ゆめの中
僕が、おばさんに、ついて行くと、突然、庭の奥から、ポインターが、飛び出してきて・・・
ワワワワン! 「かってに、入って来ないでちょうだい!」
目を、血ばしらせて、怒っています。
ヒャー!! こわいよー! 「Help me! Help me mommy!」
おばさんは、後ろを、ふり返り、 「あら、くろ、ついてきたの? 」
「エル! しずかに!」 と、ポインターに、何か、命令しました。
エルは、もっと、からだ中に、力を入れて怒り、 「許さないわよ!」 と、言っています。
おばさんは、 「くろ、早く来なさい、エルが、ヤキモチをやくから。」 と、言い、
急いで、家の中に、ぼくを入れて、ドアをしめました。
エルは、やっと、しずかになりました。
ぼくは、なんだか、とても、眠くなって。
色んな、においの、くつたち。
ぼくは、おぎょうぎ良くしなくちゃ。
丸くなって・・・と思っているうちに、くつたちの上で、ぐっすり、眠ってしまいました。
ゆめの中で、ぼくの家族ではない、子供の声や、さっきの、おばさんの声が、聞こえます。
「・・・・・くろ・・・・・・・・・」
ぼくのことかな?
何か話しています。
「飼いぬしを、さがさないと、いけないね。」 と、おばさん。
「ねぇ、飼っていいの?」 と、子供たちの声。
ぼくは、見られているのを、感じます。
でも、みんな、ゆめの中のことです。
どれくらい、眠ったのでしょう? 夜中になったのかな?
突然、ドアが開き、まっ暗な所に、人が、入ってきました。
ぼくは、起きようとして、頭を、上げました。
「わあぁー!!! 何だー!! これはー???」 と、びっくりしています。
おじさんです。このおうちの、おじさんが、帰ってきたのです!
ーーー第5話につづくーーー