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異世界送りの天使達   作者: タナウェイ
2/3

開演前 2

繁華街を抜けしばらく歩くと右側に教会が見えてきた。雑多な店の色彩に辟易していたが、こういった厳かな雰囲気を醸し出す建物を見ると、思わずホッとする。なまじ異世界での生活を10年、そこからは原界と、異世界の行き来が5年、なんだかんだですっかり異世界の世界が自分の世界として確立してきているのかもしれない、と教会のシンボルの十字を見ながら感慨にふける。

初めて転移した時は教会の世話になったな、と考えていると、道路を挟んだ向かい側から、名前を呼ばれた。

振り返り、思わず我が目を疑った。向かい側にある公園の入り口に立ち、こちらに向けて手を振るセンター長がいた。

信号を待たずに道路を、早足で横切る。

「センター長、ずいぶんお早いですね」

言った後に、しまったと思った。これでは普段は遅いですね、と言ってるようなものではないか。

「そうかい、いやぁいつも待たせてばかりで悪いと思ってたまには、な。でも、案外人を待つってのもたまにはいいもんだな。意外と発見がある」

屈託ない笑顔を見せるセンター長からはさきの嫌味は感じてない様子が窺える。

「そうですか。どんな発見です?」と、謝罪を込めてご機嫌伺い宜しく低姿勢で訊ねる。

「そりゃ、この世界でも神様は信仰されてるって事さ」

と、センター長の視線の先は教会から出てくる原界人達に注がれている、まさに慈愛に満ちた表情で。

確かにそうですね、と釣られてその集団を見る。

ただセンター長、この人達の信仰してる神はあなたではないのですがね。

思考は読まれはしないだろうが、意外と鋭いこの異世界の神こと、原界での名称「センター長」には注意が必要だ。


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