第1話 始まりとそれから
初めまして、コタツムリです!初めてなので誤字などが多々あると思いますが、そこはまぁ[初めて]ですからね?はい、すいません、調子に乗りました。それは置いといて、投稿は毎週土曜日にしようと思います。その分できるだけ文字を多くしますのでご了承ください。それでは本編をどうぞ。
それは突然の事だったそうだ。
「だった」というのは、俺が産まれていない時代だからだ。
母さんから聞いた話では、「奴ら」は本当は地球にいてはならない存在だって言っていた。
今の俺には「奴ら」がいることが常識で、今では生活に欠かせない存在にまでなっていた。
だからだろう。
本当の脅威がすぐそこまできているなんて地球上の誰一人としてわかるはずもなかった。
〜*〜*〜*〜*〜*〜
おはよう!朝だよ!おきてっおきてっ!!
「・・・・・」
おはよう!朝だよ!おきてっおきてっ!!
「・・・・・」
おはよう!朝だよ!おきカチッ・・・
すぅぅ
「おきろおおおおおぉ!!!」
「おはようママン」
「キモッ」
「実の息子に酷すぎる!」
くっ、深夜の三時までゲームしてたから頭がクラクラする。もうちょっと早く寝ればよかった。
「ほら!さっさと起きなさい!」
「わかったよ母さん起きるから!て、ちょっ!服脱がさないで!あ!そこは!ら、らめええええええええ!!」
「変な声だすな!早く起きないと遅刻するわよ!」
くそっ、今度こそ絶対に一時間はねばってやる!
〜*〜*〜*〜*〜*〜
「いってらっしゃーい」
「ふぁ〜いってきまーす」
眠い目をこすりながら俺は家を出た。今年で高校一年生になる俺に服を脱がそうというのは精神的にかなりきつい。母さんは平気でそんなことやってくるからもう慣れたけど。・・・慣れた自分がむなしくなるな。
俺の名前は五十嵐 願舞
髪の色は薄茶色で癖っ毛
目は青い
今さっき手をふってお見送りしてきたのが母さんだ。
名前は五十嵐 クリスフィーナ
身長174cm
金髪で目は青い
アメリカ人と日本人のハーフだ。
俺は母さんの仕事はよく知らない。家を出る時も学校から帰ってきた時も家にいる。お金は大丈夫なのか心配になって何度も聞いてみるも、「問題ない!」の一点張りだ。
正直かなり不安だ。
俺の家は三人家族で、父さんは見たことはない。母さんは何か知ってるっぽかったけど、言ってこないならこっちから聞くのもなんだか気まずいので父さんのことは聞かないでいる。
「おう!願舞やんけ!おはようさん!!」
「ん?ああ、助さんか。おはようさん。」
こいつは幼馴染みの橘 太助だ。幼稚園の時からの付き合いで、さんづけしているのはただ単に呼びやすいからだ。身長は俺より少し上ぐらい。頭はスキンヘッドで左目が縦に刃物で切られた後が残っている。かなりいかつい顔付きをしていてバカっぽいし、側から見ればヤクザに間違われてもしょうがないくらいだ。なのに俺より成績が優秀なのだ。理不尽だと思う。
「おい、今何か今失礼な事思わなかったか?」
「そんなことあるわけないだろ!!俺はお前みたいないい奴に出会えて心から嬉しいと思っていただけさ!!!」
「お、おう!そうかそうか!やっぱりお前には俺がいねぇとな!はっはっは!!」
背中をバシバシ叩いてくる。まったく、勘も鋭いから呆れを通り越してすごいと思う。どういう育て方をすればこうなるのか聞いてみたいものだ。まぁ幸いこいつにも弱点があり、おだてたりすると上機嫌になってかなり単純な思考になるのだ。
そうやっていつもの朝の雑談をしていると、すぐに学校についた。
〜*〜*〜*〜*〜*〜
俺が通っている高校は都立桜花高校と言って、一見すると普通の高校に見えるだろう。実際市民には普通の高校に見えている。しかしそれは魔法陣で学校を囲い、擬似的な映像や音を映しているだけだ。
例えば生徒達が射撃の訓練をしていたとしても、外からみたら野球部がまとあてゲームしているようにしか見えない。
つまりは・・・まぁ、そういうことだ。
「成功して〜ホルダーオン!」
正門を通った瞬間、校庭の周りから見えにくい所にそんな声が聞こえてきた。その声の主は春雨 真理亜、おっとりな性格で肩まで伸ばした黒色の髪に頭のつむじからはチョコンと立っている癖っ毛がチャームポイントで、小柄だがボンッキュッボンのまさにロリ巨乳のロリ顏だ。二週間前の入学式に友達になったばかりで、かなり可愛い。
彼女は今【ホルダー】を起動させようとしている。【ホルダー】とは、簡単に言えば魔法使いの杖の役割をもっている。最大の特徴は自分がずっと使っている、または身につけている物をなんでも【ホルダー】にできるということだ。逆に言えばまだ物が自分に馴染んでいなければ起動させる事はできない。細かい説明は近いうちに話すと思う。
さて、この春雨さんは始業式の1日目で【ホルダー】の起動をするという初歩中の初歩の授業をしたのだが、クラスの九割は成功して一割は失敗したのだ。初日で九割は異例でそれを聞いた教師達は驚いたが、おれのクラスの担任は何故か呆れていたそうだ。この事については今は説明したくない。一割の人達は絶対に言いたくないだろう。担任の先生の気持ちがよくわかる。
まぁそれは置いといて、その一割の中に春雨さんも入っている。
春雨さん含む失敗組は必死に起動させようとするが、まだ誰一人として成功しているようすはない。ちなみに俺と助けさんは成功組だからこうやってのんびりと登校できているわけだ。
そんなことを考えていると、春雨さんが俺達に気づいた。
「あ!おはよ〜二人とも〜!」
そんな可愛らしい声を響かせながら走ってくる。走るたびにその巨大すぎる胸がボインッボインッと弾み、周りの男達の顔が赤くなり、その場にいる全員が体を前屈みにしている。
・・・かわえぇ
「おい願舞、鼻の下伸びてんぞ!」
「うっせーよ!お前だって春雨さんの顔を変な目で見てんじゃねーか!」
「ちっげぇよ!俺が見てたのはずっと胸だっつの!顔なんて胸の次だ!」
「俺よりも最低じゃねーか!最初に俺にふっかけといてその理由はねよーよ!」
「なんだとぉ!?顔より胸だということをわからせてやらねぇとなぁ」
「上等だオラァ!そのハゲ頭カチ割ってやんよ!
「二人ともケンカしない〜!!」
そろそろ暴力沙汰になるところを春雨さんが止めに来てくれた。優しいなぁ。結婚するならこういう人がいいと俺は思う。
「ふっ春雨さんに助けられたな」
「どっちがかな」
こうやっていつものように登校する。そういえば今日は特別で大事な授業があると言っていたな。なんだろう?
〜*〜*〜*〜*〜*〜
「全員席につきけ!ホームルーム始めんぞ!」
そうやって入ってきたのは石垣 鰹だ。体育教師で、皆んなからカッツァンと呼ばれている。最近妻に夜逃げされたらしく、このごろかなりピリピリしていて怒りっぽい。
「今日は大事な儀式の日だ。全員【ホルダー】を持ってきているか?」
その言葉を合図に全員が【ホルダー】をだす。
「よし、全員持ってきてるな。なら放送がくるまでその場で待っていろ。くれぐれも騒ぐんじゃねーぞ」
石垣先生が鬼の形相で睨んでくる。怖えーよ!はぁ、まぁいいや。言う通りにおとなしくしていよう。
そうやってしばらく待っていると、放送が流れてきた。
『ピンポンパンポーン 一年二組の生徒は体育館まで集まってください。繰り返します。一年二組の生徒は・・・』
「全員二列に並べ!体育館に行くぞ!」
「「「はーい」」」
二列に並んだ後、すぐに体育館に出発した。
〜*〜*〜*〜*〜*〜
体育館に来た俺たちのクラスは唖然とした。
なんとそこには生徒五人が入ってもまだ余裕の広さがある魔法陣・・・の上に首を吊ってもがいている白髪白ヒゲのまさに研究者っぽい人がいたのだ。
このジイさんのせいで魔法陣という素晴らしいものが台無しになってしまった。ていうか体育館にいる他の人達はなんで助けないんだ!?
周りを見ても他の人達は黙々と作業を続けている。
やがて痺れを切らしたのか、一人の生徒がプリントの整理をしている女性の人に聞いた。
「あ、あのー」
「はい、何でしょうか?」
「あの首を吊ってる人は助けなくてもいいんですか?」
「ああ、あの人ね。いつもの事だし、そんなに気にしなくてもいいですよ」
「は、はぁ」
『『『気にするわ!!!』』』全員の気持ちが一つに纏まった瞬間だった。
「こっからは一列に並んで座れー!教授からの説明がはじまるぞ!では、教授どうぞ。」
「うむ、ではまず自己紹介から始めようかのぅ。ワシの名は早乙女 一二三じゃ。一二三教授と呼んでくれ。よろしくのぅ。」
一二三教授がいつの間にか下に降りていたから全員驚いたが、うるさくすると石垣先生の怒りの鉄拳がとんでくるので誰も突っ込まなかった。
何故一二三教授が首を吊っていたのかは次回わかります!