始まる変化Ⅳ
ミカエルの言葉を聞いた途端に、足から崩れる。自分でも少しは思っていたのだ。両親が目の前で死んでいるのに、自分だけを守るかのように羽根が壁となって守っていたことを……あの時は、気が動転していてそんなものを信じたくはなかったが、今の言葉を聞けば信じざるに負えない。
「それと、私と一樹君は甥に当たるのよ」
その言葉は、このテントにいる全員を驚愕へと包み込ませた。
「学園長、それってどういう……」
驚きのあまりに目を見開いている明日奈や幸が同時に口にすると、
「だから、一樹君は私の甥っ子に当たるのよ。だって、一樹君は妹の子供なんだから」
今の言葉が、テント内を静寂へと誘った。数十秒と静寂が室内を包み込むと、次の瞬間には、驚愕の声が上がっていた。
「そっ、それって、どういうことなんですかっ! 一樹が学園長の甥っ!? 信じられない!」
「イッキっ! どういうことなのか説明しなさいよっ!」
「俺に聞くなってのっ! 俺だって今聞いて驚いてんだからっ!」
「一樹君は凄いんだね」
勾坂だけ驚いているようには見えないが、これでも彼は驚いているようだ。
「まぁそんなことはいいとして、一樹君は明後日からの復帰でいいわよね? 少しの間、力を使えるようにしなきゃいけないし、これからが本番なんだから頑張ってもらわないと」
勝手に話が進められていく。
驚きすぎて何がなんだか分からなくなっている一樹たちへ、
「今日はもう遅くなるから早く寝てきなさい。一樹君以外は明日が正念場なんだから」
そう言うと体を何かに持ち上げられたかのように宙へと浮きあがり、テントから追い出されてしまった。
茫然とした感じでテントへと視線を向けるが、入ろうとすれば追い出されるのが分かってしまう。なら、早く寝るしかない。早く寝て心の整理をしよう。
「俺……今日はもう寝るわ……短い間にいろいろあり過ぎでしょ」
「私も今日は寝るわ……イッキの言う通り、いろいろあり過ぎ……」
「私も寝るね……一樹君もお疲れ様」
そうして三人は、自分の場所へと戻り就寝することに。一樹がどこで寝るのか分からないところに憐矢とも会い、自分の話をすると明日奈達と同じ反応を見せた。それから一樹 の眠る場所が輸送機の隣、憐矢と同じテントで眠ることに。
目を閉じれば、一瞬で眠り就いたのであった。




