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新聞部の先輩

作者: 佐香路美
掲載日:2026/04/02

写真部に入りたかったのにひょんなことから新聞部に文化祭までの一時の思い出

入部届を持ち職員室へと行く

「この部活で…」

そこには写真部と書いてあった

よろず君…実は…」

「写真部はない!!そんな…」

萬はがっかりして職員室を出ていく

「せっかくいいカメラ買ったのに…あ…!」

カメラを構え窓の外のカラスを撮る

「よし!うまく撮れた!」

「おい!そこの黒髪短髪のガキ!」

女の人の声で急に悪口を言われ自分ではないかと思い萬はその場を去ろうとする

「君きだよ君!ねぇ!カメラできるの?なら!新聞部にはいらない?!」

「何ですかいきなり?それに僕は新聞に興味…」

「記事は私が書くから君はカメラ!ね!どう?」

とても綺麗な人だった透き通る様な丸い瞳にサラサラな黒く長い髪

「えぇ…何ですか…」

「ね!おねが〜い!」

萬は正直ドキドキしたこの人に頼まれるとどうも断り辛い感じがした

「ままぁいいですよ…僕は1年の萬…

神鳴萬かみな よろずですよろしくお願いします…」

「萬君ねよろしく…私は3年!の佐藤千鶴さとう ちずるよろしく!じゃぁ!早速部室に!」

千鶴は萬の手を引き部室へと向かっていく

「あの部室ってどこなんですか?」

「もう少し!……ここよ!」

そこには何も書いて居ない教室があった

『なにこれ…こんなんなら来なきゃ…』

「私と君だけの秘密の部活よ!」

「え?!ほかに部員は?」

「いない…けど!やってくれる?!」

訴えかけるその大きな瞳を前に萬は断ることなどできず

「は…はいやります…」

「やったー!ありがと!」

千鶴は萬の手を掴みとても嬉しそうにはしゃいでいる

『こんなに喜んでくれるならいいか…千鶴先輩も悪い人じゃなさそうだし』

「ねぇ!この部はね文化祭で百部売れる新聞を作るの!」

萬は思った無理だと校舎の一番上3階の端にある部室にわざわざ買いに来るやつなんか居ないと

「せ…先輩…さすがに…」

「(顔を覗き込む)何よ…私の人生を掛けてこれを成し遂げる」

「人生?そんなにですか?」

「えぇ私にとってはね」

「今年最後の文化祭になりますもんね」

「それに私は…病気なのよ…」

萬に衝撃が走る最後と言うのは学校生活とかでは無く人生最後と言う

「え!でも…その何とかならないんですか?」

「この病気は特殊なの前例の無い病気秋の紅葉が咲く頃まで生きていれば…いいとこね…」

「でも…文化祭は…」

「そうよ11月中旬だからあなたに頼むの私と一緒に頑張りましょう!」

『そんな…先輩は余命もそんなに無いのに文化祭なんかで百部売るなんて…

無理…けど!先輩のために!』

萬は覚悟を決め千鶴の百部の目標を達成させてあげると

「それで…先輩!どんなネタを書くんですか?」

「それが…」

「何にも!決まってない!」

新聞のネタは決まっておらず部員も二人しかいない

「それにしても寂しい部室ですね」

部室には真ん中に二人座れるソファーのみが置かれていた

「だって…誰も…入部しないから…」

「任せてください!僕が百部売ります」

千鶴の顔がパーと明るくなり萬の顔を見る

「ホント?期待してる!」

「はい!でも…もう6月ですよ…」

「そうね…なんかいい案ないかしら?」

二人はソファーに座り考える。その最中萬が踏み込んだ質問をする

「あの…先輩…失礼なんですけど…病気って?」

「病気?あーえーと私は向日葵病ひまわりびょうなの…」

「向日葵病?」

聞いたことの無い病気が萬の頭では死ぬほどの病に感じられない

「えぇひまわりが咲く頃に体調が悪くなるの…それが年々悪化して去年は入院していたは…」

「そんな…」

「ねぇ!そこでさ!私の写真撮ってよ!」

「え!なんでですか?」

「私の遺影!」

「そんな笑顔で言わないでください……」

自分の病に謎な部分を萬に心配させないため千鶴は笑ってみせる

「でもさ〜ほら!1マイ!」

「ポーズは…ソファーに腰を掛けて手は前で組んでください」

千鶴は言われた通りポーズをとる

「どう?私可愛く撮れてる?」

「う〜んなんとも〜」

萬の首に掛かっているカメラを引っ張り写真を見る

「いいじゃない!あなた上手ね!」

「そうですか?そんな事より企画しなくちゃ!」

「私的には地元新聞?とか?」

「それじゃあ…百部は…」

「そうね…じぁ萬君は何かある?」

「そうですね…嫌ならいいんですが…その向日葵病を取り上げてみては?」

「良いわね!私と同じ病の人がいるかも!?」

その日は案を出して部活動は終了し二人は家へと帰って行く

「先輩それではまた明日」

「えぇまたね!」

家に着き萬は母親に聞く

「ねぇ向日葵病って知ってる?」

「なぁにそれ…知らないわねそんなのあるの?」

萬は何も言わずにそのまま2階へと上がって行き自分の部屋へと入って行く

『先輩の病ってどんなんだろ』

その日はそのまま寝落ちしてしまった

「やぁ!萬君!」

後から声を掛けられ萬は、びっくっとしていまう

「何ですか…先輩?」

「こんな感じでどうかな?」

そこには一冊のノートに見出しと向日葵病の事が書いてあった

「……いいと思います後は空いてるスペースに写真を…」

「そこでだ私をたくさん撮ってくれ!」

「はい…!」

二人は部室に行き写真を撮る

「こんな感じ~」

「先輩…変なポーズじゃなくてなんかもっと新聞ぽい」

「じぁ昨日の写真で良いよ〜」

「え…!じゃぁ僕もう…用なし?!」

「まぁそうね…でも!私の目標には付き合ってもらうわ!」

「分かってますよ…後は向日葵の写真とかを撮った方がいいですか?」

「えぇそうね!ただ…それは宿題!夏休みの!」

「はい…」

2日目の部活もなんなく終わり気づけばあっという間に夏休み

「向日葵の写真を撮れって…この辺のでいいか…」

適当にそのへんの写真を撮り部室に持っていく

「萬君!久しいね!」

「ほんの少し前でしょ!…それで撮って来ました」

「ありがとう!これで完成よ!」

二人の新聞は完成し沢山のコピーを刷った

「これで〜!完成!後は頼むわよ…!」

「先輩…あの…これ僕今まで忘れてましたけど連絡先なんかあったら連絡…」

「ありがとう!萬君はいい子だね〜!」

二人は連絡交換をし部活を終え帰って行く。それからは二人とも会うことも無く何となく過ごしていたある日一通の電話が来る

「萬…君…家に…来て…」

「はい!?分かりました!!すぐに行きます!」

急いで家を出て位置情報を頼りに千鶴の家へと向かっていく

「萬…君…」

「先輩!そんな…」

そこには横たわる千鶴の姿があった

「私ね…」

「先輩!どうにか…!」

「私…この…一ヶ月…あなたと…いれて…楽しか…たわ…ありがと…」

「僕もです!でもそんな…お別れみたいなの辞めて下さい!」

「そうね…」

千鶴は重い体を上げ萬の首に手を回した

「先輩…?」

萬が声をかけた瞬間唇を萬の口につける

「……!先輩!」

「ありがと…今日はちょっと楽になったかも…」

「僕毎日来ますよ?先輩…」

「悪いよ…そんな…」

「いえ…僕にはそれぐらいしかできませんから」 

萬はそう言い残し家を出ていく

「萬おかえり!」

「ただいま…」

「何かいつもより暗いわね」

萬はその日は何も考えられなかった

次の日思いもよらぬ訃報が萬を襲った

「今日…千鶴…が息を引き取り…」

「へ…」

萬は信じられなかった昨日キスをして少し笑顔の先輩が翌日に…

「死んだ…?先輩が…!」

部屋に引きこもったまま一晩中泣き続けた

『萬君…なんで泣いてんの…?』

『それは今日先輩…』

『私?私はここ君の心にいるよそんなんだと百部売れないよ〜!元気出せ私はいる!』

『そうだ!先輩のために百部売らなきゃ!』

そして来る文化祭

「先輩のここにいる!この新聞が千鶴先輩の病気を知るきっかけになる…」

「あの…新聞…」

「はい!」

新聞は順調に売れていき午前中には完売してしまった

「先輩…売れましたよ…先輩の…新聞ここ置いときますね」

仏壇に新聞を置き立ち去る萬

『ふふ…やるじゃない!』

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