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第46話「序破急(前編)」

 俺の額に眩い閃光が降りてくる。


一瞬脳裏に「負け」の二文字が浮かんできたが、一瞬でかき消すスキルを思い出した。


 ―――あるじゃないか…。盾がない職にはそれに似たスキルが……!



 心眼の悟りッッッ!!!



 雷鳴剣をすり抜けて攻撃を繰り出す


「なにぃぃいいいいッッ!!??」



 剣聖神道流  “絶影”




 ―――アタリが浅い!!!


 Weapon Break!


 ―――刀が!!!


 セイメイの刀は酷使していたため、劣化し武器破壊となった。

 刃こぼれした刀を鞘にしまう。


 ―――爺さん、ありがとう。


 俺は子供の頃にチャンバラで遊んでくれた爺さんを思い出した。


「あぶなかったぞ!!セイメイ!俺も熱くなりすぎた。CTがほぼ同じであることをな!!」

「そうかい!?神器だったら、俺の勝ちだったな」

「三途の向こうで恨むがいい!!」


 ギュスターヴは剣を構えて俺に不敵な笑みを浮かべてくる


「本当にこれでお別れだ!!セイメイ!!!」



 雷鳴ライジング衝撃インパクト!!


 雷の衝撃波は俺を貫いた。



 俺はすぐそこの柱に吹き飛ばされていた。


 ―――くっそぉ・・・。すぐ近く旗があるのにッッ!!こいつを倒さなければいけないとかマジクソめんどくせーー!!!流石に死ぬか……!??


「セイメイ!!立て!!!お前のHP表示は残っているぞ!!」


セルは叫んだ。


 ―――……そうだ。HPがゼロになるとゲージは吹っ飛んで消えてリザルト画面が出る……。




 今、まだ出ていないッッ!!!



「マスター!!!立つんじゃあ!!!!」


 俺は・・・まだ、戦える!!!!!


「セイメイさぁぁぁぁぁん!!」


 立ち上がりアイテム欄を漁った。



―――クソッ!ハイポーションは……切れたか。無駄に斬撃を喰らいすぎたな……。


「ちぃ!!虫の息だとはな!!」


 ギュスターヴはゆっくりと近づき、剣を掲げて俺に言い放つ。


「よく戦ったな。だが、()()()()()()の勝ちだ。」

 というと剣を心臓目掛けて剣を突き立てる。



 キーーーーーーーン


「残念だったな。俺も神器持ちでな!!!」


 セイメイは青龍偃月刀を呼び出しており、ギュスターヴの剣を弾いていた。


「往生際の悪い奴だ!!!」


 雷鳴ライジングイン‥‥!!


「悪いな。諦めが悪いのが性分なんでなぁ!!」


 旋 風 大 車 輪  !!


 偃月刀はギュスターヴの剣を弾き飛ばし、大回転をして移動しているためギュスターヴの鎧は破壊され、ギュスターヴのゲージを吹き飛ばした。



「我が君が勝った…?勝ったぞ!!???ジャイアントキリングだぁ!!!!!」





 みんなが近寄るところをディアナが叫ぶ



「動くな!!!!」



「ああ??おまえのとこのマスターはそこにぶっ倒れているだろうが?しかも俺らの勝ちだ。アーモロトは俺らに渡せ。」


「うるさいうるさいうるさい!!!黙れ!!!」

「んだてめぇ!!殺してやるよ!!」

 セルは一気に距離を縮め、急所突きを行いディアナはぶっ倒れる。


「ちきしょう!!ちきしょう!!!ちきしょうぉぉぉおおお!!!!!!!!!!!」


「とどめを刺してやるッ!!」


「セル…!!もういい!!」


 セルは今にも刺しそうな手を止める。


「なんで止めるだよ??こいつはアンタを裏切った人間だっていうじゃねーか!!慈悲なんかこの期に及んで必要ねぇんだよ!!!」

「そういうんじゃないんだ。俺は少し話をしたい。」


 ―――――――――――――――――――


 ~アーモロト城・大広間~


 ユーグとカルディア、ベルス、スカルドが前線に立って戦っていた。


「セイメイ殿はこの奥の玉座の間にいる!!何としてでも、この()を越えるんだ!!」

 ベルスが味方を鼓舞する。

「回復魔法は任せて!!思いっきり暴れておいで!!」スカルドはやられている仲間を回復させながらあと押しする。

「相棒!!スタミナ管理大丈夫か??」カルディアは背中を合わせていう。囲まれている二人はいつしか相棒といえるほどになっていた。

「ええ!!まだいけます!!」

「よし暴れてこい!!」

 ユーグの周りに黒い霧が巻き付き始めた。」


「背中はこのピピン様が援護しちゃる!!いけ!!ユーグ!!」

 ピピンは囲まれている外からフライングアローをうって、エウロパの足並みを乱すように撃ち放っている。


 ユーグはゲージを溜めて終えて叫んだ。

 黒い光が両手を包む。


 うぉおおおおおお!!!!!!


 終末エンドオブ混沌カオス!!!


 待ってましたと言わんばかりにレーヴァテインは燻っていた黒い炎が溢れんばかりに刀身を焼き尽くし、ユーグは車輪のような衝撃波をクロスする様に出す。


 エウロパのギルメンは一気になぎ倒されて致命傷を負う。

「おっしゃ!!いっただきぃ!!!!」

「ああ!!ピピンの分もとっておけよ!!」




 こうして、七星連盟は大広間を制圧することに成功した。



 ―――――――――――――――――――


 ~アーモロト城・玉座の間~


「ソロモン、すまんが…。」と俺はいうといきなり大きな音がした。



 ドン!!という音が響き、カルディアとユーグ、七星連盟の連中が一気に入ってきた。


「おう、なんだ。マスター?旗取る前に死んじまったのか?残念だわ。」

「ええ?あああ!!時間ない!!」とユーグがいうと、旗を取ってしまった。


「おい!!ちょっと!!」

 え?と顔したユーグが不思議そうにこちらを見ている。

「ナイス!ユーグ!!おまえ一番美味しいとこ取っていったなぁ!」


【占領戦が終了しました。以後、アーモロト直轄領は 七星連盟 の支配下になります。】

【皆様、お疲れ様でした。】

 と、無情にもシステムは情報処理をして静けさをもたらせた。



 時計の長い針は丁度重なっていた。



 おっしゃああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!

 一気に歓声がわき歓喜の声で回線がパンクしそうになる。



「おいおいおい!!俺は今、ディアナと話があったのに!!!」

「戦後処理だろ?頑張ってね~!」とカルディアは軽くいってきた。


「おっしゃあ!!みんなで高台からダイブしようぜ??」カルディアは楽しそうにいった。

「えええ???なんで??」ユーグは驚いていた。

「みんなで飛び降り自殺するのMMOじゃ喜びの舞なんですよ…。やだな~ww」

 スカルドは頭を抱えていた。

「久しぶりにダイブするなぁ。」ドリアスがまんざらでもない顔をする。

「ほら、システム上ペナルティなしで降りれるの5分間だけですからね!さっさとやっちゃいましょう!」

「まってよぉ!!」と各ギルメン達は玉座の間をさっさと出て行って橋の方に向かっていった。


 残された人間プレイヤーは互いを健闘しあったり、お疲れ様でしたと労って、大広間や中庭で談笑をし始めた。


 俺はポカーンとした状態がしばしあった。


 しかし、ボロボロの状態ではあったが、ディアナに近づいて話す。

「よぉ、お疲れさん。すまんな。勝たせてもらった。」

 ディアナは黙って泣いていた。

「おまえさえ、よければまた一緒にクエストや旅をしよう。俺が許せない部分があるのはわかる。でも俺は一つも恨んじゃあいない。ディアナさえよければ、もう一度やり直そう。」


 俺は返ってこない返答を待つことなく玉座の間をあとにした。



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