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ボッチと異世界4


 弁当を食べ終え、再び歩いていくと、街道のような道を見つけた。

 その道には、車輪の跡が少し残っていることから、この道が使われているのは確かだろう。


「この道をまっすぐいけば、人のいる街か村につくはず……」


 それからと僕は、スマホ画面の時刻を見る。午後四時……。


「暗くなる前に村か、街にはつくかな? テントもないのに外で野宿は勘弁したい」


 それに寝ている間に怪物達に襲われる恐れもあるかもしれないし、

 そう考えると、急いだ方がいいな。

 


 街道をたどりながらしばらく進んでいくと遠くの方に水色をした液状でできた物体のような生き物が三匹と、同じ液状の生き物だが色が白い色をしているものが一匹。道の真ん中で群がっていた。

 何をしているのか、気になって≪鑑定≫を使うも、レベルが足りないのか、それとももっと近づかないと発動しないのかステータスが見れなかった。


 今度は、少し近づいて、幸い気づかれていないようだし、僕は≪鑑定≫発動する。


『≪鑑定≫が発動しました』


 どうやら、発動したようだ。そのまま、液状の生き物のステータスを眺める。

まずは、水色の方から


【名前】スライム

【性別】不明

【レベル】3

【HP】21/21

【MP】4/4

【スキル】≪物理威力半減レベル2≫ ≪水属性魔法レベル0≫

【備考】どこにでもいるスライム。物理攻撃には強いが、魔法には弱い。


 ステータス覧に【備考】が増えていた。これも、≪鑑定≫がレベルアップした効果だろう。

しかし、詳しい内容はあんまり書かれていないような気がする。これもレベルが上がるにつれ、もっと詳しく知ることができるのだろう。それから、他の二匹も同じステータスだった。

 今度は、白い方を鑑定する。同じスライムだとは思うけど、やはり他と色が違うと気になるものだ。


【名前】白いスライム

【性別】不明

【レベル】1

【HP】7/15

【MP】6/6

【スキル】≪光属性魔法レベル0≫ ≪幸運レベル2≫

【備考】世間から存在を知られていないスライム。他のスライムとは色が違うため、仲間であるはずのスライム達に仲間外れにされると同時に攻撃対象にされている。



 見た目も名前もそのままだった。これは世間から知られていないからなのか、しかも、仲間のスライムに攻撃対象にされているとか、人間に例えるといじめのそれと同じだ。それによく見ると、HP減ってるし、これは、僕が助けにいってもいいんだろうか? 魔物だよな、逆に攻撃される可能性もある。

 でもなんか可哀想だし……。


 そう思っていると、一匹のスライムが白いスライムに襲い掛かった。

 白いスライムは、最初の攻撃を避けることはできたが、他の二匹の体当たりには、避けることができず、攻撃を食らってしまった。さすがに三方向からとなると、よけることは魔物とはいえ、至難の技だろう。しかも、白いスライムは三匹のスライムよりレベルが低い。そして、白いスライムのHPはとうとう、元のHPの五分の一しか残っていない。

 ふらついている白いスライムにとどめを刺そうと、三匹のスライムは、一斉に襲いかかろうとする。


「【ファイヤーボール】」


 が、さすがに見ていられなくなり、僕は三匹のスライムに向かって魔法を放った。

 

「鑑定から、スライムは魔法に弱いんだよな」


 いきなりのことでよけることができず、魔法はスライム達に直撃し、ボンッと音を立て消えていった。

 魔法が弱いとわかっていたが、結構あっけないものだった。

 白いスライムは! と僕は急いで駆け寄る。


「(……ふよふよ……)」


 やはり、相当弱っている。どうやって、回復させてばいいか……。

 きっと、回復魔法というスキルがあると思うのだが、生憎持っていない。


「いや、待てよ。一部のゲームでは、水属性が回復魔法として扱っていたよな」


 オークとの戦闘で火炎放射器を想像して使えたように、水が体を癒す想像をすれば、きっと回復されるだろう。僕は、白いスライムを片手でそっと抱き、もう片方の手を白いスライムに向ける。


 水が体を癒すイメージ、水が体を癒すイメージ。


『スキル≪水属性魔法≫のレベルが上がりました』


 ポーンと効果音がなった。白いスライムの方を見て鑑定を発動する。 


【名前】白いスライム

【HP】15/15


 どうやら、成功したようだ。ホッと安心する。


『水属性魔法にオリジナル魔法が追加されました。魔法に名前を付けてください』


 ポーンとまた効果音がなった。オリジナルということは水属性魔法での回復はこの世界にはないことがわかった。それと名前をつけろって言うなら、単純にアクアヒールにしよう。


『水属性オリジナル魔法。アクアヒールを覚えました』


 HP回復の手段が手に入ってよかった。MPに限りはあるが、それでもありがたい。っと、白いスライムはというと、元気になった瞬間に手から飛び降りて、僕の周りをピョンピョンと跳ねて回っている。


『スキル≪テイム≫を覚えました』

『白いスライムはあなたと一緒にいたいようです。どうしますか?』

 

 さらに声が頭の中に響いた。≪テイム≫を憶えた? 

 新しく覚えた。≪テイム≫を鑑定で見てみる。


≪テイム≫

 魔物を使役できるスキル。ただし、使役できるのは、自分より、弱い魔物にだけ


 なるほど、でも、このスキルは覚えたばっかで白いスライムには使ってない。つまりこいつの意思で僕と一緒にいたいということだろうか?


「一緒に行くか?」


 そういうと、白いスライムは、嬉しそうにコクコクと頷き、ピョンと僕の肩に飛び乗ってきた。


「そうなると、名前が必要だな……体が白だから、シロ! ……はダメか?」


 肩にいる白いスライムに聞いてみたが、どうやら気に入ったらしく、顔にすり寄ってきた。

 冷たく、プ二っとした感触が頬に感じる。


「これからよろしくな、シロ。お前は今日から、俺と友達だ」


 コクコクと頷くシロ。そして、何回目なのか、また頭に効果音がなった。


『固有スキル≪フレンド≫が発動しました』

『スキル≪フレンド募集≫により、相手の方からも許可を得ました』

『シロとフレンドになりました』

 

 固有スキルによって僕とシロはフレンドになったらしい。このスキルは、魔物のにも効果が使えるのか、これはうれしい誤算かもしれない。


「じゃあ、行こうか、街まで!」


 僕は、シロと共に街道を歩いて行く。


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