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ぼく  作者: 槌谷 紗奈絵
14/52

プロパンのお兄さん

「 えー ! あげちゃうのー ?  いやー! 」 と、ひなちゃん。


「 やだやだー みんな、うちで飼いたいよー !」 と、ひゅうが。


「 お母さんも、飼いたいけど、7匹飼うには、お庭が、せまいから、赤ちゃんが、広い所で、のびのびと、暮らせたらいいと、思っているの。 」


お母さんは、二人に、言い聞かせるように、ゆっくり、話しています。



何日か、すると、カンカン、音がする、大きな物を、運んでくる、いつもの、お兄さんが、来ました。


お兄さんは、ぼくの、お友達です。


おうちに、だれも、いない時、 「 よいしょ ! よいしょ ! 」 と、 言いながら、


カンカンの怪物を運びます。


そして、うちにある、カンカンを、トラックに、乗せます。


「 フー ! 終わったぞ ! クロ ! よしよし ! 」


力強い手で、ぼくを、なでます。


ぼくは、ひっくり返らないように、足をふんばります。


「 クロ、お前、子どもいるじゃんか ! にー、しー、ご 。 」


「 五匹も。 かわいいな ! クロ ! お前も、かわいいだろ ? 」


いっぱい、なでてもらって、ぼくは、お兄さんの、ほっぺを、ペロンと、なめます。


お兄さんは、「 よしよし ! 」 そう言って、立ち上がります。


( もっと遊んでよー ! )


ぼくは、外に向かって、歩き出した、お兄さんのひざに、飛びつきます。


お兄さんは、 「 ごめんな、クロ ! まだ、仕事があるんだ。 バイバイだよ ! 」


また、頭を、少しなでて、トラックに乗って、帰ってしまいます。


( またねー ! またねー ! ) ぼくは、体じゅう、力を入れて、しっぽをふります。



でも、今日は、いつもと、少しちがいました。


お兄さんが、トラックに、乗ろうとした時、お母さんが、帰ってきたのです。


「 こんにちわー 、 ごくろうさまー ! プロパン、重くて、大変ねー ! 」


「 こんちわー 、 ありがとうございます 。 子犬、生まれたんですねー 。 」 


「 そうなの、 かわいいでしょ? そろそろ、飼いぬしを、さがさないと、と、思っているの。 」

 

「 そすかー、じゃあ、かわいがってくれそうな、お客さんに、声、かけてみるっす 。 」


「 あら ! うれしいわー ! 優しい方に、お預けしたいの 。 お願いねー 。」


ぼくは、もう一度、入って来た、お兄さんに、飛びつきました。



お兄さんは、ぼくを、なでながら、お母さんと、話します。


「 それじゃー 、 また、連絡しまーす ! クロ ! バイバイ ! 」 


お兄さんは、トラックに、飛び乗って、帰りました。


( 大好きな、 プロパンの、お兄さん 、 バイバーイ ! バイバーイ ! )


ぼくは、トラックが、見えなくなるまで、しっぽを、ふりました。


−−−15話につづく−−−

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