第5話 悶々とそれから
今回は春雨さんの心情です。ちょっと短めですが御了承ください。m(._.)m
春雨side
どうも初めまして、春雨 真理亜です。
突然ですが、最近悩んでいる事があるのです。
私は願舞くんのことが、す、好きなんです!い、言ってしまいました /////
きっかけは幼稚園の時です。
〜*〜*〜*〜*〜*〜
その日は、豪雨で前が霞むほどの勢いで雨が降っていました。幼稚園近くの森を遠足の帰りに通り、私も皆んなも疲れて眠っている時に、運転手さんがバスの前にイノシシが歩いているのが見えたのです。
慌ててハンドルを左に回して避けたのはいいのですが、その避けた先はほとんど整備されていない崖でした。
咄嗟にブレーキをかけましたが、あいにくの雨のせいで地面が滑りやすくなっていたので、バスは止まれず崖に落ちてしまいました。
気がつけば、頰に水が滴り落ちる感覚で目が覚めました。
どうやら私達は奇跡的に近くの洞窟に落ちたようです。
「皆さーん!大丈夫ですかー!ケガしている子はいませんかー!」
私が周りを見渡していると、先生の声が聞こえました。私は心底ホッとしました。もしかして自分だけが生き残ったんじゃないか、このまま帰れないんじゃないか、そんな不安に押し潰されそうな時に先生の声を聞いた瞬間、安心で泣いてしまいました。
先生は泣き声を聞いて私に気づき、駆け寄って抱きしめてくれました。その時の事は一生忘れないでしょう。
それから怪我をしている子供達がいないか、私を含めた他に意識がある人達と一緒に探しました。
結果的に皆んな生きていました。
ですが、皆んな不安顔で周囲の友達と話したり、中には泣きだす子までいました。
そんな中、何故か願舞くんは平気な顔で地面にある石をテキパキと取り除いていました。
何してるんだろうと思い、様子を伺っていたのですが・・・なんと、遠足で使ったシートをカバンから取り出して寝始めたのです。
私は何故こんなにも落ち着いて寝ていられるのかを気になって、話かけてみました。
「あの、五十嵐くん」
「ん?ええと、誰ですか?」
「わ、私の名前は春雨 真理亜です。ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいですか?」
「う〜ん・・・わかった。いいよ」
何故か間がありましたが、聞けるようです。
「あのね、願舞君はなんでそんなに冷静でいられるのかなって「生きるためだよ」・・・え?」
「生きるためだ。友達と会話をしている時間も、ましてや泣いている時間なんてないんだからさ、春雨さんは生きたい?」
私?私は、私は、生きたい。こんな洞窟で死にたくない!
「生きたいです!」
「そっか、なら早めに自分の寝る場所を確保しといたほうがいいよ。皆んなが混乱している隙に自分の場所を取っておかないと後で面倒なことになるからね」
「はい!」
それからです。私が願舞くんを気になりだしたのは。
夜、私は寝付けなくてシートから立ち上がり、外の空気でも吸おうと洞窟の出口に向かった時、白い煙が下から上えと立ち昇っているのが見えました。
なんだろうと思って行ってみれば、願舞くんが火をおこして煙をだしていたんです。
なんて頼もしい人なんでしょう!他の人に知られず一人で黙々と皆んなのために救援を呼ぶなんて!若干タレの焼けるいい匂いがしますが・・・気のせいでしょう。
次の日
食糧は長くてあと一週間分しかない。
先生達が頑張って食糧のやりくりをしている中、私は見てしまったんです。
願舞くんが自分の弁当にあるお肉をこっそりと下級生(私達のバスは1.2.3年生がいる)の弁当に入れているところを!
なんて優しい方なんでしょう!肉しか入れていませんが栄養面もきっと考えてのことです。
それから三日目に私達は休出されました。
後で聞いたところによると、他のバスはもう幼稚園に付いているのに私達だけのバスがいっこうにこない事が不安になり、探しに来てくれたそうです。
夜まで探してもう帰る時間になった時、遥か遠くから煙がでているのがわかったそうです。
それを願舞くんがしたことなんて私以外誰もわからないでしょう。そう、私だけ。
私だけが知っている。フフ♪
帰る時に願舞くんは私に言いました。
「よかったね。これで春雨さんは生きられる」
満面の笑みで、私の目を見て、微笑んでくれました。
ああ、願舞くん。
私の何かが目覚めたような気がしました。
それから私は願舞くんをもっと知りたいと思いました。
誕生日はいつなのか
好きな食べ物嫌いな食べ物
そして、好きな女性のタイプ
私はその全てを知り、願舞くんの理想の女になると決意しました。
小学校も中学校も同じにしました。
高校は魔力測定があるので入れるかヒヤヒヤしましたが、無事に入ることができました。
そして!
なんと、願舞くんがSランクの神様と契約できたのです!本気になれば世界征服も本当に夢じゃない力を手にいれていました。
もうさすがとしか言いようがないです!
ですが、私は今大きな壁にぶつかっています。
そんな凄い人に釣り合う女になれるのでしょか?
いままで頑張ってきましたが、流石の私でも弱音を吐いてしまいます。
いえ、諦めてはなりません!ここまできたじゃないですか!私!
そうです。絶対に諦めません。
だって・・・・・
願舞くんは、私だけの物なんだから♥︎
書いてて恥ずかしくなりましたが、悔いはありませんよ?何故なら書きたいから!