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ぼく  作者: 槌谷 紗奈絵
12/52

結婚

すずしい夜、ぼくは、なんだか淋しくなって、


「 ゥウォーーン ・・・・・ ゥウォーーン・・・・・ゥウォーーン 」


ようすを、見ながら、なきました。


お母さんが、こわい顔になって、家から、出てきました。


( ドキッ )


「 静かにしないと、夜でしょう ? メッ ! 」


「 ウォンは、 ダメなの ! 」


( ウォンは、 ダメ。 )


ぼくは、耳を低くして、頭を下げました。


「 クロは、おりこうねー、よしよし。 もう分かったわね。 ウォンはダメよ。 」


お母さんは、ぼくの頭を、なでて、帰って行きました。


ぼくは、がまんです。


淋しくて、たまらなくなると、 「 ヴーキューン 」 


がまんしても、声が、出てしまいました。



空気が、すんで、星が、きれいに、見えるころ、ついに、ぼくは、結婚しました !


すっかり、仲良しになった、エルと、ぼくは、結婚しました。


寒くなって、大好きな雪が、降りました。


エルの、おなかは、大きくなって、苦しそう。



よっちゃんのおばちゃんが、ひなちゃんと、ひゅうがを、むかえに来て、


「 お母さんは、しばらく、びょういんに、いるから、おばちゃんの家で、ご飯を食べよう。」


と言いました。


お母さんが、いない日が、続いています。



夜、たくさん、雪が、降りました。


朝になると、庭も、山も、やねも、まっ白 !


木の枝は、白い線に、なっています。


エルは、落ち着かなくて、雪の上を、うろうろ、しています。


( 寒いから、エルは、おうちに、入ってないと、いけないのに。 )


大変 ! エルは、歩きながら、雪の中に、赤ちゃんを、産んでしまいました。


エルは、とても、困っています。


行ったり、来たり。


あーっ ! また、雪の中に、産んじゃった !


( エル ! おうちに入れるんだよ ! 赤ちゃんを、早く ! おうちに入れて ! )


ぼくは、赤ちゃんに、手を、伸ばしましたが、とどきません。



もう、何回も、雪の中に、赤ちゃんが、生まれました。

 

最初に、生まれた、赤ちゃんは、動かなくなって、しまいました。


( お母さーん ! 早くー ! 早く帰ってきてー ! )


−−− 13話につづく −−−




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