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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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85ー大人だけのお話

 本当に、どうやって出るのだろう? コッコちゃんは、当然の様に柵の外に出ているよね。


「柵の扉を、木で引っ掛けて止めてあるでしょう。それを嘴で、開けてしまうみたいですよ」

「しょうなんら」

「はい。お利口さんですね。出ても他所に行きませんし、畑も荒らさないし。夜はちゃんと柵の中で眠ってますからね」

「しょうらね〜」

「ロロ坊ちゃまの側にいたいみたいですよ」

「え、ボク?」

「はい」


 マリーがニッコリとした。そんな事はないだろう。レオ兄がテイムしたコッコちゃんもいるのだし。


「コッコッコッ」

「クックックッ」


 そんな事をマリーと話しながら、コッコちゃんの餌を用意していた。

 気が付けば、俺の周りには7羽のコッコちゃんがいた。勢揃いしているのだ。よしよし、ご飯食べな。


「わふッ」

「ぴか、いちゅのまにかね〜」

「わふ」


 ピカが、ロロの周りにコッコちゃんがみんな集まっている。と、言っているのだ。

 俺が、畑の方に野菜の葉っぱを集めに行くと、コッコちゃんも付いてくる。


「コッコッコッ」


 と、首をちょびっと動かしながら並んでテケテケと付いてくる。

 俺が、薬草畑の方へ行くと、また付いてくる。分かっているのか知らないけど、コッコちゃんは薬草を啄んだりしない。お利口なのだ。


「クックックッ」


 やっぱ並んで俺の後を付いてくる。まるで、カルガモのお引越しみたいなのだ。え? 俺は親なのか?


「こっこちゃん、ちゅいてくるの?」

「コッコ」

「コケッ」

「クックックッ」

「しょう」


 なるほど。側にいたいらしい。心配してくれているのかな?


「わふ」


 そんな事もないそうだ。コッコちゃんの好みらしい。


「ふふふ」

「まりー?」

「ロロ坊ちゃまの側にいたいのですね」

「しょうらしいのら」

「あらあら、やっぱり」

「ふしぎなのら」

「わふん」

「え、わかるの?」

「わふ」


 ほぉ〜。どうやら、俺のテイマーってスキルに加えて、女神の加護があるかららしい。コッコちゃん好みの匂いでもするのだろうか?

 よしッ! なら、やっぱコッコちゃんに乗ってみるしかないのだ。俺は決意の拳を上げる。


「わふ」

「えぇー、らめ?」

「わふ」


 ピカに、また駄目だと言われてしまったのだ。拳はあっという間に砕かれてしまった。なんてへちょい決意なのだ。

 だって、これだけ俺に付いてくるのだから大丈夫だと思うぞ。大きな鳥さんと言っても、そんなに高さはないのだし早く走る訳でもない。大人しいもんなのだ。


「わふん」

「わかったのら」


 危ない事は駄目だと言われてしまった。ピカも過保護になっちゃったよね。

 ディさんと、レオ兄達のお話はどうなったのかなぁ? 気になるのだ。




 ◇◇◇

(レオ視点です)



「ニコとロロには話してないんです」

「貴族簿の事かな?」

「はい。僕と姉上が、調べようとしている事も知りません」

「まだ、小さいからね」

「はい」

「で、フォーゲル卿。どうかな?」

「他家の貴族簿を、見る為には申請をしないといけません。それで許可が下りないと閲覧できないのです。でないと、他家の情報が自由に閲覧できる事になってしまう」

「そうだね。僕が城に行った時にも確認したんだ。僕はこの国での自由を保障されているけど、国内の事に過干渉はできないんだ。僕も同じ事を言われたよ、申請が必要だって」


 ディさんが城に行った時と言うのは、もしかして夫人と令嬢を転移で連れて行った時の事かな?

 以前、僕達が話した事を気にかけてくれていたんだ。有難い。


「ディさん、調べようとしてくれていたんですか」

「当然だ。僕には、貴族に戻る事が必ずしも幸せだとは思えないけどね。この国の貴族には、しがらみが多いし領地を経営するのだって大変だ。今の方がずっと気楽で自由でいられるよ。でも、リアやレオは納得できないのだろう? なら、ハッキリさせるだけでもと思ってさ」


 ディさんが言うには、城の文官に聞いてくれたらしい。その理由も話してくれたそうだ。

 僕達の家が、叔父によって不当に爵位を継承された可能性があるという事をだ。


「その事は、宰相の耳にも入れてある」


 宰相だって!? ディさんは一体、何者なんだ? だいたいエルフなのに、この国に滞在しているって事が不思議なんだよ。どんな立場の人なのだろう?

 宰相なんて、貴族でも実際に会う事が出来る者は少ない筈だ。

 もちろん、僕達はお会いした事がない。両親はどうだったのだろう?

 あまり、貴族の社交や王城での仕事というものに、積極的な人達ではなかったように思う。

 どちらかというと、領地の経営の方に重きを置いている人達だったと記憶している。王都にいても、社交に出掛ける事が少なかった様に思う。


「何かさ、証拠があれば話も進め易いんだけど」

「ディさん、証拠ですか?」

「そう。その時の状況や、その叔父夫婦の事を詳しく知っている人がいたりすると良いんだけどね」

「それは……執事のウォルターだ」

「でも、レオ。ウォルターはいつの間にかいなくなっていて……」

「そうなのかい?」

「はい。僕達が家を出る時にも姿を見せませんでした」

「そうなの? もしかして、叔父夫婦とグルなのかな?」

「全く分かりません。今も何処にいるのかさえ分からないのです」


 ウォルターか……。それはもしかしたら、マリーの方が詳しいかも。

 僕達より、同じ様に長く仕えたマリーの方が、ウォルターの事をよく知っているだろう。


お読みいただき有難うございます!

レオ視点が続きます。少しだけ真面目ムードになってしまいます。

それでも読むよー!と、応援して下さる方は是非とも、評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

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