの。 これ だんな マサキ。 」



「 おめでとうございます。 あの、ミヤビです。 」  かたくなって あいさつするお母さん。



「 ありがとうございます。よろしくおねがいします。 



ミヤビさんたちの事はエミさんから聞いています。 大変でしたね。 



リョウガさん、がんばりましたね。 」 運転手で、だんな マサキと言われた人がやさしく言いました。  



お母さんは、声が出なくなって、なみだが次から次からあふれて落ちています。



「 去年のOB会に出て来なかったから・・・



ミヤビ、リョウガにつききりでかんびょうしてるってカンジのチサに聞いたよ。



それで、ヒロ 医者だからさ リョウガが一番体調良さそうな日を調べてもらって



その日に集まることにしたの。 」 と白いフワフワのエミさん。



「 それで、チサ 治療はいつか シルバーウイークはひまか とか 聞いたわけ? 」



なみだ声のお母さん。



「 そろそろみんな来るよ。 さっき、その坂の下で車にカンカン付けてからスーパーに行ったの。



だから、ミヤビは何もしなくていいよ。 」  



エミさんが、来た方を指さして話していると



2階から降りてきたお父さんが、窓をあけて 「 さあ、入って入って  マサキさん、エミ



あいさつは後でゆっくりしよう。 」 と 手まねきしながら言いました。



「 リョウガー 久しぶりー !!! 」 エミさんが元気にあいさつすると



だんな マサキは、だまっておじぎをしました。



まがりかどからこちらに白い四角の自動車が走って来ました。



あき地に止まると、中から6人の男の人や女の人が降りてきました。



みんなは大きなふくろを持っています。



( うーーーん  いいにおい  おいしいにおいがする。 )



ぼくは、おすわりをしました。



「 リョウガー  ミヤビー  おひさーー!! 」 女の人が言いました。



お母さんは、両手をふってうれしそう。



「 ひな、花よめをごあんないしてね。 」 と お父さん。



「 はーい ! 」 と いいお返事。 「 あの、かたくりひなです。おめでとうございます。 」



びっくりして、ぼくのとなりで かたまっていたひなちゃんが、二人の前に出てきちんとおじぎをしました。



「 大きくなったわねー。 わたしが前に来た時は、お名前は?って聞いたら  



『 2ちゃい 』なーんていって。 



手をつないで そこの山に散歩に行ったのよ。 お歌がじょうずで、いっぱい歌ってね。 



チューチップとか、かわいいきんぎょとか、ほかにも。おぼえてる? 」



「 いえ あの はずかしいです。 」



赤くなりながら、細い手をさし出します。



花よめのエミさんは、にっこりしながら ひなちゃんの手にそっと手をおきました。 

  


ひなちゃんが、花よめをおうちの中にごあんないすると、続いて自動車から降りた6人が、 



だんな まさきを後ろからかこむように おうちに入って行きました。



しばらく石のように動かなかったひゅうがのせなかをおしながら、お母さんがさいごに入って



ドアがしまりました。



ぼくは、ずっとおすわりをしていましたが、お母さんは、ぼくのことをお客様に話すのはすっかり忘れてしまったようです。



-47話につづくー


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