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負け組エリートのギルドマスター~VRMMORPGで復讐主人公は最強を目指し全一ギルドをざまぁする~  作者: 齊乃藤原
第伍章【青は藍より出でて藍より青し。氷は水これをなして、水より寒し】
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第179話「猫耳の神弓」

アスリアはカルディアのラッシュを軽々と躱していく。


「そんなフレームの多い攻撃がアサシンに当たるわけなかろう!」

「くそ!!逃げてばかりじゃ意味ないんじゃねーのか??」


───このままじゃッ!スタミナがッ!!


挑発めいた言葉を発して相手の気を逸らさせるが、アスリアにはお見通しであった。


「なんだ?スタミナ切れか?」

「チィ!!」


カルディアはなんとかスタミナを枯渇させないように辛うじて攻撃展開をしていた。

その間にスカルドは戦闘不能のピピンの元へ向かい、回復魔法と状態異常の回復を行っていた。


「クソ!あんのやろーー!!」

「まだよ!精霊の加護をかけておきます。微量ではあるけど回復していくやつをかけておくわ」

「瞬時に回復していくやつはねぇのかよ!」

「精霊魔法は自己回復を増やす事以外は基本支援魔法が妨害魔法が主なの。なんでも出来て……何にも出来ないって揶揄される職がハイエルフなのよッ!!」

「オッサンは何やってるんだよ?!」


ピピンはソロモンのいる方向に目を向けると4、5人を相手に戦っていた。


「チィ!!数が減るどころか()()()()()!」


アサシン部隊を目の前に右手で召喚した悪魔を操りながら、左手で詠唱していた。敵の集団は倒しても倒しても分裂していき、本体がどれなのか検討もつかないまま、スキがあれば攻撃をし、消していく。本体に当たれば分身を生成し、紛れ込んでいく。


「使える魔法の範囲魔法がサンダーストームレベルしか唱えられんとは…!!」


アンドロマリウスのスピード低下で耐え凌いでいるものの、少しずつ攻撃が当たりHPが削られているのを肌身感じていた。



「んだよ!神器持ちのオッサンがこのレベルってどうなってんだよ!」

「影分身の有機化なんて高等技よ。本来、影分身は攻撃判定のある攻撃が当たれば、一瞬で消えるんでしょうけど、有機化しているのは厄介だわ。手応えがある分、数回にわたった攻撃でないと消せない。かといって攻撃判定をする行動はしないが、モーションは本体にコピーされているため、あえて近づかせて攻撃をわざと打たせたあと、そのスキに攻撃を当てるという攻撃パターンを繰り出すことが出来る。手こずるわね……」


スカルドが焦りつつも、冷静な分析をしていた。ピピンは不利の判断を下しながらもセルを探すと、ソロモンの先で火花を散らす2人組を見つける。それは、お互いの攻撃が相殺されているセルと赤眼の戦いが見えていた。


「あっちも埒が明かないようだな…!!」

「ピピン?もう大丈夫よ!」


回復魔法と速度増幅、防御率upなど、バフをかけてもらっていた。


ピピンは弓を取りソロモンが対峙するアサシン部隊に矢を放った。


ヒュュューーーーーィィィイン!!


無数の矢が影分身達を貫き、消していく。それは本体を探すようにしらみ潰しを行っていた。

だが、消えても消えても現れてくる敵に埒がこちらも開かないでいた。


「くぅううう!!!全然減らねーじゃねーかよ!!」

「落ち着いて!!この攪乱は私達の心理を弱点を揺るがす事よ!人数で負けるという心理戦の一種!!私達はこの分身さえ抑え込めば勝機はあるッッ!!」


そうスカルドが檄を飛ばすと精霊魔法を詠唱しだした。


我が精霊の力よ、新羅万象、大地の力を我が手に宿せッッ!!


大地グランド衝撃インパクトッッ!!!


スカルドは大地に両手を置き、その先から地割れが起きるッッ!!

足元が覚束ない本体を含む影分身達は、地面の割れ目落ちたり転んだりしてダメージを追う。すると次々とダメージを負った影分身達は消えていく。



「そこじゃ!!」


サンダーストーム!!


ソロモンは手に宿した魔方陣から稲光を放ち、本体が複数見えた場所へ一気に電流を流し込んだ。


『ぐはぁぁあああ!!!!』


敵のアサシン部隊は総崩れとなり、形勢逆転のチャンスを作る。


「だれも死なせはしないッッ!!」


シュピーン!!


スカルドは両手から精霊剣を出して、斬りかかる。


「ぬぉぉぉぉおおおお!!!!!」

()()()!!上だ!!」


走り込むスカルドにピピンは叫び伝える。


「!!」


「もらったぁぁぁ!!!!」


敵にアサシン部隊の一人がスカルドの頭上から斬りかかる。

スカルドはこれまでかと諦めかけた時!!



「残念!!」


スカルドの頭上から飛びかかっていたアサシンは地面に叩きつけられる!!


ドゴーン!!


それはソロモンがグラビティヘイズを放っていた。


「カッカッカッ!!スティールチャージとワシのグラビティヘイズのかけ合わせじゃて!!綺麗に決まるとはのう!!!」

「ナイスオッサン!!」


ピピンはすかさず矢を放ち、アサシンを射落とす!!


「神器がなくても新弓使い!!ピピン様の急所撃ウィークネスちは精度が一味違うぜッッ!!」


耳をピクピク動かしながら自慢げに放った先に勝利宣言を促す!


「まだまだぁぁあああ!!!」


一命を取り留めたスカルドは止めた足を動かし疾風の如く切り刻んでいく。戦場の風といわれるハイエルフの鮮やかな攻撃を仕掛けていきアサシン部隊を斬り捨ていった。


「はぁはぁはぁ!!これであらかた片付いたわね!?」

「ああ、あとはカルディアとセルが!!」


ピピンとスカルドがセルをみかけるとかなり離れたところで戦いを繰り広げていた。


「若いのはカルディアを助けろ。ワシはセルのところにいく。このままじゃどちらも()()()!別々にいくぞぃ!!」

「わかった!!」


そういうと二手に分かれて戦う事になっていった。そして、ピピンとスカルドがカルディアの元へ走り寄るとカルディアはスタミナ切れが起き、身動きがとれないでいた。


―――ちぃ!!


「さて、スタミナ切れ・HPもかなり削れて瀕死だな。ここらで死んでもらおうか!!」


アスリアが複数の暗器を投げ放つと手足すら動けないように“影縫い”を発生させる!!


「これでスタミナが自動回復したところで動けまい!!今度こそ!!死ねやぁ!!!!」


小刀を突き刺すように突進してくる。



ズバシューン!!


「うっ……!!」


万事休すと思ったカルディアは目を瞑って手足の痺れを感じていた。だが、HPが減っていない事に気づく。


それはスカルドが身体を張ってアスリアの攻撃を受けていたからだ。


「なんだよ。“僕はしにましぇ~ん”ってか?そんなのはドラマの見過ぎなんだよ!!」

「ここで終わるような戦いを()()()はお望みでありませんわ!!」

「うるせぇーから死に戻りしたむこうで愚痴でも吠えてろやぁ!!!」


アスリアがさらに追撃を行いスカルドを刻もうとしていた。アスリアの手が光る!!


お前の命運ここで尽きるッッ!!!


デッドオブッッシーカァァーー!!!


アスリアの小刀が肩に入りそうなとき、一筋の矢がアスリアの手の甲を射抜く!!


「まだだ!!高飛車!!」

「チィィ!」


モーションをキャンセルさせられたアスリアはいったん引きながら回転して暗器ピピンに投げるとピピンの胸に刺さり、ピピンは後ろ向きに倒れていく。


「猫耳ッッ!!!」


手を伸ばしても意味がないのにスカルドは手を伸ばしていた。そして、ギンッ!とアスリアの方に睨みに残りのスタミナを使い果たす。


「そこからじゃ俺に追いついても斬るスキルが打てないじゃないか!!馬鹿め!!」


スカルドは一瞬に姿を消す。


「な、なに!?」


姿インビジビリティ!!


そして辺りにはスカルドの姿は見えなくなった。


そして、天高く舞い、精霊剣スキルを発動する。


旋風せんぷう輪舞ロンドッッ!!


手をクロスさせた精霊剣は衝撃波をX字にし、アスリアへ迫る!!


「なんだと!!??」


スカルドはアスリアを斬るとふらっとその場に倒れ込んでしまう。アスリアは当たりが浅くその場に立ち続けていた。


「フフフ……はははははは!!!!それみたことか!!キサマの頑張りすぎだ!!あの距離からスタミナ切れは必至!!よくまぁスキルを繋いで俺んとこまでたどり着いたな!!褒めてやろう!!」


アスリアは倒れ込んだスカルドのとこまでゆっくりと歩いてき立ち止まる。そしてスカルドへのトドメを刺す。


「だが、これで終いだぁぁ!!」


一気に振り下ろすアスリアに大きな人影を落とす。


「!!」


感づくアスリアが振り向くと行動不能にしたはずのカルディアが立っていたのだった。


「お前の生意気な言葉には飽き飽きしていたとこだ。お前がおしまいなんだよ!!」


そういうと大きな斧を一直線に振り下ろす!!


ズバーン!!


カルディアの斧はアスリアを両断し地面を割ると更に体当たりをする。アスリアの身体は吹き飛びながら粒子化していくのを見届けていた。


「バ…カn……」


アスリアの断末魔を聞くことなくカルディアのコンボでアスリアとの戦いを終えていく。


「小うるさい女の喚き声なんて聞いててもおもしろくねぇからな。立てるか?高飛車??」

「どさくさに紛れて高飛車×2言わないでくれますか??まったく……」


手を差し伸べるカルディアに少し怒りながら手を握り起き上がる。


「それよりピピンが!!」


二人はピピンの遺体に近づき、大いなる聖水で呼び起こす。


「ったく!!起こすのが遅いぞ??二人とも!?」

「ごめんね!!」

「カルディアもくっちゃべてないで先に仲間起こすのが先だろう??」

「悪かったよ!でもサンキューな!?流石の命中精度!よっ!!神器なくても神弓使いッッ!!」

「そうね!要所要所で起点を作れるなんて素晴らしいわ!!私からも感謝致しますわ!」

「フン!!おだてたって駄目だからな!!!」


そういって腕を組んでいたが、耳はしっかりとピクピクと動いているのを見てスカルドとカルディアは思わず吹き出しながら笑った。


「それより、オッサンたちが心配だ!!急ごう!!」

「そうね!!」

「ああ!!」


三人はセルが戦っている方角へ走り出していくのだった。


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