まだらの正体
ホースの、うずまきが、まだらになって、進んで行きます !
( なんだろう ? 進んでいるのに、ホースは、動いていない ! )
( どうして ? たしかに、進んでいるのに !
ホースが、動かないって、いうことは ? ? ? )
ぼくは、うずまきになった、ホースを見ながら、真剣に、考えました。
お母さんは、ぼくが、真剣に、考えている時に、わらっています。
正体が、分からないで、いるうちに、まだらは、進んで行って、なくなってしまいました。
( 何だったんだろう ? ? ? なぞだー ! )
夕方になって、ひなちゃんと、ひゅうがが、帰ってくると、
お母さんは、おやつを、ならべながら、 「 クロがねぇ、あははっ 」 と、わらいだしました。
「 クロが、どうしたの ? 」 ひなちゃんと、ひゅうがは、口々に聞きます。
お母さんは、わらっていて、なかなか、話しません。
( ん ? ぼくの話だ ! )
ぼくは、いつものように、まどの下に行って、ひゅうがに、一番、近い所に、ねころびました。
お母さんは、やっと、わらいを、こらえて、朝のふしぎな、事件について、話し始めたところです。
「 あのね、 ほら、 昨日、ホースまいて、片付けるのが、こわれちゃったでしょう。
それで、水道の横に、うずまきにして、おいたんだけど、
ホースの中に、そうね、ちょうど、ひなちゃんたちの、指くらいの間隔で、
空気が、入っちゃったの。 水、空気、水、空気・・・って。
ハーブの、種まき、した後、水を上げようとしたけど、なかなか、水が出ないから、ふりむいたら、クロがねぇ 」
また、お母さんは、わらいそうな声。
「 クロが、ホースの前に、ちょこんとすわって、首かしげているの 。
その首の、かしげ方って言ったらねぇ、ほっぺが、肩にくっ付いて、
そのまま、たおれちゃいそうなくらい。 こうーんなん、なの 。
水と空気が、少しずつ、進むのを、見て、何回も、首を、かしげるから、
お母さん、わらっちゃって、いきが、できなかったの 。」
「 今、水、出したら、クロ、首、かしげるかなぁ ? 」 と、ひゅうが。
「 わたしも、見たいなー 。 クロ、かわいいね 。」
( ひなちゃんが、ぼくの事、かわいいねって、言った ! )
ぼくは、とくいになって、 「 ゥウォーン ! 」
すると、カーテンが、開いて、まどから、3人が、ぼくを、見ました。
ぼくは、おねだりして、お魚の頭を、もらいました。
( うーん ! おいしい ! )
しばらくして、3人は、外に、出て来ました。
お母さんは、ホースを、指さして、
「 ほら ! できてる ! 水と空気の、まだらもよう ! 」
ひゅうがが、 「 ほんとだー ! 出来てるー ! 」 と、 喜んでいます。
「 クロ、また、首、かしげてくれるかな ? 」 ひなちゃんは、ぼくを、見ます。
( ひなちゃん ! ) ぼくは、ひなちゃんが、見ているので、うれしくなりました。
お母さんは、ホースを、水道につないで、ねじを、まわしました。
そして、ジョロの口が、付いている、ホースを、ひなちゃんと、ひゅうがに、持たせて、
種まきした所に、ひっぱっていきました。
朝と同じです。
ホースは、動かないのに、まだらが、進みます。
ぼくは、近くに行って、よく見ました。
( 何だろう ? ) 一生けんめい、考えても、分かりません。
まだらは、どんどん、うずまきに、入って行きます。
ひなちゃんと、ひゅうがが、わらい出しました。
「 ほらね、ほらね ! 」 と、 お母さんが、指さして、わらっています。
でも、ぼくは、それどころでは、ありません。
( このふしぎな物は、何 ? てきでは、なさそうなんだけど・・・
ぼくは、わらえないのに、このまだら。
お母さんたちには、わらえるんだなぁ 。
まだらの正体は、何だろう ? ? ? )
−−−26話につづく−−−