ボッチと異世界10
『なんだ、なんだ?』
『登録用受付からだ。白いスライムって聞こえたが』
『新種の魔物か!』
受付けの女性の声で、ギルドのいる人達がこちらに注目してきた。
受付の女性の方は、やってしまったという表情をしている。
「あ、ああ、うっ」
どうであれ、ボッチの僕にとって多くの人に注目される経験はない、そのため……。
「うわああああ!!」
顔を青くし、悲鳴交じりの声をあげ、シロを抱きギルドの外へと逃げだした。
「あ、ちょっと、君!」
受付の女性が引き留めようとするが、僕は、とっさに≪隠密≫を発動、さらに≪気配遮断≫。これにより、僕の姿、気配は感じとることはない。
「あ、あれ? いない」
───────────────────────────────────────
結友がギルドを出て、少しした後、ギルドの奥から、大柄な男が出てきた。
『てめぇぇら! なにギルドで騒いでやがる! ここは酒場じゃねぇぞ! うちの魔物たちが驚いじまったじゃねぇか!』
この男の声により、ギルドは一瞬にして、静まり返る。
男の名は、リカン。このテイマーギルドのギルドマスターである。
「いや、マスター。なんか、白いスライムを連れた少年がいたらしいんだよ」
一人の、男が、リカンの前にでて声を発する。
男に続き、他も、声を上げてきた。
「だぁあああ! うるさいっつってんだろ! 静かにしろ!」
吠えるように、声を荒げた。
リカンの声が一番でかいが、彼がギルドマスター故、皆、黙り込む。
「それでぇ、白いスライムだっけ、見たことも聞いたことねぇな。新種か……。おい、そのスライムを連れた少年っていうのは、どこにいるんだ?」
「そ、それが、俺らがそいつに注目をしたら、一瞬にして消えたんだよ」
「消えたぁ! そいつは、どういうことだ」
「それなら、私が説明します。彼はギルドに登録しにきた子なので」
そう言って前に出たのは、登録用の受付にいた女性だった。
「登録? 新入りなのかそいつは、わかった。話てくれ、マリ」
受付の女性──マリは、結友とその白いスライムについて説明した。
「ああ、とりあえずわかった。まず、消えた理由だが、多分そいつは、隠密系のスキルを使ったんだろうよ。隠密系のスキルは相手からじゃ見えなくなるからな。白いスライムの方は、新種か、亜種かのどっちかだな、いずれにしても、そんなスライムは聞いたことはない。結友って言ったか、このギルドに登録はもうすんだんだよな」
「はい、それはもう済んでいますが、どうするつもりで」
「どうするも、登録してるなら、勝手にさせとけばいい。……だが、とりあえずは、冒険者ギルドの方にも、連絡入れとくか」
「わかりました。連絡を入れてきます」
マリは、連絡しようと行くが、リカンはそれを止めた。
止めた瞬間。マリの体は、ビクッと震える。
「マリ、お前はここにいろ、連絡は他のものに頼む」
「そ、それは、なぜですか?」
「なぜって、お前が大声を出さなければ、そいつは、逃げださなかったかもしれねぇし、騒ぎのせいで、俺の魔物達が機嫌悪くすることが、なかったからだよ! 罰として、俺の魔物の世話しろよ。いっておくが、俺の魔物達は、気性が激しいやつが多いぜ」
「…………」
マリは、何も言わず、涙目でガクリと首を落とした。
────────────────────────────────────────
一方その頃、結友はというと、
「シロ、冒険者ギルドってここかな……」
無我夢中で走りついた先は、冒険者ギルドと書かれた建物。
その中に入っていくのは、剣や、盾、杖などを、武器に、鎧やローブを着た人達──冒険者がいた。
シロを腕輪に収納し、僕は冒険者ギルドに足を踏み入れる。




