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負け組エリートのギルドマスター~VRMMORPGで復讐主人公は最強を目指し全一ギルドをざまぁする~  作者: 齊乃藤原
第伍章【青は藍より出でて藍より青し。氷は水これをなして、水より寒し】
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第185話「闘劇」

 雷槌による衝撃波が辺り一面を襲う


「くっそぉ!!!いきなり大ワザ出してくるか?フツゥーー!?」

「いてて……後方支援職はツライのぉ…!」


 同じ方向に吹っ飛んだセルとソロモンは互いの無事を確認すると不敵に笑い合い、スキルを打ち放つ。


「なんだっけなぁ…ほら、B級映画でいうときにいうセリフ」

「『クソッタレ』じゃな!?」

「そう、それ!!」


 ソロモンは指輪を光らせ、魔方陣を描き召喚する。


「いでよ!レラージェ!!」


 レラージェは緑のオーラを纏いながら魔方陣から飛び出し戦闘を開始する。弓を弾き矢を放つと放物線を描く。そして、無数の矢に変わりトールの身体にシャワーのように浴びせる。だが、トールは身を守るようにオーラで攻撃を防いでいる。その合間にセルは神速で近づき、アサシン独特の軌跡でトールを切り裂いていった!!


「おらぁ!!同職の!!不毛の戦いじゃない戦闘は優勢なんだよぉ!!喰らえ!!シャドウルーラー!!」


 セルの身体が一瞬に消えて、トールへの連続攻撃を与えていく。


「ほほぉ!やるときはやるんだのぉ!最近、負け越しが続いているせいかの?」

「聞こえてんだよ!!オッサン!!……まぁ近からず遠からずだがな!!」


「あんたたち、そんな下らない会話してたの?!こっちは味方全員の援護魔法かけてる準備していたのよ?ほら!!そこの二人も範囲に入って!!」


「俺らも攻撃してんだよ!!モーションを起こしている最中に範囲に入れって……!!そりゃ無理だよ!」

「右に同じ!!カルディア!!トールが大槌を振ってくる!!避けろ!!」

「ちぃい!!」


 セルが攻撃を終えた瞬間に乱打を振っていたカルディアはトールの大振りに避け切れず、無理くり防御態勢を取る。


 ガシィィィィン!!


 大槌がカルディアの持つ武器へ思いっきり受ける。


「まじかよ!?武器の耐久もHPも半分だと!!??」


 体勢を崩したカルディアへ更なる追撃を喰らわす!!


 ―――※()()()コンボだと!?間に合わない!!


 ※確定キル


 そこに神速の矢がトールの腕に刺さるッ!!


「まだ()()()()()のは早いぜ!?神様ァァ!!」


 トールは矢を放った方を向くと一気に詰め寄ってくる。


「ええ?ちょ!ちょ!ちょっとタンマ!!」


 ピピンの方に向かってトールは突進を決め、ピピンの身体は大きく吹っ飛んでいき、ドサッと音だけが神殿内で響き渡る。ピピンのHPゲージは存在するものの、虫の息にまで減らされていた。


「おいおいおいおい!!冗談じゃねーぞ!!フツーのBOSS戦なのに、これじゃあ蹂躙される無理ゲーじゃねぇか!!」


 スカルドが駆け寄り、ピピンの回復に当たる。


「わしゃこんなBOSS戦知らんぞ??謎解きがない分、BOSS強めって……そりゃ神器取れるヤツそうそうおらんわけじゃなぁ~!」

「感心してる場合か!オッサン!!攻撃の手をやめるな!!」

「やっとるわい!ワシじゃないけどな!!」


 レラージェはリロードしてはトールにうち、打ってはリロードして矢を放ち続けていた。しかし、トールのオーラの前に攻撃は受けておらず、無効化されていた。


「ぜんっぜん!!ダメージ入ってねぇじゃあねーか!!どうなってんだよ!!老いぼれ!!」

「知らんがな!!あと!!老いぼれは言い過ぎじゃ!!ったくうるさい若者じゃのお!」


 ソロモンはレラージェを引っ込めて新しい魔方陣を詠唱した。


「ったく……耄碌もうろくする年じゃねぇだろうに!!」

「一言余計なんじゃ!!ほら!!今週のビックリ驚き……」

「おまえらのギルドはオールドアニメが大好きな連中しかおらんのか!??あぁぁん??」

「ほら一言多いんじゃよ!!」


 二人は言い合いしているのを待つ事無く迫りくるトールは神撃を繰り出す。それを知っていたかのように 回避行動を取る。


「ったく、ジジィといるとこっちまで()()()()()を取られそうだ」

「うわっぱね?そりゃ違う。これは明日への投資だ」

「ああ、そうだ。既に仲間のために投資を行っている。返ってくることの無い報酬がな」

「占領戦の報酬で返ってくるぜ?たんまりと。うちのマスターからな?」

「そう願っているぜ!!オッサン!!」


 お互いニヤリと笑い戦闘を再開する。


「あんた達……いい加減にしなさいよぉぉ!?」


 スカルドは怒りの感情を補助魔法に乗せて二人の攻撃力とスピードUPを投げつけた。


「痛くないけどいってぇな!」

「これじゃ先が思いやられるぞ?」

「フン!!オッサン共が!!さっさと倒せ!!こっちは回復に専念してて、戦闘に参加できないんだからね!!」

「わかってるよ!オンナァ!!もういっちょやってやるか!」

「そうじゃのぉ、黄色い声援には答えてやるのが正解じゃて!」

「あああぁぁ!!もういいから!!こっちは私がやりますから!!攻撃の手を止めないで!!」


 トールの攻撃をソロモンが魔方陣で相殺し、PT防御をすると爆風が過ぎ去るように周りへ吹き飛んでいく。


「ジジィ!そんなワザ覚えてるんか?」

「これはおまけじゃ、そんな何回も打てるシロモンでもないぞ?」

「まぁいい。これを連発しすぎるとここぞというときに防ぎきれんからな」

「多用禁物してくれるとは助かるのぉ。これがっつりMP引き換えてくるんじゃ!」

「おいおい!それじゃあ今使うところじゃないんじゃないのか?」

「いや、ここで使っておいていい。今の衝撃波のダメージみたか?あ、これワシしかみれんのか?」

「え?なんだそれ?」

「まぁ……10,000出てる」

「はぁ???即死攻撃じゃねぇか!!」

「まぁなんとかなっているのは“真”で当たってないからだと思うんじゃ。モロに喰らえば、ピピンの二の舞じゃな」

「そんな恐ろしい攻撃もっているとか、やっぱコイツ神だけはあるな……」


 汗をかくはずのないセルが汗をぬぐう仕草をする。


「どうした?」

「いや、ちと震えが止まらんくてな。BOSS戦でこんな風に熱くなることはそうそうなかったからな」

「ワシらもこんな強いヤツは悪魔でもアジダハーカ以来じゃて」

「ああ、アジダハーカか。あのアイブラハーン地方のエリアワールドBOSSのアイツか」


「あそこはワールドボスの数多い。その中でもアジダハーカは5本の指に入るモンスターやで?マスターのおかげで倒せたが、何せ、うちには()()()がおったからのぉ」


「ああ、あいつか……」


 セルはあの魔法少女を思い出していた。


「まぁだが、今回はそんな規格外はいない。なんとかしてコイツを攻略してやる!」

「そうじゃな。それが最優先じゃ!!」

「いくぞ!トールの気を逸らしてくれ!」


 セルは走り出し身体を消しトールに近づく。ソロモンはMPゲージを復活させると魔方陣から悪魔を呼び出す!!


「いでよ!!我がしもべ!アガレスッッ!!」


 魔方陣から静かにゆっくりと堂々とした振る舞いで登場する。


≪我ガ名、語ルマデモナイ……!!≫


「いけ!アガレスッ!!我が対敵を倒せ!!」


≪ヨカロウ……トクトミヨ…我ガ威力……≫


 大鎌を背負ったアガレスはトールへ向かって一気に斬りかかる。


 ガシーンッッ!!


 鍔迫り合いが発生し、何やら特殊なモーションに入っていた。


「ん??あれは?」

「こんのッッ!!クソジジィ!!まぁた余計なことしやがったな!!?」

「よくみろて!!あの動きは普通の動きではないぞぃ!!」

「ああぁん?この期に及んでイイワケか??この野郎ッッ!!」


 セルはそういいながら、姿を現してソロモンに近づく。その瞬間、一気に風の衝撃波が辺りを襲う。


「クッ……なんだこれはッッ!!」


 そして、会話が始まる。


≪我ガ宿敵ト……同ジチカラヲ感ジルッッ!≫

≪そうかい?俺はお前が他人じゃないような気がしてならねーな≫

≪エェイ!!忌々シイッッ!!我ガ、チカラノ前ニ伏セルガヨイッッ!!≫

≪そうはいかぬ、()()()()()はこんなことで終わってはならぬのだ!≫


 双方は数多の攻撃を繰り出し、その全てを相殺していった。

 まるで子供がじゃれ合うかのようなサマはまるで“戦いを楽しんでいる”ようにも見えた。


「ど、どうなっているんだよ?オッサン!?」

「なにがおきてんだぁ?これ??」


 回復を終えた二人は、ソロモンの横に並び質問した。


「わ、ワシにもわからん。だが、これだけは言える!()()の特殊イベントじゃ!」

「今度は!!……いや、オッサンも大概、狂ってるけどさ、そんなMMOで……」

「じゃあこれをどう説明するんじゃ??」

「んじゃいっちょ、弓打ってみるぞ?」

「あ、おい!!」


 その声は虚しくピピンの耳には入らず、矢はトールに向かって伸びていくがすり抜けてしまう。


「ええ??攻撃判定ないの??こんなの勝てるわけないじゃん!!」

「だから特殊イベントやっていうたじゃろうが!!」

「え?でも……信じらない」

「でも、これが真実だ。今、ピピンの放った矢がすり抜けた。これはイベント判定だ」


 回復作業を終えたスカルドも合流し、その様子をつぶさに確認していた。そして、一連の会話から何かヒントを得たように調べモノをしていた。


「あ、あったわ!!これよ!!」


 そういうと、ソロモンにその文献を見せた。


「ふーむなるほどな」

「“なるほどな”じゃねーんだよ。俺らにもわかるように説明してくれよ」

「それは次回のお楽しみじゃて!」


 そういうとウィンクをして4人の戦闘意識を失わせていった。


 激戦はまだ困窮を極めていった。

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