表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼく  作者: 槌谷 紗奈絵
18/52

テリー ! テリー !

( お母さん ! テリーが、肩にいるよ ! )


お母さんが、水入れを、取ろうとしたその時 ! エルは、喜んで、飛びつきました。


テリーは、びっくりして、パッと、高く、高く飛びました。


風が、ゴーーー ! と、テリーを、追い払うように、さらっていきます。


( テリー ! テリー ! )


テリーは、ティッシュペーパーのように、くるくる回って、飛ばされていきます。


ぼくは、見えなくなった、テリーの方を、ずっと、見ていました。



「 あら ? テリーが、飛んだね。 そのうち、帰って来るでしょ。 」


( のんきだなぁ ! テリーは、飛んだんじゃなくて、飛ばされたんだよ ! ) 


ぼくは、すぐに、さがしに行かない、お母さんを見て、テリーの事が、心配になりました。


鼻を、高くして、テリーの,においを、かいでみても、土ぼこりの、においと、葉っぱのにおいだけ。



ひなちゃんたちが、帰って来る、時間になっても、テリーは、帰ってきません。


「 ウォーーーン ! 」・・・・・


「 ウォーーーン ! 」・・・・・


「 ウォーーーン ! 」・・・・・


( ぼくの声、 テリーに届け ! )



夕方になって、やっと、お母さんは、テリーの心配を、始めました。


庭で、 「 テリー、暗くなるわよー ! 帰って来なさ−い 。 」 と、テリーを、呼びます。


ひなちゃんと、ひゅうがも、 「 テリー ! テリー ! 」 と、 大きな声で、呼んでいます。



とうとう、夜に、なりました。


「 ウォーーーン ! 」・・・・・ぼくは、時々、呼んで、においを、かいでみました。


テリーの、においはしません。



家から、ひなちゃんの、ないている声が、聞こえます。


お父さんが、帰ってから、4人で、明かりを、てらしながら、テリーを、さがしに、行きました。


明かりが、山の上の方に、見えます。


ひなちゃんと、ひゅうがが、テリーを、呼んでいるのが、かすかに、聞こえます。


やがて、みんなは、何も話さないで、帰って来ました。



「 ウォーーーン ! 」 ( テリー ! テリー ! )


ぼくは、夜中も、時々呼びました。


( 明るくなったら、こちらに、飛んで来なよ ! )



朝に、なると、お母さんたちは、いっぱい紙を、持って、出て、来ました。


大きな字と、絵が、書いてあります。


テリーの、絵です。


「 だれか、見つけて、くれたら、いいね ! 」 と、 ひなちゃん。


「 お母さん、ス−パーにも、たのんで、はらせて、いただくね。 」


「 テリー、帰って来るよね ? 」 ひゅうがは、お母さんの、顔を見ます。



−−−19話につづく−−−

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ