ツバメちゃん
「 お父さん、退院おめでとう! カンパーイ!
ひなちゃんもひゅうがも、笑顔で、ずっと泣かなかったし、お母さんを助けてくれたのよね。 」
お母さんが、涙をふきながら鼻水の声で言いました。
次の日から、ひゅうがは学校から帰ると、お父さんと一緒に少しお散歩に出ます。
そして、だんだんにお父さんは、元気になっていきました。
すいせんがつぼみをもった頃、ツバメが飛んできました。
毎年、げんかんの灯りの所に土と草で、おうちを作ります。
ぼくと同じ、黒色の体。
夫婦なかよく交代で草の混じった土を運んで来ては上手にくっ付けます。
お父さんが、見上げて 「 今年も無事帰ってきたな! 」 と、うれしそう。
お父さん、ずっと家にいるようになってから、ぼくにも色々話しかけてくれるようになりました。
( まだ一緒にお散歩はできないけど、いつかきっと一緒にお散歩するんだ!お父さんと。 )
ぼくは、お父さんをじっと見て、ゆっくりしっぽをふっていました。
「 クロもツバメが帰って来てうれしいか? 」
ぼくは立ち上がって、 「 クウォーン 」
お母さんも、ツバメたちのおうちを気にして、毎日出かける時に見上げています。
「 お父さん、もう、卵あたため始めているのかねぇ? すわってるように見える。 」
「 そうかもね、今年もみんな元気に育つといいな。 」
そして、春は進んで ツバメの赤ちゃんがご飯をねだって鳴く声がします。
親ツバメは、何十回も虫を運んできては、赤ちゃんにあげます。
ある日、春にしては、あまりの暑さに、ぼくはだるくて木の下で眠っていました。
何だか、あたたかいチュン太に似たにおいがしてきます。
ツバメたちの威嚇する鳴き声
ぼくが、ねぼけまなこで見ると、3羽飛び降りて、下でおびえて丸く固まっています。
( 何があったのかな? まだ目も見えない感じなのに、なぜ飛び降りちゃったんだろう??? )
すると ギャォー!!! かべを!かべをつたって蛇が・・・・・降りてきたー!!
ぼくは、すっかり目がさめ、ツバメの赤ちゃんの方に走って
「 ヴゥゥゥ 」 と 低くうなりました。
蛇は、ぼくをチラッと見ると、さっさとお庭を出て、どこかに行ってしまいました。
それでもぼくは、毛をさか立てたままうなりつづけます。
( お母さん、早く帰って来ないかなー。 お父さんと病院に行くって言ってたし、どうしよう! )
ツバメの赤ちゃんは丸くなったまま動きません。
親ツバメたちは? ( まさか! へびとたたかったのかな? ぜったい勝てないのに・・・ )
---40話につづく---




