史上最高の発明
新しい光を見た。
この発見は今世紀の概念を覆し、
人類に至上最高の進歩をもたらすに違いない。
彼はグフフと笑いをこらえた。
すべての人がわたしに敬意を表し、
どのように発見に至ったかを聞くだろう。
そして皆がわたしの話に興味をもち、
あわよくばマネしようとする輩もでてくるかもしれない。
その時はその時だ。
まあ真似ようとしてもしょうがないからね。
男は汚れた白衣を椅子に引っ掛け、
ふらふらした足取りで社長室まで歩いた。
足元に変なビンだの、よく分からない液体のボンベ、
汚れた小皿だのが散乱したが気にしない気にしない。
さて、この発明はどう評価されるかね。
社長室を覗くと社長が倒れていた。
しまった、失敗だったか。
これは社長をカイゼンする薬だったのに。