ツバメちゃん2
( まだ目も見えない感じなのに、なぜ飛び降りちゃったんだろう??? )
すると ギャォー!!! かべをつたって蛇が降りてきたー!!
ぼくは、ツバメの赤ちゃんの方に走って行って 「 ヴゥゥゥ 」 と 低くうなりました。
( 蛇になんか食べさせるもんか!! ぼくがゆるさない!! )
蛇は、ぼくをチラッと見ると、さっさとどこかに行ってしまいました。
それでもぼくは、毛をさか立てたままうなりつづけます。
( お母さん、早く帰って来ないかなー。 お父さんと病院に行くって言ってたし、どうしよう! )
ツバメの赤ちゃんは丸くなったまま動きません。
親ツバメたちは? ( まさか! へびとたたかったのかな? ぜったい勝てないのに・・・
げんかんは日かげになっているけど、きょうは暑いから、ツバメちゃんたち、弱っちゃうよ。
なかなか帰って来ないお母さん。 お父さん注射してるのかな?
ツバメちゃん、ふるえてる。かわいそうに・・・ )
「 クーン、クーン 」
ぼくは、何もできず、ツバメちゃんたちの近くを、ウロウロするしかありません。
長い時間がすぎて、ぼくはつかれてしまいました。
( ふせをして、ツバメちゃんたちを、見守ることにしよう )
お日さまが、ま上より、少しお山の方にかたむいた頃、お母さんの自動車の音が聞こえました。
( やっと帰ってくる。よかったー!! )
ぼくが、ガレージにふせをしているので、お母さんは、道に自動車を止めて
「 どうしたの? クロ! 」 と言いながら、走って来ます。
ぼくが、お庭に移ると、お父さんが、ゆっくり自動車から降りて、運転席に乗りました。
お母さんは、ツバメのひなたちを集めてうちの中に連れて行きます。
お父さんが、ガレージに自動車を入れて 「 クロ、何かあったんだね。 」
と話しかけます。
ぼくは、「 クーンクーン、グルグルヴゥゥー、クーンクーン 」 と 一生けんめい。
( ひなが落ちたよ。 蛇が来たの。 お父さん来ないから困っていたよ! )
お父さんは、「 よしよし 分かったぞクロ。よくやった! 」と 言いながら家に入って行きます。
ぼくはうれしくなって、しっぽをふりふり、一番見える所まで行って、ひなたちを見ることにしました。
( だいじょうぶかなー? ツバメちゃん。 )
お母さんは、ひなたちをおふろに入れ、ゴーーー! と音がして うぶ毛がヒラヒラ。
すっかりかわきました。
いつもは、チュン太が食べる虫を、ひなたちの口をあけて、食べさせます。
お母さんは、虫が大きらいだから、大変です。
動く虫を、コワゴワ、はしでつまんで、ゆげが出ているなべに入れます。
「 出さないで食べてよねー。 」 動かなくなった虫をあげました。
何回も、むりやり口をあけられ、虫を食べさせられて、ひなたちはぐっすり眠っています。
夕方になって、ひゅうがが帰って来ました。
ピンクのひな入れに気付いて、中をのぞきます。 「 ツバメだね、 どうしたの? 」
「 病院から帰ったら、ガレージに落ちてたの、クロが、付きそうようにそばにいてね。
ネコとかに食べられないでいたの。 」 と お母さん。
「 クロ、何か言いたそうだったけど、さすがに犬語は分からなくてね。 」 と お父さん。
ひなちゃんも帰って来て、ピンクのひな入れに気付き、ひゅがと同じように中をのぞきます。
「 うわー!!! かわいい!!! ツバメのひなねー!!! ウフッ よくねてる。 」
( そう言っているひなちゃんがかわいい。 )
「 お父さんたちが、病院から帰ったら、ガレージに落ちてたんだって。
クロがそばにいたから、ネコとかに、食べられなかったって。
何か言ってたけど、犬語はお父さんにも分かんないって。」 と
ひゅうがは、さっき仕入れたばかりのを、ひなちゃんに言いました。
「 ひなたち、どうやって育てるの? 」
「 ツバメは、虫だけ食べて、生きているの。 だから、チュン太の虫を、いただいてね。
親からもらうのと同じように、あたたかいのをしばらく、あげて、
もう少し大きくなったら、ふつうに生きているのをあげるわ。
そろそろ、おなかすく時間よ。 ひなちゃんあげる? 」 と お母さん。
「 虫は、えんりょするー。 」
「 アラアラ ざんねん! ひゅうがは? 」
「 ぼく、やってみる 口あくかな? 」
ひゅうがは上手に、はしで虫をつかまえて、ゆげの出るなべにチョンと入れ、
ごそごそ動き出したツバメの口ばしにそっと当てました。
「 チーチーヂー! チーヂーチーチー! 」 大合唱です。
「 ウワー!!! びっくりしたー! 大きな声だなー、よしよし、おなかすいたね。 」
ひゅうがは、みんなに1匹ずつあげました。
「 チーチー、チーチー、 」 声が小さくなりました。
「 ねえ、まだ鳴くけど、あげていいの? 」
「 いいよー、何時間、食べないでいたか分からないから、
食べたいだけ食べさせてあげたらいいわ。 」
2匹ずつ食べると、またひなたちは、眠ってしまいました。
( ツバメちゃんたち、よかったね。 ) ぼくは、ホッと安心しました。
ひなちゃんが窓の所に来て、「 クロ、きょうは大活躍だったね。 」
と言いながら、いっぱいなでてくれました。
ボケの花がちって、ぼくの好きなボケの実が、小さく出てきた頃、
ひなたちの飛行訓練が始まりました。
お母さんは、こわがるひなたちを、お庭の木にとまらせ、ほんの少し、はなれた所に立ちます。
「 チュリッ チュリッ チュリッ チュリッ 」 と 何度もよびました。
ひなたちは、しっかり木につかまったまま、羽ばたきます。
( それじゃあ、飛べないよ。 つかまっている木を、はなさないと。 )
ぼくは、おすわりしたまま、力を入れました。
( がんばれー! ツバメちゃんたちー! )
---41話につづく---