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負け組エリートのギルドマスター~VRMMORPGで復讐主人公は最強を目指し全一ギルドをざまぁする~  作者: 齊乃藤原
第伍章【青は藍より出でて藍より青し。氷は水これをなして、水より寒し】
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第156話「因縁」

 ユーグに衝撃波が連続でぶつかる。


 ゴッ!ドッン!バシューーーン!!!


 まともに防御しているとはいえ、土煙が吹き立つほどであった。


 防御の構えからニュートラルに戻す。


「ふむ。だってにJOKERを倒しただけの事はあるねぇ?」

「では、多人数での攻略は出来るかな?」


 頭目はスッと手をあげると、敵となったプレイヤーはユーグにしかけていく。


 ―――物理攻撃では、黒い霧は使えない!!どうする!!?


「うぉぉぉおおおりぃやぁあああーーー!!」


 パシィーン!


 ユーグは剣さばきをし、相手のスキルを食らいながらも躱していく。




「あーーークッソ!!埒があかねぇ!!!」



 ユーグはたまらず、後ろに走る。


「逃げても無駄だッ!!」



 陰流・土蜘蛛ッッ!!



 刀を突き刺すと蜘蛛の巣のような網が張られてユーグは足を取られ身動きが取れなくなる。


「あはは!!!いただきだぁぁあああーーー!!!」


 頭目が土から刀を抜き、走り寄っていく



 陰流かげりゅう朧車おぼろぐるまッッ!!!



「クソッ……!!」

「さよならだよ!?坊やぁ♪」


 飛び上がると同体を横にし、着地するまでに3回転斬りを放つ。


 しかし、ユーグは攻撃をものともしなかった。が、明らかに鎧はボロボロになり、出血しゅっけつおびただしいほどに出ている。


「なんだって!!??ああん??回線落ちか???」

「びびって回線落としやがった!!ぎゃははは!!!」


 暴漢者達は、小ばかにするようにゲタゲタを笑っていた。すると……




 バシュ……。



 ユーグのそばにいたサムライがやられた。



 そして2.3人を切り倒すと、そこには()()()()したユーグが赤い眼をしていた。


 バイザー越しに鬼気迫る殺気を覚えた暴漢者達は、生唾を飲み込みながら構える。


狼狽うろたえるな!!相手は一人だぞ!?まとめてかかれッッ!!」


 うおぉーという叫びと共に、シュパパパンとなぎ倒していく。



 そう、それはユーグは使わないようにしていた。バーサーカースキルであった。


 ふぅ……ふぅ……。


 真っ白な息を吐き出しながら、ゆらりゆらりと近づく。


 そして、間合いが詰まるとユーグは黒い霧を使い、距離をぼやかすと頭目めがけて切りかかる。


 グォォォォオオオオ!!!


 獣のような雄たけびを上げながら、大剣が振り下ろそうとすると、横から飛び蹴りをする輩が現れた。


 ドン!!


「あ~らよっと!!」


 ズザザザザザッッッッ!!!


 ユーグは地面を滑るように吹き飛ばされる。


 ガシィィン!!


 勢いを止めるため、剣を地面に突き刺し吹っ飛ぶ距離を停める。


 ハァ……ハァ……。


 ユーグは瀕死状態に陥り、一時的にノックバックと膠着を喰らってしまう。



「お~う!威勢がいいなぁ。この()()()()()()()()は♪アハ♪」



「礼はいわんぞ?なにしにきた?」

「んもぉ()()()()なぁ~♪姐サンはぁ~!」

「チィィ!お前に助けられたと思うとなんかムカつくわッッ!!」


 バシィィン……。


「よいしょぉぉ!!!っとね♪」


 頭目の背中に突き刺さりそうな刃を受け止めると何ぐわぬ顔で攻撃をはじき返す。


「背中から斬りかかるなんてフェアじゃないね?()()()()さん??」

「そうかい?寄ってたかってなぶり殺しをしようとしたヤツラの言葉とは信じがたいなぁ!オイ!」



「フン!セイメイ……偉くなっなったなぁ?」

「おまえにだけはいわれたくないぞ!マダラXXXXフォーエックス!!」

「ひゃぁ~~!覚えててくれたのか!!握手してくれよぉ!セイメイ!!」


 セイメイは刀の構えを解かずに、ギンッ!と睨みつけている。


「ふ~ん・ん・ん!!君も()()()()オトコだったのを忘れていたよ♪」

「黙れ!!この()()()がッッ!!」

「そんな頭固いのによくもまぁアーモロトを陥落できたもんだねぇ?尊敬しちゃう♪」


「それ以上、しゃべんな!!テメー……」


「これで、2対2だね♪姐サン引くかい?」

「こいつらを倒さないで引けるか!!」

「だよねぇ~♪わかるわぁ~!」


 セイメイの言葉を無視するかのように会話を続ける二人に、セイメイは声を上げて怒鳴り散らそうかとした矢先に、二人の後ろからひんやりとした冷たいものが足元から迫ってきていた。



 氷魔法:グランドアイスッッ!!



 地面を凍らせて足元を硬直させる




「ナタネといいましたね?あなた!私をチビといったのを記憶していますよ?あれは人をコケにする言い方だと学びましたよ!」

「ちぃ!あんときのガキか!!!」

「マスター!硬直を取りました!早く!!」

「よっしゃあナイスぅ!!」


 ルカはバックアタックを取り、セイメイに繋げる!!


「ほんじゃあ……、アイオリア風にいくかぁ!」


 刀をすぐさま納刀し、居合の構えから一気に距離を詰めるッッ!!



本邦ほんぽう初公開はつこうかいッッ!!」



 剣聖流奥義ッ!弁天桜べんてんざくら!!



 二人の間をすり抜けると、刀を殺陣役者のように、ゆっくりと鞘へ刀を流し込んでいく。


 すると、二人は血しぶきをあげ、まるで桜が散るように絶命していった。



「また下らんものを斬った……なんちってな!」



 セイメイは渋くセリフを吐くと、ルカにドンと背中を叩かれて我に返る。


「ほらいきますよ!?ユーグさんの治療をしに!!マスターはハイポーションの準備を!!」

「お、おう。すまん……」



 ユーグはレーヴァテインを地面に突き刺しながら、膠着したままだった。


「大丈夫か?ユーグ?」

「ええ、HP5でこの状態です……あのスキル使うときは、カルディアさん達がいるときに使うように言われていたんですけどね!……さすがにあの状況じゃ使わざるをえなかったですよ……」

「ああ、まぁ体に負担がかかりそうだな?アレ」


「めっちゃ使いますよッ!なんていうか、動きが通常の三倍になった感じですからね……!!」

「へーあれか。赤い彗星のお兄さんになった感じか……」

「なんすかそれ?俺、赤じゃなくて黒ですよ?」

「いやそれだと、後二人ほど黒いのがいないと!いや、まてよ?それに黒いのは三倍にならんから……んー」


「マスター、その話終わらせてもらってもいいですか?ユーグさんにハイポーションを渡してください」

「ああ…いや、すまん!ほら、()()()だ」


 ユーグは受け取ると、流し込むように飲み干す


「ありがとうございます!いやぁ……それにしてもきついっすわ!あんなの!」

「すまんな。あれは……あれが、MIKADOだ。俺はあそこに所属していた」

「あ~!マスターが所属していたギルドか!」

「そうだ。手段を選ばない狡猾なギルドといったところか……」


「あんなのがゴロゴロいるんだとしたら、相当やべーすね?」

「相当やべーやつらと互角以上の戦果出したお前は成長したってことだな?」

「え?」


 セイメイはかがんでいた腰を起こして、スメラへの道順を思い出す。



 ―――このまま正規ルートだと入る前にやられる可能性が高いな。やっぱあそこを経由しなきゃならんか



 セイメイは街道沿いに歩くのではなく、山道を選ぶことにした。


 すると、ルカはセイメイに聞く。


「山道を歩くのであれば、海とは反対側ということになるな?」

「ああ、なんかあるのか?」

「いや、ふと私にはなんか嫌な予感しかないのだが?」

「ご明察の通りだ。あの山は採取の宝庫だ。つまり……俺の修業の場所だ」

「まじで?うわー俺もあそこで修業したら強くなるかな??」

「おまえじゃもう無理だ。クラスチェンジしてお前に魔剣持ち、十分強くなったよ」

「ええー!?」

「まぁとりあえず、いくか?」


 先をいそぐセイメイは二人を連れて街道をまたぎ、獣道を歩くように山へ入っていくことになった。




―――――――――――――――――――




~ 日本食レストラン・小次郎 ~


レオとリチャードは食事を終えると、リチャードは()()()を抱いてタクシーに乗って帰っていった。

レオは少し酔いを醒ますために、街をぶらつき始め、繫華街のはずれの方へ歩いて行った。レオは、少しずつ人気のない方へわざと歩いて行った。


コツコツ……コツコツ……


レオは足音に気づきながら足早に路地裏の角を曲がる。


足音はレオを追いかけるように角を曲がってきた。



カチャ!


こめかみに向けて銃口をむけレオが話しかける。


「俺の動向を探るなんて、そんな物珍しい事をするヤツは俺の中で一人しかいねぇ!なんでついてきた?」

「知っているでしょ?私が日本に行くことが許されてないのは誰のせいよ??」

「チィ……アイリーン。なんで、俺の後をつける。久々の友との再会を楽しんでいたのに!」


取り出したP90をしまい、頭を掻いていた。


「私には連絡よこさないでなにやっているのよ!」

「明日だろ?打ち合わせは!俺にはプライベートってもんがあるだろうよ!?」

「でもダメよ?私はメアリーとは違うの。あなたにこの身を捧げてもいいんだからねっ?」


そういうとレオの口元にキスをしようとした。


「やめとけ。俺は今そんな気分じゃないんだ」

「あら~ん?好きな女性が取られちゃうからなのかしらねぇ?」

「そんなんじゃあない。時が過ぎるのが早いってだけだ」


「素直に好きっていえば、こんなジレンマ生まないで済んだのにさ!」

「お前にはわからんだろうなぁ。俺は家庭を持てないのさ。だから、幸せにしてくれる奴に任せたのさ」

「なぁにそれ?映画の中の主人公になったつもり?」


「そんなんじゃあねーよ。俺は……俺にはやらなきゃいけないことを見つけてしまったんだよ。ただそれだけだ」

「へー。私でよければいい奥さんになるわよ!?」


アイリーンはレオの腕を組み、車に戻っていった。



サンフランシスコは、今夜、雪が降るという予報と出ていた。


レオはシートによりかかり、アイリーンが運転する自分の車の窓越しにパラパラと降り始めた雪を眺めていた。



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