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夢見がちな穴掘り師は何をほる?  作者: 舞阪メガネ
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僕は勇者組のおまけ02


「まじでここでバイトしてたんだ、ケイト久しぶり、中学卒業して以来だから4年ぶりかな?」

 などと言って苦笑いしながら顔をかしげるその子は、幼稚園からの幼馴染で中学時代のいじめの主犯グループメンバーである、水城ミズキ ナギサであった。


「いらっしゃいませ、どのような御用でしょうかお客様?」

 4年ぶりでお客様とはいえいじめをされた相手だ、どこか棘のある言い方に嫌でもなってしまう。


「何? そのよそよそしい言い方、てか怒ってる?」


「バイト中だから、それに君にはいじめられてたんだ、快く思ってないに決まってるよね」


「あれには事情があって、ケイト勘違いしてるし」

 そう言いながら、ケイトのレジに近ずいてくる。


「何が勘違いな」

 言葉が続かなかった、理由はギィギィと擦れながらお客を迎える年季の入ったスーパーのスライドドアが来客を知らせたからだ。


「ナギサここにいたのかよ、飲み物買うのにいつまでたっても戻ってこねぇから来ちまったよ」

 そう言って店に入ってきたのは、渚の彼氏で中学時代のいじめ主犯グループのリーダーである火橋ヒバシ タケルスポーツ万能で女子に人気が高いイケメンであったが、それは今でも建材のようであった。

 そして、その後ろにはいじめ主犯グループ残りの4人がついてきていて、中学時代のいじめグループ6人組が勢揃いしていた。

 かくゆう僕は当時のトラウマからか足が震えていた。


「あれあいつどっかで見た気が?」

 店に入って来て早々グループの一人、木守キモリ 雅人マサトが火橋の隣まで来て頭を捻っている。


「うん? 言われてみれば、確かに見覚えのあるような…」


「誰だっけ?」

 木守の言葉に同グループの風宮カゼミヤ 駿一シュンイチ土田ツチダ カオルが腕を組みながら歩いてくる。


「ねぇ、ナギサそこの店員知り合い?」

 同グループの雷峰ライホウ 優香ユウカが渚に問う。


「ええーと…」

 困ったようにケイトと火橋の顔を見る。


「間じゃないか! 西中の時の身の程知らずの貧乏君だよ! 久しぶりだなこんなとこでバイトなんてしてたのか、高校進学しなかったから親の脛でも齧ってたのかた思ったのによぉ〜、ウケるわ」

 そう言うのは木守、中学時代ボクシング経験者でありながら僕に暴力を振るってきた男だ。


「間? 確かナギサに告ったんだっけ、タケルと付き合ってんのに、マジで身の程知らずだよなぁ」

 風宮、火橋の腰巾着で、何時も火橋と共に行動をする人物、女好きとしても中学の頃から有名だった。


「懐〜、うちらでメッチャ弄ったよねぇ」

 土田は中学一年の頃から金髪ガン黒がトレードマークの女である。

 それは今も変わらずで、そのパサパサな痛んでいそうな前髪をいじりながら口にする。

 因みに土田は風宮と付き合っている。


「てかうちらと同い年だよね、それでバイトって、そっか高校お金がなくて進学できなかったんだもんねぇ」

 そう口調をきつめに言ってくる彼女は雷峰、同グループメンバー木守の彼女で、実家がお金持ちということもあって、グループの財布にされている節があるが、本人は気付いていない様子。


「お客様店内であまり大きな声を上げないで頂けますでしょうか?」

 僕は声を震わせながらも注意を促す。


 そうしている間に木橋らの大声に店内にいる店長やおばさん達がバックヤードや鮮魚コーナーから来る気配がする。

 だが火橋らが怖いのか仲裁には入れないでいる。

 このままでは、警察沙汰になり兼ねない、このスーパーは、母が生前働いていたこともあり、ケイトも小学校時代から色々お世話になっているスーパーで、迷惑を掛けたくないというのが僕のの本心である。


「何だその態度、お客様に対してそんな口聞いていいと思ってんの? 今はスマホの動画で証拠残せるんだぞ」

 店内と言うことも気にせずに、火橋は声を荒げて顔を歪ませる。


「いいね!動画回そうぜ絶対みんな見るだろ、『コンビニ店員の勤務態度注意したら逆ギレして来た』みたいな題名でさ!」

 そう木守が言うと、各自がケイトを取り囲むように移動をし謎のチームワークを発揮する。

 この謎のチームワークは中学時代から変わらない、いや前にもましてレベルアップしたように見える。


「面白そう」

 火橋の脅迫紛いな言動に雷峰が興味を示す。


「じゃあ俺動画回すわ!」

 風宮がズボンの尻ポケットからスマホを取り出し、動画を回し始めた。


「ね、ねぇやめようよ…」

 それを諌めようとしているのか、渚が小さな声で止めようとしている。


「申し訳ありません! お客様お店の迷惑になりますので」

 と目を瞑り頭を全力で下げるが、最後まで言い終わるよりはやくアクションが起こった。

 店内に強い光が発したのだ。風宮のスマホのフラッシュとは光量の桁が違う意識が持っていかれるほどの強い光が。

 その光が止んだ頃にはその場にいた7人は忽然と姿を消したのだった。



「店内での動画撮影はおやめ下さい!…あれここどこだ?」

 僕は下げた頭を上げたら、辺り一面真っ白の空間にいた。

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