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第79話「一心同体」

ソロモンはルカにつれられて、東の森へいく


~メディオラム地方・東の森~


「ちょwちょっとまてぃ~!!」

ルカの手を振り解いた。

「なぜワシだけを引っ張った?何か目的でもあるのか?」

「……。」

「わしだけを倒すつもりか?」

手には杖を出し、宝玉の前に魔方陣を出す。


「あなたは、私が必要…。」


「ああ、そういってのぅ!ワシゃ耳だけはいいぞ?」

「この先の橋にあなた達を狙う敵という存在がいるわ。」

「そりゃお前さんの仲間か?」

「…違う。私は鍵の役目をしている…。」

「なにいってやがる!?」

そういうと、ふぁと浮き、光始める。ルカの周りに風が発生している。

「ば、ばかな!!??プレイヤーがイベントフラグを有するじゃと??ありえん!!」

「トキガウゴク…」

「そ…そんなことがあってなるものか!」

ソロモンはルカの足を引く。

風が止み、森はいつもの静けさを取り戻した。

「…白状してもらおうか…。おまえさんは何者じゃ?ワシの目はごまかされんぞ。」

ソロモンはいつでも魔法を撃てるように手を忍ばせていた。


「私は…私だ。そう、ルカと名づけられた。」


“名づけられた”だと?まさか…


「私は…そうヒトとヒトをつなぐために使つかわされたモノ…」

「ほう、ルカとやら、ワシの質問に答える気はあるか?」

ソロモンは探るように質問をした。


ルカはふぅと一息つき、ソロモンの目を見た。


―――これはマスターに報告する案件じゃ…。この異変に気づいているのはワシだけだ。これは巷で噂になっていた“アレ”を導入の話が…コイツとは信じがたい。


「ルカ…ワシはおまえさんにとってなんじゃ?」


「……XXXX。」


――――――――――――――――――――――――――――――



~メディオラム・ファサール議事堂~


セイメイとベルスの会議はまとまりを見せていた。


「…では、そのようにしますか。」

「難しいとは思いますが、何卒良しなに。」

「やめてくださいよwこれも、みんなの野望のためですからw」

「セイメイ殿、頼りっぱなしで申し訳ない。」

「いや、うちも攻められたら兵力をお借りするわけですからwもちつもたれつですよ。」

「そういっていただけると心が楽になりますよ。ハハハ」

「私のような浅知恵でよいのであれば、いくらでもw」

「浅知恵で勝てるということになれば、今回は圧勝ですかな?」

「手厳しいですねw資力を尽くしますよ。」

「もう少しゆっくりして別の話をしたかったのですが、時間は限りがありますので占領戦のあとにお話でもしましょう!」

「ああ、いいですね。今度はゆっくり話しましょう。」

「では失礼します。」


議事堂を出て、見送るベルスに手を振りながら街へ向かう。


「あれ?ソロモンは?」

「ああ、ルカちゃんを追いかけて退出しちゃったみたい。」

「あのソロモンがな…。」


セイメイは首をかしげていた。


しばらくすると、ソロモンとルカが戻ってきた。


「やっほー!ルカちゃん!」

くったくのない笑顔で、クリスはルカを迎え入れていた。


「どうした?急にいなくなって…。」

「いや…、勝手にこやつがうろつくもんで、みてられんかったのじゃ!」

「あーまぁ不思議ちゃんだからなぁw」


セイメイは頭をポリポリかいていた。


「るかにゃん!変なとこいっちゃだめでしょ?ソロモンおじさんが変なことするかもしれないのに!」

「おいおいw聞き捨てられんぞ??こう見えて、娘っ子おるんじゃぞ??」


『えええ!!!???』


クリスとスカルドは驚いていた。


「なんじゃあ?二人して。マスターは知っていたぞ?のう?マスター?」

「あははは、俺は知っているけど、それを俺の口から言いふらすのはちょっとね…。」

「なんじゃあ、いってもええんだぞ?」

「いやぁ、プライベートの事しねぇ…。」

「そ、ソロモンさん?娘さんはおいくつなんですか?」

「ああ…、おそらく、高校か大学生じゃないかな?」


『だいがくせい???』


「私より年齢が低い…。」

クリスは驚きを隠せないでいた。

「もう、ソロモンさんとかヘンタイ親父扱いできないじゃないっ!!!」

「そういう問題じゃあないじゃろ!!そもそもヘンタイ親父って…。ワシへこむぞ…!」


肩を落とすソロモンをみて、セイメイが元気付けた。


「なぁヘンタイじゃないぞ??エロ親父だけどw」

「マスターまで!!そりゃないぜ…。」

「まぁソロモンさん、そんなに凹まないでください。私は意外でびっくりしただけですから…!」


スカルドは思わずフォローをしたが、ソロモンは元気が出なかった。


「まぁソロモンは俺の信用はあるから、大丈夫だよ。」

「そ、そうですね!オケアノスの名参謀ですからね!」

「そのポジションはお前の兄ちゃんとボクメガネにとられつつあるわい…。」


クリスのフォローは失敗に終わる。


「まぁいいじゃねーか。俺の心の友ということでソロモンは俺の信頼は絶大だからw」

「さすが、マスター!ソロモンさんへの信頼は絶大ですね!」


スカルドはフォローし、ソロモンはなんとかいじけずにすんだ。


「なんか、いいようにいわれている気がするんじゃが…。」

「まぁいいじゃねーか。ソロモン!うちのギルド第3号だからな!?」


「3号…。」ルカは小声でいうと、かき消すようにソロモンが叫ぶ


「だれが仮面ライダーじゃ!!」

「ネタがレトロなんだよ!!」

「うるさい!」

「ぎゃはははは!!」


「ま、マスター?そろそろ目的地に向かいましょう。」

「ああ、そうだった。ここから南南東にある遺跡に向かう予定だ。」

「そのまえに神殿もあるぞ?」

「あ、そうだったな。たしか今回いく内容は…。」

「ソロモンの指輪ですよね?」クリスが待ちかねていった。

「そう、指輪だ。この指輪。そんな簡単に手に入らないんだよな?」

「そうじゃ、この世界に数人もっているらしいんでの。」

「もう既に持っているバケモノはなんだ?w」

「いうても、召喚中はがっつり動けるわけじゃないんでの。」

「攻撃されたらどうなるの?」

「召喚獣の動きが止まる。」

「なので、起き上がりのモーションを利用して距離を取り、牽制してから召喚獣を操る。というより攻撃を入力する感じかな?」

「そんなんであんなダメージだせるのか?」

「そうじゃよ?魔力に比例して攻撃力が上がる。どっちにしろ、強い武器を装備している必要がある。」

「ほんと、この世界の魔力はチートだよな。修正してくんねーかな?」

「がははは!!その分、紙装甲なんじゃからの?攻撃を受けて立ち上がれる頃には瀕死じゃ。」

「そうじゃなきゃ、バランス崩壊するわwwww」

「それでは、向かいましょうか。」


“ソロモン王の謎”を解きに。



セイメイ一行はロームレスをあとにし、馬に跨ると遺跡と神殿へ向かう

ルカはソロモンの後ろに乗ることになると、セイメイは少し異変にきづいたが、特に何も反応を示さなかった。


 そう、今回の神話はソロモン王、古代イスラエルの諸説を混ぜてオリジナリティを加えた創作のクエストだ。古代イスラエルはユダヤの旧約聖書に基づいたカバラーといわれる神秘主義者が作り上げたモノで、しばしば密教扱いされるらしいが、それも素材としてぶち込んできているから最早、おとぎ話の類であると思われる。むしろその方が色々とやりやすい。歴史家や宗教家すれば、嘘や偽りだと指摘されることもあるため、創作の類にしてしまえば、一線を介すためである。そして、これらはイーリアスのクエスト攻略の紐解く鍵となっている。

 話を戻すと、この世界のソロモン王はセラフィムから指輪を承った。その指輪は悪魔の指輪、知恵の指輪などという名前のものらしい。そこで悪魔を従えて神殿を作り繁栄をもたらした。しかし、ソロモン王が支配した地はやがて荒れ果てて国を分断する内乱が発生した。というのが、大筋のお話だ。

クエストをようやくすると、その失われた指輪がどこにあるのかを調べるというクエストだ。

重要なものは、鍵・箱そして箱の中にある指輪だ。

これがソロモンの指輪ではないのかというのが我々の見解だが、神器であるため難解クエストの扱いだ。

これらが文字通りなら、宝箱の鍵を見つけて、宝箱を開けて指輪ゲットで終了なのだが、果たしてそううまくいくとは思えない。それは我々が見つけて解き明かすお話だからだ。

 

川を渡るとそこから地方名が変わる。


~アイブラハーン地方~


 ここはかつてここは聖地と呼ばれた場所だ。五人賢者が舞い降りこの世界を治めた。そのうちの一人がアイブラハーンである。この地において栄華を築き、礎とされてきている。

イーリアスに広がる神々が世界に散らばり民へ教えを説きに回った原点である。神々の時代・その狭間、今に至る。そのうちのアイブラハーンは、ここで暮らし始める。またメディオラムやアーモロト、アルビオンには聖セラフィムが後に管理、聖ガブリエルは世界に広がる信仰の他三人に救いの手を差し述べた。

 この信仰対象となる源の意図を違えて理解した大衆と一部の狂信者よって、血で血を洗う争いへと突入する。それが、このイーリアスの世界で起きている聖地占領戦、宗教戦争のようなものだ。シナリオを読み解くと、神々はイーリアスの民(NPC)は愚かだといっている。そして、悪魔はそれに乗じて世界を混乱に招き入れている。なので、全ては皆等しくまた尊重・助け合わなければならないとしている。教えは違えど、元は一緒。それを正す者が我々プレイヤーなのだ。

イーリアスの冒険者プレイヤーは皆、神の代行者であり、NPCの王とは別の争いをしている。という位置づけだ。そのため、NPCに剣を振るっても死なない・殺せないのはそのせいである。

また地域を占領するに当たり、グランドマスターになりうるのはあくまで代表であり、偉いわけではないのだ。ただ、せっかくの中世の時代をモチーフにしている以上、物語に溶け込みたいのが、ゲーマーのサガなのかも知れない。


しばらくすると、神殿が遠くに見えた。セイメイとクリスが、馬脚を早める。

「ちょ、お二人とも!!そんなにいそがなくても!!」

スカルドは慌てて、馬の足を速めて追いつこうとしている。

ソロモンも足を速めようとするとルカが、なにかに反応する。


「ソロモンヨ、我ガ導キに従エ…」

「ああ、いいだろう。ぬしとは一心同体のようなものじゃ…。最後まで付き合うぞ…。」


荒れ果てた地は砂漠化が進んでいる。砂塵の中、ソロモンは無表情のままセイメイの背中を追いかけていた。


世界の謎のひとつ、ソロモン王の知恵と悪魔の交差する神殿へ進むのであった。


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