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第24話「知情意(前編)」

吹雪はより一層まし、前も見れない。


グラニが風よけに盾を前に出して前に進んでいる。

「あとどれくらいで抜ける??」


後ろを振り向きながら問いかけると


「あともう少しで抜ける。距離800ぐらい」


ホルスが風にかき消せられそうな声でいう。


マノは黙ったままだ。無駄に持久力が削られたくないようだ。

雪山に関しては、フィールドペナルティとして鈍足がランダムでつく。

30秒前後で消えるが、またデバフが発生するようになっている。




※デバフとは……古いオンラインゲーム「Ever Quest」から使用され、かけた対象に有益な効果を持つ魔法を指す、バフ。そしてかけた対象に不利益な効果を持つ魔法全般を指す、デバフ。

元々は同じゲーム内で用いられた、バッファ(buffer)とデバッファ(de-buffer:de-は否定・逆転・悪意などの意味)という言葉だ。





ここにきて引き返せるわけもなく道なき道を突き進んでいく。


そして、何かにぶち当たった。

「壁に当たったぞ!!?」


グラニが叫ぶ


「え?この辺に壁なんかないぞ!?」


ホルスが言い返した。



「じゃあこれはなんだよ!?


グラニがいい返すと、ホルスは顔を上げて目の前に立ちふさがる物体を確認した。


「おい!!モンスターだ!!下がれ!!!」


そう言い終わる前にグラニの盾に攻撃が入り、グラニのガードの耐久力が一気に落ちる。


「くっそ!!なんて重たい攻撃だ!!」

「おい、こいつはイエティだぞ!!」


「冗談じゃない!!こんなヤツに構っていられないのに!!」



だがイエティはそんなことはお構いなしに攻撃してくる。


ガガン!!


グラニのガードクラッシュをし、仰け反った。


「おい!やべ!!散開しろ!」

「ホルス!!足止めしてくれ!!」

「言われなくても!!」


天上の雨!!!


矢を放つと無数の矢に分かれてイエティの周りに降り注ぐ!



「マノ!!デバフの毒!!」


デッドリーポイズン!!


とりあえず、弱体化には成功したが依然攻撃の手は緩まない。


グランドスマッシュ!!


地面に剣を叩きつけ相手の足を止める。

距離をとるための布石だ。


「おい大丈夫か!!」


グラニは体勢を立て直し、前に出る。


「ああ、ていうか、グラニ!POT飲んでるよな?」

「問題ない!これくらいはガードできる。だけど、攻撃に転じると一撃のカウンターが怖い!遠距離でなんとかならんか!?」

「俺の装備では地道に削るしかできない!」

「マノはどうだ?」


「囮してくれれば、多少は無理できる!」

「わかった!POTでなんとか耐えるからマノ・ホルス!うまく削ってくれ!」

「ああ!にしてもこの視界じゃうまく当たるかどうか!?」

「このままだとやられる!なんとかするしかない!」


イエティは白い息を吐き、こちらをみてあらぶっている。

なんとか弓矢と投げナイフでHPを削ってはいるが、焼け石に水だ。


グラニのPOTが切れかかり始めた。


「おいそろそろ限界だぞ!!??」


グラニが叫んだ!!


「くっそ!!オーラアタックを使う!!」


ホルスは左手と右手にオーラを貯める。




精霊よ。我に力を!


グランドオーバーフェニックス!!!





放ったオーラが地面を駆け抜けるように不死鳥に変化しイエティを突き抜ける!!



イエティは膝をつくが、片手で三人をなぎ倒す。


「ぐは!!」


三人は吹き飛ばされダウンしている。


「こんな…とこで!」


ホルスは矢に手をかけるが、引く力がない。


「大いなる聖水使うにしても同時にやられちゃ使えんしな…。」


グラニが剣を杖にして立ち上がる。


「あとちょっとなのに…。」


マノはナイフを手にして強く握るだけだった。


「くそがぁ!!!!!」


グラニが走り込み剣を振り上げる!!



イエティは大きく拳を振りかざしてグラニの頭上へ一気に落とす!







「クイックアクセルッッ!!」




グラニに詠唱魔法陣がかかる!


グラニは拳を交わし、イエティの胸元へ一直線に切り込みが入り、クリティカルアタック判定が入り、イエティを倒した。




「なんだ?いまのは……?体が急に軽くなって拳を躱せたッ??」



振り向くとファウストとリフェラとルボランが立っていた。



「あなた達は?」


ホルスが尋ねると、フーと一息ついたリフェラがいう。




「正義のミカタです」





――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ようやく、三人組を見つけたリフェラはPOTを分け与えて回復を促した。

その間にルボランは雪でかまくらを作り、そこで暖を取ることにした。



ようやく一息をつけた三人はリフェラの質問に答えた。


「あなた達は、ホルスとマノ、そしてグラニのお三方でいいのかな?」

「え?なぜ知っているの?」


マノがいう。


「セイメイさんの命により、あなた方を保護するように任務を与えられています」

「そうなんだ。俺らもセイメイさんに会いに行く予定だったんです」


とホルスはルボランについでもらったココアを飲みながらいう。


「セイメイさん…。出世したね」


グラニは外を見ながらいう。


「まぁ…紆余曲折あったけどね」


リフェラは頬をかいた。


「まぁよかったじゃないか。これで役者はそろったわけだ。山越えをしよう」


ファウストがいうと、少し戸惑っていた三人組に自己紹介をいう。


「おいおい。命の恩人に向ける視線じゃないよな?ははは……」


困り顔をしていた。


「改めて自己紹介をしよう、僕は元エウロパのファウストだ。…まぁアイオリアと同じ立ち上げの一人だ」

「え?そうだったの?」


リフェラは驚いた。


「そういうのって、あんまいうもんじゃないしな……」




吹雪は徐々に収まり、再出発をした。

雪原を抜けて、国境のあたりまでくると崖があり、遠くメディオラムが見える。

それをみた三人組はほっと胸をなでおろす。



坂道の山道を抜けて、メディオラムに入った。




リフェラとルボランは俺の下にきて、報告をあげるのであった。


大きいお土産をこさえて……







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