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第九話『VS<終焉の森>フォレタトス』

 修行に集中し過ぎて、<終焉の森>フォレタトスに背後を取られているのに全く気付かなかった。

 フォレタトスの魔術により俺らの足元は根っこで拘束され急成長した植物が体のまとわりつき体勢が崩れる。

 

 「クロノ!!大丈夫か?十二獣じゅうにじゅう召喚術しょうかんじゅつ

暗闇ダークネス幻獣兎アルミラージ!地面に急成長した根っこや植物を食い尽くせ」


 アステカの魔術で召喚されたうさぎの見た目をした魔獣により俺らに巻き付いた植物を食い荒らす。

 見た目は兎で愛くるしいのとは裏腹にフォレタトスの魔術をガッツク姿に少し恐怖を覚えた。


 「フォフォフォフォフォフォ」


 自分の魔術が食い尽くされていく様に怒って雄叫びを上げる。

 フォレタトスの植物のムチ攻撃を避け、一瞬できた隙を狙う。

 アステカから貰った刀に闇をの魔術を込める


 「獄炎息吹ヘルフレアブレス


 フォレタトスの大きな体に新しく習得した獄炎息吹ヘルフレアブレスが斜めに切り込みが入る。

 俺が切った部分を獄炎が襲う。


 「フォロロロ」


 凄く苦しそうだ。だが、コイツを倒し切らないとエレノアやみんなが襲われてしまう。


 「クロノ!いい感じにダメージが入ってる!後一押し!」


 「エレノア様!」


 「え!?」


 油断した、エレノアを守ると豪語しときながら、このままエレノアを失ったらどうしようと絶望が走る。

 いや、待てよ。これから何があっても自分の命に変えてもエレノアを守る。

 アステカとの修行の時に心に誓ったじゃないか。


 俺は闇の魔術の出力を上げ球状に圧縮する。無数の闇でまとった球を作り遠距離攻撃を試みる。

 フォレタトスに照準を合わせて最大火力を浴びせる準備をする。


 「死者デスレイン


 雨のように無数の球状に圧縮した闇がフォレタトスを襲う。

 どんどん降り注ぐ球状の闇がフォレタトスは再生が間に合わない。

 死を悟ったフォレタトスは逃げようとする。


 「エレノア様を襲うとした罪はでかいぞ」


 グランデさんの渾身の殴りがクリティカルヒットを起こし動きが止まる。

 そこをアステカが見逃さず追撃をする。


 「死ね魔獣!闇の柱」


 闇の魔術で作った闇の柱が2つフォレタトスの心臓に刺さり絶命した。

 

 「皆んなナイスだったよ!」


 「クロノ、頼もしくなったね、また助けられちゃった。」


 エレノアは安心したのか俺の肩に頭を預ける。

 女子がこんなに至近距離なんて今までなかったぞ。


 「<8つの魂のカケラ>はここの主が持っているって情報だったが出てこないどういうことだ?」


 「確かにボスを倒したのになんで<8つの魂のカケラ>無いんだ?もしかして、既に<8つの魂のカケラ>は誰かが回収した後?」


 主を倒しても<8つの魂のカケラ>が出てこないことに疑問を感じていると何か種みたいなものが飛んできてチクッとした痛みが走る。虫に刺されたのかな?

 飛んできた種とチクッとした痛みをあまり気にしていなかったが大きな間違いだとすぐに気付く。


 「ガァッ、エレノア様、クロノ殿、アステカ殿逃げてくだされ。まだ敵は生きておる」

 

 フォレタトスは確かに死んで意識がない。他の敵の襲撃ってことか?

 グランデさんの傷口から植物が花を咲かしどんどん急成長していく。

 

 「クロノ、エレノア!これは生き物の血を栄養にして成長する死のデスフラワーだ。

まさか、フォレタトスが神隠しの森の主ではなく<裁きの番人>が潜んでいるってことか。

ここにとどまるのはマズイ。一旦撤退して体制を整えたほうが」


 「エレノア、アステカ申し訳ない。俺も死の花の餌食になってしまってどんどん力が吸い取られる」


 俺は身動きができなくなってきたが、アステカも同様に種が刺さってたみたいで、どんどん力を吸い取られていた。


 「グハッ!魔王の息子として情けない。俺もどんどん血を吸い取られて力が奪われる」


 「クロノ、アステカ、しっかりして私の治癒魔法で....」


 マズイ、ここで俺ら全滅かよ。ここまできて不意打ちにやられるなんて。

 エレノアだけでもここから逃したい。

 しかし、どうすればいいんだ。


 「卑怯者!!隠れてないで出てきやがれ」


 「貴様らが勝手にワシの森を荒らすから裁きを下したまでよ。よくも我が同胞のフォレタトスの命を奪ってくれたな。この罪は重いぞ」


 俺の異世界転生して伝説を作るつもりがここまでか。

 最後にエレノアに俺の気持ちを伝えて人生に幕を降ろそう。



ーーー死の覚悟を決めた時、俺らの運命を変える人物が現れる。


 「アーサーか....」


 「久しぶりの再会がこんな感じで申し訳ないね。でも、もう大丈夫、僕がいるから」


 <光焔の御子>アーサーは俺に申し訳なさそうに頭を下げた。

 俺はアーサーから貰ったルーンを使っていないのに何でピンチなのが分かったんだ?

 疑問を感じていると。


 「クロノ、今回は神隠しの森で村人が何人も行方不明になっていてね。王国として調査とパトロールを強化していたんだ。僕は<裁きの番人>の仕業ではないかと踏んでいたが正解だったみたいだね」


 「貴様、何者?人間は森を破壊する裁きの対象なり」


 「アーサー避けろ!あの種には....あっー....」


 アーサーは裁きの番人の攻撃を避けようとせず完全な無気力な状態で死の花の種が突き刺さる。

 俺はアーサーの血で死の花が成長し力を奪われ倒れる姿の幻覚を見た。しかしーーー、


 「僕の周りは光の結界をまとっている。この結界を破壊しない限りは僕に触れることもダメージを与えることもできない。人間が森や自然を自分勝手に破壊することは申し訳なく思う。しかし、それとこれは別だ」


 アーサーが地面に少し足踏みをした瞬間、衝撃波が発生し<裁きの番人>の体に風穴を開けた。

 <裁きの番人>は相当強い、しかし、アーサーの登場で少し希望が見えたが再び絶望を襲う。

 <裁きの番人>の足下に魔法陣が展開され、何かが起きる。

【ご視聴ありがとうございました。】

本日はもう一話更新予定です。

<光焔の御子>アーサーの活躍を期待あれ。


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