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第26話「未知数(前編)」

 俺は残り一週間ということを念頭に置いて、身の丈に合ってない考えをめぐらしていた。


 目標が決まっているので、あとはその逆算だ!


 これって不思議なんだよね?逆算をしたあとその階段を一つずつ登ればいいというけれど、

それって時間がある程度、余裕がある人がいうんじゃないの?


プロでもない俺が導き出した階段の高さがどうにも高くなってしまうのは、俺のせいじゃない!

ってずっと思っている。そう、たった今この瞬間でもだ。


 ん?そういえば、最近ユーグ見ないな…。どうしたんだろ?とギルドのメンバーリストに目を通すとログインの履歴は毎日している。やる気はあるということしかわかってない。


 プライベートでなんかあったのかな?と要らぬ心配をしていた。


 どうやら俺がいない間に修行と装備を整えていたのだとつい先ほど連絡がきて判明した。


「おーい!おまえ今どこいんだ??」

「北西の島でぇーす!」

「はあ???」


「俺も聖なる武器がほしくて~ww」

「わかるけど、一人でいっているのか?」

「あー違います×2!今、カルディアさんとピピンさんと一緒にきてます~♪」


「ほあえ?」

「コロッセオのマスターのカッコよさは俺に響きましたよ!!“マスターの剣”になるために武者修行中ですよ!!」

「おおうwで、取れたのか?」


「はい!」

「へー…。はいえ!!???」

「なんか、クエストで3つの国の王と話してきました。」

「ええええ???どういうこと???」


「ほら例の【聖剣の謎】というクエストあるじゃないですか?人気なんですけど、運ゲーらしくて中々手に入らないみたいなんですよ。それで、クエストが元になった歴史書を漁ったり、伝記や伝説が記述されている書籍という書籍を目を皿のようにして漁ったんですよ!ヴリューナクとかも出てきましたよ!」


「まじか!!手に入れたの?」と俺は食い入るように話を聞いた。

「全然だめっす!やっぱ言い伝えのクエストを拾ってないと無理っすね!」

「あらら…。で、収穫あったのか?あのへんだとエクスカリバーあったよな?」


「あーだめっす。あそこ滅茶苦茶強いっす。ランスロットの血族が頭おかしいほど、強いです!!しかも騎士号もってないと無理っす。」


ユーグは発狂気味にいう。


「じゃ、じゃあ何手に入れたの?」


俺は期待せずに聞いてみた。


「れーばー…、レーヴァていン?」

「レーヴァテイン!!??」

「あーそれそれ!レーヴァテインをゲットしました!!」


「ユーグおまえそれ…魔剣じゃねーかwwww」


「ええ??聖剣じゃないんですか??」

「それは聖剣の真逆の魔剣だな。」

「これ炎でますよ?」


「炎が出るから聖剣とは限らんだろ!!w説明文読んでみ??w」

「あ、はい」


ユーグは読み上げてみた。


「ラグナロクで世界を炎で飲み込んだとされる剣、厄災の剣…って書いてあります!魔剣っすね!コイツ!」


「魔剣っていっただろ!!!」


「でもこれで、マスターと同じで炎使えるからこれにしよ!強いからいいでしょ!?」

「オーラアタックもオムニスラッシュに代わるからいいんじゃないか?」


「あーこれ違いますね?厨二病みたいな感じですよ?えーっとですね……」


変動災禍ヴァリアブル・ディサスターっていうらしいですよ?」


「ユーグに似合いそうっちゃあ似合う技名だなぁwwww」

「え?そうすっか?俺は光の魔法系が使いたかったんですけど!!?」

「もう暗黒騎士になるしかないw」


「あーそれもいいですね!!ベル○○クみたいでかっちょい!!!」

「まぁいい。無事帰って来いよ?」

「はーい!」


ユーグとの会話を終わらせた。



あいつ、いつの間にあんな成長したんだ??いいんだけどね、んー魔剣かぁ。

盲点だったな。魔槍とか魔刀も検討しとくか。


クリスがログインしてきた。

ログインしてくるなり、顔を近づけてくる。


「今日は私と貿易商のとこ行きますよ!!!」

「おおうw」



~貿易商露店街~



 今日が最終日だ。また貿易船がくる頃にはどうなっているのか想像もできない。


 俺は少し頭を擡げながら歩いていた。

クリスがたまらなくなったのか口を開いた。



「私と一緒に歩くのがそんなに頭がいたいんですか??」と少し不機嫌になる。


俺が悪いんだろうけど、女のこういう自分視点で相手の心情ド返しのこういうのは慣れているけど

改めて聞くとめんどくさいな。


「いやそうじゃない。なんつーか、こんなところで俺は油売ってて怒られんかなーとね」

「大丈夫です!!私は秘書扱いです!!デートだと思われません!だから、公的にデートをしているようなものです!!」


「これ、デートなの?」と聞くと、はっとしたような感じで言葉を濁すように誤魔化した。


「それより!!!私の聖槍探ししてくれませんか?」

「ああ、それはいいけど、まずは防具が先じゃないのか?ヴァルキリーの性能を活かすにはまず、防具でいいと思うんだけど……」

「そ、そうですね!!あー何か掘り出し物ないかなーー?盾もほしいなぁ!!あははは……」


「まずはあれだ。シルバープレートアーマーに昇格させてみてはどうだ?」

「でも、真銀が希少すぎてあまり持ち合わせないんですよね……」

「真銀?真銀でいいのであれば、採掘で手に入れてるからあげるよ」といい、システムの倉庫から引き出す。


「あ、いくつほしいの?」

「20㎏必要らしいので、あと15です」


20㎏の銀を袋ごと渡した。


「はい。これで作れるな?」

「え?丸々じゃないですか??いくら渡せばいいですか?」


「いらん。俺の防御力上げるのにもらうって概念がない。俺をガードするんだろ?それくらいぶん投げてもお釣りがくるわ」


「ついでにミスリルなら少量あるから盾も製作できるな?」


とりあえず、ポンと渡す。


「あの…!!もてないんですけど…あわわわ!!」


 クリスがいうと倒れてしまった。


 とりあえず、荷物をもってクリスを起こして鍛冶屋に向かい鍛冶屋のオヤジに鎧と真銀、盾にミスリルを渡した。

 

カチーン


「ほいできた。」

「ワーイ!!」


 これでクリスの防御力が上がったからクリスが即死することはないと思う。

 クリスは大喜びして装備を整えた。


 とりあえず、議事堂にもどる帰り道でソロモンと出会った。ソロモンもこの前装備をグレードアップしたばかりだ。


 少しずつだがみんなが成長していく。



 これのやり方が効率がいいのかわからないけど、そこまではひどいわけじゃないと思う。

地道に装備更新していくやつが結局最後は強かったりする。


さてと、ユーグの帰りを待ちながら色々準備するか。


 まずは、回復POTなどの運搬経路の確保だ。比較て今回は補給路を断たれることはないと思うが、長期戦になることを想定して、馬車の護衛をきちんと確保した方がよさそうだな。それと他の部分の詳細も含めて検討の余地がありそうだな。


 う~んと悩みながら鍛冶屋から総司令室へ足を運ぶのであった。



~総司令室~


席につき、雑務をこなしていた。クリスは盾を眺めてニヤニヤしているのがうかがえる。


俺は挟撃の進路を確認すべきだと思い、個人的にはあの二人はすごく苦手だ。


あんまり話したくないけど……。んー、やっぱコミュニケーションを取りにいって話をするしかない。

避けてたらいつまでたっても、うまくいかないしな…。



おもいきって、連絡をとり二人を呼び出した。



クリスは俺のそばにきて固まっている。


「あの二人くるんですか?」

「くるよ。指揮官だし総大将の俺と連携を密にしとかないとな。」

「また言い合いになったらどうするんですか?」

「それでも話す。」

「気に入らない人と話して楽しいですか?」

「楽しくはないよ、でも会話をし価値観を共有する努力をしなくちゃ分かり合えるものも分かり合えないじゃないか。それを頭ごなしにまた揉めて離れて口をきかないなんて、なんて愚かな行為かと俺は思うよ?」

「…そうですか。私にはわかりません。」

「ははは、そのうちわかるよ。社会に出れば嫌って程やらされてくる。そのうえで結果を出すのが社会人のサラリーマンだ。若い子はこのロジックに不満を漏らすが、うまく相手を動かすことができる人が仕事ができる人なんだよ。つまり、相手の心を動かせれる人が上に立つことができる。それが出世の第一条件だ。」

「難しいですね。人って。」

「当たり前だろw社会のほとんどが人間関係がすべてだ。そして人は一人で生きられない。それがこの世界のことわりだ。」



「まぁ……」


と俺が宥める様にクリスに言おうとしたときに、DGのセル・ツヴァイ・レオナルドのドリアス、両名が入ってきた。

まぁ無論、この二人も俺と話すのは好きじゃないだろう。でも俺はこのエウロパ攻略プロジェクトを成功させるしかないのだ。


俺は進んで話しかけた。


「お二人とも多忙な中、呼び出してしまい申し訳ない。挟撃の件でお二人としっかり話すべきだと思ってお呼びさせて頂いた」

「して作戦内容に変更でもあったのか?」とセルが言葉を発した。

「いえ、そうではありません。」

「挟撃のルートの確認です。」


俺は作戦用に作成した複写のMAPを持ち出した。


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