変化する戦況Ⅱ
「揮移先輩が退場っ!?」
片谷を退場扱いにしてから二時間と過ぎたころに『揮移が退場した』と、勾坂からの連絡が回ってきたのだ。
『おそらく揮移は相手陣地に入ったはいいけど、逃げられなくなってやられたんだろうね……部隊の全員も一緒に退場扱いにされてるから、おそらくは……』
「先輩……これからどうするんですか? 私と憐矢は今のところ前衛として、あと十キロぐらいで相手本陣に着く距離だけど……一気に決めた方がいい?」
『憐矢君には下がるようにもう伝えてある。姫も一度下がって欲しい。再度作戦を練り直す必要もあるし……』
「……分かった。あと二時間くらいしたら拠点に戻るから、そしたらもう一度作戦を」
『そうしてくれると助かるよ……くれぐれも揮移みたいなことにはならない様に慎重に戻って来て』
そこで通信が切れ、自分の部隊に一度拠点に戻ることを伝えると、拠点への帰路へと就く。拠点へと戻る途中では倒れているはずの敵や味方が消えていた。
「確か、天使の力で救護施設に飛ばされるって聞いたような……まぁ、今はいいや。早く拠点に戻らなくちゃいけないし……たった一日でここまで戦況が変わるなんて思いもしなかった」
今の戦況としては、まだ赤城が緑城よりも多少なりとも優勢を保っている状態。でも、それもほんの少ししか変わらず、いつでも覆せるほどの数字でしかない。これ以上差を縮めさせないためにも、暗く夕焼けが背中を照らしながら帰路へともどっていった。




