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第17話「唯心論(後編)」




俺ら一行はPROUDのギルドハウスへ立ち寄ることができた。


そしてドアをノックする。


コンコン♪


 は~いという声にセイメイです!というと、“慌ててちょっと待っててください!!”といい、ドア越しの向こうでどったんばったん大騒ぎしている。


 アポなしみたいなもんだからそうりゃそうだわねぇ~。

 ふと思ったので、アイオリアに声をかける。


「そういえば、アオイリア」

「はい?」

「おまえ、もう戻っていいぞ。お疲れ様」


「えええーーー!!!!なんでよ、マスター!!俺、頑張ったでしょ?ほめてよ~~!!」

「あーあーあー!ご立派ご立派!!英雄様!!」

「それ気持ち入って無くなぁい??」


ギャルみたいな言い方をしてきた。


「おまえは!!!キャラブレブレすぎんぞ!!最近!!!」


俺は切れ気味に叱責した。



 PROUD

 女性プレイヤーが多めに所属するギルドで有名。

 俺は高級マンションのブランドとしかイメージがない。

 俺には縁がないけどな!www


 ギルドハウスに入ると、♀エルフやウィッチ、女ウォーリア・女剣士などが出迎えてくれた。


 ソロモンが耳打ちする。

「高級キャバクラみたいだな」といいながらニヤニヤしている。

 俺らは奥の間に通された。


 そこには美しいハイエルフが立っており、俺はハイクラスとお目見えするのには慣れていたが、ハイエルフとはな。

 俺は「どうも」としか言えなかった。


 ハイエルフが話しかけた。

「総司令官殿、よくぞご訪問頂けた。感謝いたします。私の名前はスカルド・キューレ。PROUDのギルドマスターをやっています。どうぞ、おかけください。」


 俺らはソファや腰掛に座り、話をする。


「いきなり伺って大変申し訳ない。実は、今回は公式ではないのです。」

「あら?てっきり先陣を切らして頂けるお願いにきたのだと思いましたが…。」

「それはそれで心強い。感謝いたします。それもまだゼロベースです。その際に具体的な戦略があれば、後程お伺いいたします。実は…」


 俺は、自分の装備の件を伝え、また青龍偃月刀を所持している者を紹介してほしいことを伝えた。

 そうすると快く快諾してくれて、その人を呼び出してくれた。


 間もなく来るとのことなので、待たせてもらうことにした。


 しばらくすると、一人のサムライが入ってきた。


「こんばんわ。初めまして。結華ゆいかと申します。」

「女…だと!?」俺は思わず、立ち上がり吐露してしまった。

「あらー?女性はお嫌い?現実だとセクハラにもなりますよ?」と笑いながら釘を刺された。

「あーいやそういうつもりじゃなくて…。初めて女サムライをみた。」


 静御前という薙刀を使っておきながら、なんとも恥ずかしい思いをした。


 気を取り直して俺は青龍偃月刀を持っているか確認すると、重いから倉庫にしまってあるという。

 そこで見せてくれないかというと快く快諾してくれた。


 実際に目にするのは初めてだ。

 そう胸が高鳴るのを抑えて我慢をしていた。

 そうこうしているうちに持ってきてくれて見せてくれた。


 青龍偃月刀

 かの三国志に出てくる関羽雲長が愛用していた槍のような大刀である。女性キャラは重い物になるがLE枠なので、特に制限はないのだが…。


 結華はいう。


「私がこれ使うとみんなが女関羽女関羽!とからかってくるのでつかってないんですよね。」

「だって威力あるしつかうべきだよ!!」と俺が戸惑うと、

「これって実は砂漠を越えた時にクエストでとある廟に入っていったら廟の奥にたまたまあったのよ。」


 それはおかしい。クエストをこなしLE枠は必ず宝箱にはいってる。またはNPCから報酬でもらうようになっているのだが、なぜだ?余りにも楽すぎる。


「しかもね、関羽?っていう亡霊が現れて『これを手にした者よ。使いこなすのも良し、託すも良し。お主の好きなようにせよ我が兄者の下に魂はあればそれでよし』とも言われた。」

「だから、これをあげるよ。」

「はぁ?」


 おいそれともらうのは流石にためらう。


「じゃあ勝負に勝ったらというのはどう??」

「うんじゃあそれでって、ちげーわwwwwwww」ついノリ突っ込みをしてしまった。

「勝負で勝っても負けても受け取れない。やっぱそういうのは自分で取らないと…」

「じゃあ売っちゃうね。お金ほしいし、倉庫の邪魔だし。」

「わあああああちょ、ちょっとまてえ!!!!!勝負するよ!します!!させてください!!」と俺はこのチャンスを自分のこだわりで不意にするところだった。


「うん、OK~☆ じゃあ、せっかくだからコロシアムにいこうよ!!」


「わかりました。立会人はアイオリアか、スカルドさんにお願いしよう…。」と二人をみた。


 アイオリアは笑うのを堪えながら了承する。


「OK。いいですよ。連戦ですね???お盛んな年ごろですね~。プークスクスw」と茶化す。

「連戦?」とスカルドが聞き返すとアイオリアは楽しそうにフランジとの私闘を話す。


 コイツ…。いつか覚えていろよ!!!!!!!!!とアイオリアにイライラしているとスカルドが提案してきた。


「…そうですねぇ。一工夫いれましょうか?」

「どんな感じでしょうか?」と恐る恐る聞くと

「船上の扇を射抜く闘いなんてどう?♪」ニコニコしながらいう。

「サムライ同士ですし♪」さらに満面の笑みで俺を見つめる。

「そうだわ!!流鏑馬も悪くないわね♪先に流鏑馬をして、最後に船上の扇にしましょう!!早速準備しなきゃ!」

「スカルドさん本当にこういう趣向を凝らすの好きですね~…。」と結華はため息をついた。


 これ中身おっさんじゃないよな?おっさんじゃなくてブスでもあれだけど…。それはネトゲーでは御法度だな。ていうか!!!!そもそも若い女性が俺に声かけてくれてるんだ。見せてやるしか!!俺のカッコイイプレイを見せつけてやるわ!!!


 みてろよ~~~!!惚れんなよ!!!!!!


 かくして俺は流鏑馬をすることとなった。馬上での弓は相手を落馬させる重要な初手となり、弓持ちキャラはみんなこれを練習する。


 準備にはさほどかからないらしい。俺は少し離席し、トイレに行き真“弓”勝負をすることとなった。





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