南の国へ
「 やっと飛べたね! 1mかー、南への第1歩だな。 」 と、お父さん。
「 そうね、秋風がふいたら、南の国へ行かなくては。
それまでには、自由自在に飛べるようになるわ。 」
次の日、ツバメちゃんたちは、電線にとまって、ごきげん。
すると、7羽のツバメが来て、ツバメちゃんたちの周りを、取り囲むように、クルクル飛んでいます。
ツバメちゃんたちは、びっくり!
気が小さいジュジュが、口を大きくあけて威嚇します。
「 お友だちよ、ジュジュ! 一緒に飛ぶの! 」 と、お母さん。
キュートは、羽を広げて飛びそう!
チュリも羽を広げました。
キュートが舞い上がると、チュリが後を追うように飛びます。
みんなでジュジュの周りを、遠く近く円を書くように回るので
ジュジュもコワゴワ羽を広げます。
そしてついに、ジュジュが飛びました。
お母さんは、「 それでいいのよ! 」 と言いました。
お父さんが、網戸ごしに 「 みんな、本当に南へ飛んで行っちゃうんだね。」
お母さんは、空を見たまま、何も言いません。
( お母さん・・・ )
ひなちゃんとひゅうがは、学校から帰って来て、
ツバメちゃんたちが、行ってしまったと聞いたから、
「 さよならしたかったな 」と ひゅうが。
「 ・・・・・ 」 お母さんと同じひなちゃん。
夕方になって、元気な声で鳴きながら、ツバメちゃんたちが、帰ってきました。
お友だちは、高い電線にとまってツバメちゃんたちを見送っています。
お母さんが急いで外へ出ると、ジュジュがまっ先に、お母さんの胸に飛びこみました。
キュートとチュリは、余裕でお母さんが差し出した指にとまります。
「 帰って来たんだね。 よしよし、がんばった がんばった。おりこうさんだったねぇ 」
お母さんは、大喜びです。
ひなちゃんもひゅうがもサンダルで外に飛び出しました。
「 やったー! やったー! 帰って来たー! おかえりー 」ひゅうがは ガッツポーズ。
「 おりこうちゃんねぇ お空をいっぱい飛んできたの? 」 ひなちゃんも安心。
「 明日、また飛ばせるから、お別れをしてから学校に行ってね。 」
次の日も朝からツバメちゃんを外に出しました。
お友だちが、迎えに来ると、一緒にどこかに飛んで行きました。
しばらくして、お母さんが、おせんたくをほしていると、
道路すれすれに、すごいスピードでジュジュが飛んできます。
お母さんが ニコニコして見ていると、フワッとお母さんの左の胸にコサージュみたいにとまりました。
ジュジュのお決まりの場所。
虫をもらうと、また飛んで行きました。
キュートもチュリも時々、もどって来て虫をねだります。
でも、飛び方は一人前。
( これが、 ジ ユ ウ ジ ザ イ っていうのかな? かっこいいなー! )
夕方まで遊んで帰ってきました。
次の日も朝からツバメちゃんは飛んで行きました。
---43話に続く ---