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第64話「燻る靄」

「おっと、カレントがこっちにきたか!」


エレメンタル魔法:石壁ロック・ザ・ウォール!!


ファウストは土で防護壁を作り、ユリゼンの攻撃を防いだ。


邪神王ユリゼンは当たり構わず、獄炎の炎をまき散らす



「流石に近づけば攻撃のパターンが増えるか。」

ピピンが弦を弾きながら、辺りを見渡す。


ズザー!


近くの半壊した家の壁に滑り込み、身を隠し様子を伺っている。


一方ユーグはピピンの前にいるため、敵の攻撃を必死に抵抗している。

黒い霧で躱したり、大剣で物理攻撃を受けたりしてなんとかラインを維持している。

「…新しいスキル使うか…。」


スキル構成を確認し、スキルを放つ!


くらえ…覚えたてスキル!!  ダークマター!!


ユーグは剣を後ろに構え、片手で黒い魔法を出す。

野球の球ぐらいの大きさにすると、球を剣で打ち上げてサーマスの化身の方へ飛ばす。

打ち上げた球体はサーマスの化身に一直線に向かい、近づいたころには、大玉にまで成長し、サーマスの化身へ当てにいく。


≪グオオオオォォー!!!≫


サーマスの化身はダメージを負ったが、怯まずこちらへ攻撃を行ってくる。

十字架の剣を無数に呼び出し、ユーグにめがけて降り注ぐ。


ユーグはジグザクに走りながら黒い霧で躱す。無論、当たる事もあるが黒い霧によって致命傷に至ってない。


―――このままでは、ユリゼンとサーマスの攻撃を受けながら攻撃しかできない。


ユーグは踵を返すとレーヴァティンの腹で迫りくる十字架の剣を無数に受け流し一気にサーマスの化身へ近づく!


「ユーグ!危ない!」


ピピンが物陰から顔を出すと8方向から十字架の剣がスタンバイしていた。

ピピンはユーグに向かって弓を引く!



―伊吹く精霊よ、我が手に力を与えたまえ!!ー



シャイニング閃光・フラッシュッッ!!!



打ち放たれた矢は一直線にユーグの背中を追いかけた。

次の瞬間、無数に広がり十字架の剣の峰を捕らえ、ユーグへの攻撃を無効化させた。


それに気づいたユーグは後ろを振り返る。

「ありが…」

「い~~から前向け!!ぼけナス!!!」


ユーグの目の前には十字架の剣を装備したサーマスの化身が振りかぶって振り下ろそうとしていた。

とっさに避けたユーグはサーマスの化身の横腹にレーヴァティンを突き刺す


≪グオオオオオ…!!≫

サーマスは激痛の声を上げ、膝をついた。


ユーグは剣を抜き、レーヴァティンを構える。


―――ここで終わらせる。哀しみのシナリオは…ここで終わらせるんだっ!!!

目を潤ませながら、スキルを発動させる。


我が叡智を授けし、アーソナよ我に力を授けよ…!


ダーク暗黒ブリンガーァァァ!!!



レーヴァティンは開眼し、黒い光を剣に纏わせる。

ユーグは踏み込み、一気に振り下ろす!!!


「これで終わりだぁぁぁあああ!!!!!」



振り下ろした剣は地面を軽く裂いて勢いを止めた。

サーマスの化身は真っ二つになり、粒子化して跡形もなく消えていった。


「よっしゃー!」

ピピンが近寄り背中を叩く。

「…僕がやったのか…。」

「はぁ?そういうのもういいから、次行くぞ?高揚するにはまだ早ぇ~ぞ!?」

と、ピピンが指をツンツンと刺すと、その先にはカルディアとファウストがまだ交戦していた。


邪神ルヴァは幾多のカルディアの攻撃を躱し、受け流しながらカルディアを刺す機会をうかがっている。


「こんにゃろー!!!」


大きな斧を振り回し鞭のように自由自在に振り回しているが、紙一重で避けている。

すかさずユーグは参戦し、ルヴァへ攻撃を仕掛けた。ユーグの剣筋をあざ笑うかのようにユーグの攻撃も躱す。


「あれ~?こいつ意外に簡単に倒した記憶があるんだけど、なんでだ??」

「大体、2戦目というのは、バージョンアップされて強くなっているんだろーが!」

「あ~そうでしたねw」

「ったく…お気楽な奴だな…」

「ねっねっ!!そんなことより、僕の方を手伝ってよ。」

ファウストが近づいてくる。


邪神王ユリゼンの無差別攻撃はファウストによって齎される。


「おい、ファウスト!てめー!さっきまでの勢いどこにいったんだよ!」

「だって、こんなに魔法合戦になると思わなかったんだよ!あいつ自動回復してくるんだ。ダメ計算したんだけど、こりゃ一人じゃ無理だぞぉ!!」

「ちょぉと!!どこ触ってんのよ!!ヘンタイ!!」


ファウストの左手が転んだ時に唯華の胸を鷲掴みしていた。


「あぁいや!これはだね。偶然なのだよ!決して僕はそういう目線で君を見てたという…」

「どっちもレディに失礼だよ!!バカ!!」


というと、ファウストの頬を平手打ちした。


「くぅう…」

「ファウストさん、運がなかったですね…」

「ユーグ君、これはどさくさに紛れて満員電車で痴漢するヘンタイと一緒にしないでおくれよぉ…」

「しませんしませんw不運ですから…w」


「フン…!!」

「おいおい、いちゃついてる場合かよ!くるぞ!!」

「はぁ!?どこがいちゃついてるのよっ!!」

唯華は少し頬を赤らめていう。

ユリゼンの攻撃は手を休めてくれない。


回避した唯華にルヴァが攻撃を仕掛ける。

鋭い爪を唯華に向けて突き刺す。


ガキーン!


「どいつもこいつも!!私の胸ばかり狙って!!」

というと、指と指の隙間に挟んだ槍で防いでいた。


唯華は槍の柄でルヴァを突き放し、怒りをルヴァにぶつけた。


穂先に怒りを込めて、スキルを放つ。


―――イライラさせてくれるわね!活躍する気なんてなかったのに!!!


炎舞:鳳来仙花


穂先を振り回し円を描き、円の中心を思いっ切り突き刺す!


「喰らいやがれ!!」


炎の輪から火の鳥が飛び出してきた。

ルヴァは瞬間移動をするように距離を取る。


「かかったな!!」


火の鳥はヒュウーーンと燃え尽きてしまう。


ルヴァは攻撃態勢をとり、唯華に詰め寄ってくる。


「いつの時代も華は美しいから女子は好きなのよ…」


くるっと回り背中を見せる。ここぞとばかりにルヴァは背中に爪を突き立てようとすると、ブォン!とルヴァの周囲から炎が舞い上がった。ルヴァは逃げる間もなく炎上した。


「だから言ったでしょ…女性を怒らせると身を滅ぼすのを覚えておきなさい。」



「つ、強い…。マスターはこんな人に勝ったのか…。」

ユーグは冷や汗をかいた。

「あぁん?あんなの俺には効かないぜ?ありゃPvP向けじゃないスキルだからな。フレームを食いすぎる!」

カルディアはフフンと鼻で笑った。

「唯華が活躍して、俺が活躍しないのは、流れ的に“ナシ”だよなぁ??」

「男もだらしない…ユーグは活躍したか。」

「僕も…活躍したと思うんだけどなぁ…。」

「はぁ??何が死神じゃ!!?ユリゼン倒せてないじゃんか!!」

「ありゃ僕の魔力でも無理だ。PT用モンスターだよ?」

「ったく、いいわけかよ…。」

「まぁ、エリクサーの効果は切れてないんだ。名誉挽回と行きましょうかね…」


「気合いれていくぞ!!おめーら!!!」

『おう!』

というと、ユリゼンを目の前に武器を構える勇者達がそこには立っていた。



辺りは静かに雨音を歩かせてきた。

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