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第七話『VS災厄の屍王』

 魔王と同盟を組み衣食住を保証してくれる代わりに王国騎士により封印された『8つの魂のカケラ』を集める協力することになった。


 「まずは霊廟れいびょう洞窟どうくつを目指そう。ここには<災厄の屍王>が8つの魂のカケラの内の1つを守っていると噂だ」


 「災厄の屍王ってことは霊がたくさんいるってことか?俺、お化け屋敷とか度胸試しとか1人で行けないんだよね。アステカ俺らかが霊に襲われたら助けてくれよ?エレノアは俺の後ろに隠れていいからね」


 「度胸だめ.......し?とかお化け屋敷が何かは分からないけど、霊廟の洞窟を守っている災厄の屍王は王国の騎士が10人集まってやっと倒せる厄介な奴なんだ。再生力や生命力も非常に高い」


 「王国の騎士10人って俺らはアステカ、エレノア、グランデさん合わせて4人しかいないんですけど?」


 「クロノ殿、<光焔の御子>アーサー殿であれば1人で瞬殺できるらしいですよ」


 「グランデさん、それがマジならアーサーからもらったルーンでアーサー呼び出して一掃してもらいたいんですけど。いや、これは最後の切り札か」


 でも、8つの魂のカケラをこんなヤバい奴がいる所に配置するあたりアステカの真の能力を解放させたくないっていう王国の企みがあるんだろうな。

 でも、エレノアの治癒魔法にグランデさんの肉体強化で倒し切れる相手なのだろうか。アステカは力を失っているから実力は未知数だし。本当にアーサーを呼び出すしか手はないのか?


 「きゃー」


 「エレノア!?」


 「エレノア様!?」


 いきなり霊廟の洞窟の地面が崩れエレノアが洞窟の地下に落ちていった。

 災厄の屍王は洞窟の地下に潜んでいると噂だ。エレノアが襲われている姿を想像しただけで自分の無力さと嫌な予感で絶望感でいっぱいだった。


 「クロノ、グランデ、このまま崩れた地面の穴に俺らも突っ込むぞ」


 「そうだよな、遅かれ早かれ災厄の屍王と戦うわけだもんな」


 穴は結構深く、落下しするんじゃないかってくらいだ。エレノアが落下死していないければいいが。

 俺らはエレノアを救出するため、そして災厄の屍王を討伐するために俺は覚悟を決め崩れた地面の穴に飛び込んだ。

 

 「ギャギャオース」


 何かモンスターが叫んでいる。まさか、災厄の屍王か!?

 エレノア無事でいてくれよ。

 

 「だ、誰か」


 エレノアの助けを求める声だ。これは不味いことになった。

 どんどん、地面の落下速度が加速し下には災厄の屍王と思われる魔獣と襲われているエレノアが見えた。


 「黒いダークスモッグ


 俺らの視界も奪われるが、災厄の屍王の視界も奪いエレノアの奪還を試みよう。

 

 「汝らは何者だ。我は<災厄の屍王>ネフティス。8つの魂のカケラを守りし者よ」


 「クロノ殿、エレノア様を頼みます。限界突破クリティカルオーバー

 

 グランデさんが先頭体制に入る、俺はエレノアを救出に成功し<災厄の屍王>ネフティスと距離を取る。王国騎士10人でやっと倒せる相手だ。人の言葉も話せることから知能も高いのだろう。


 「エレノア様を襲ったことを後悔するのだ」


 グランデさんの強化された拳をくらいネフティスは少し体制を崩す。

 しかし、すぐに体制を戻し地面にひびを入れ<骸のゾンビ>を数十体呼び出した。


 「汝らは霊廟の洞窟に無断で荒らしにきた愚者だ。汝らは裁きの対象」


 「へっ、地面が崩れ落下した女の子を襲う趣味の悪い魔獣なんかに愚者なんて言われたくないね」


 ネフティスを煽るも俺らに決定打はない。エレノアは治癒魔法とちょっとした光の魔法を使えるって言ってたな。グランデさんは骸のゾンビに襲撃をされネフティスにまで手が回らない。


 「ギャギャオース」


 ネフティスは雄叫びを上げながらグランデさんに迫り地面が崩壊するほどの衝撃波を放ちグランデさんは吹っ飛ばされ意識を失う。


 「グ、グランデ!」


 エレノアが必死にグランデの元まで行き、治癒魔法をかけに行こうとした、その時ネフティスの攻撃がエレノアを襲う。


 「キャ!」


 マズイ。エレノアを襲おうとするネフティスの攻撃に対して間に合わない。

 ここでグランデさんもエレノアも失うのか、俺はなんて無力なんだよ。

 俺の無力さに怒りがこみ上がり魔力を込めようとした時に。


 「グハッ」


 「アステカさん!?」


 魔王の息子アステカはエレノアを庇うために身代わりになった。

 アステカは激しく吹っ飛ばされ意識を失う。

 終わった。戦力のグランデさんも意識を失い、アステカもエレノアを守るために身代わりになり倒れる。残るは闇の具現化を使いこなせず黒い煙しか出せない俺と治癒魔法のエレノアのみ。

 

 死ぬかもしれないと初めて恐怖を襲い冷や汗と震えが止まらなかった。

 もっと後半でアーサーを呼び出したかったが、もうこのルーンを使うしか....


 「クロノ、黙っててごめんね。実は8つの魂のカケラの1つは私が持っていたの。アステカは魔王の息子。王国でも魔族は討伐対象。同盟を組むとは言え信用ができず、これをアステカに渡すか悩んでいたの。でも、私をアステカは自分を犠牲にして身代わりになってくれた。これは紛れもない事実」


 「エレノアそれってつまり......」


 エレノアは持っていた<8つの魂のカケラ>の1つをアステカの体に渡しシンクロした。

 アステカの体は光を発し闇の魔力がどんどん高まるのを感じる。

 骸のゾンビはアステカの変化に恐れをなし墓に戻った。


 「汝は何者?愚者は裁きの対象なり」


 「エレノアありがとう、<8つの魂のカケラ>が俺の魔術を取り戻させてくれた。

十二獣の召喚術じゅうにじゅうのしょうかんじゅつ魔牛まぎゅう


 牛の見た目をした魔獣が召喚された。その姿は忌々しく殺意に満ち溢れており不気味な見た目だ。

 体重100キロの魔牛はネフティスの上に落ち、押し潰す。

 しかし、ネフティスの再生も凄まじく押し潰された肉体を再生しようとする。

 それを見逃さず魔牛は地面を揺るがすほどの勢いでネフティスに突っ込み体を突き破り粉々にした。


 「汝ら、必ず裁きを受けるぞ......地獄で先に待つ」


 災厄の屍王ネフティスは消滅し<8つの魂のカケラ>が出現した。

 アステカはもう1つの<8つの魂のカケラ>を取り込んだ。


 「あははは力がみなぎる。クロノ大丈夫だったかい。エレノアにも感謝している」


 「アステカ、お前実はすごい強いんだな」


 エレノアはグランデさんの治癒をし一命を取り留めた。

 アステカは8つの魂のカケラを2つ取り込み心強くなると共に裏切られないか不安になってきた。

 魔族と同盟を組んだとはいえ王国の騎士が討伐対象にしているということは何か理由があるからだろう。

 

 「クロノ君、君の闇の具現化の能力は我らの魔族が率いる兵士と同じスキルではあるが格が違うように見える。もしよければ僕と一緒にその魔術を極めないか?君なら魔族の頂点に立てる」


 え、なんかこれ不味い展開になっていないか。

 いや、これはいい機会だ。エレノアがこれ以上傷付けられたくはない。

 俺にも誰かを守る能力スキルが欲しい。

【ご視聴ありがとうございました。】

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