表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第1章 ルルンデで生活するのら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/469

56ープリンパーティー

「まりー、だいせいこうなのら」

「ね、大成功ですね」


 それを見たディさん。


「えぇーッ! 超おっきいんだけどー! アハハハ!」


 ウケていた。お腹を抱えて大爆笑だ。バケツとまではいかないけど、お鍋でそのまま冷やしたプリン。

 さあ、食べよう。早く食べよう。


「ロロ、待ちな。姉上を呼んでくるよ」

「あい」


 今日はコッコちゃんの小屋を作るから、リア姉とレオ兄はギルドに行かなかったのだ。リア姉は上で、お昼寝中なのだ。

 朝は、張り切って……


「時間が出来たから、魔法の勉強をするわッ!」


 と、言っていたのに。いつの間にか、ベッドに入っていた。ぐっすりなのだ。

 偶にはいいよね。いつも、頑張ってくれているのだ。

 寝惚け眼のリア姉が、下りてきた。


「ディさん。こんにちは」

「お邪魔しているよ」

「あら! 本当に作ったのね、大きなプリン!」

「りあねえ、食べるのら」

「凄いわ、美味しそう! 朝食のオムレツもとっても美味しかったものね」


 そうなのだ。ニコ兄とユーリア、エルザの分は残しておこう。


「せっかくですから、畑のみんなも一緒に庭でオヤツにしましょう」


 それは、いい考えなのだ。

 朝早くから、コケッコーと元気よく鳴いていたコッコちゃん。近所の人達は、何事かと見に出て来ていたのだ。

 そこにいた鳴き声の主は、コッコちゃん。歴とした魔鳥さんだ。

 それで、驚いたご近所さんにレオ兄が事情を説明したのだ。

 卵が美味しいらしい。上手く飼える様なら、また捕まえてきてみんなで飼おうという事になった。

 だって、目の前に大きな卵が8個もあったのだ。みんな食べたいよね〜。

 毎日産むらしいから、明日から順にお裾分けコースなのだ。


「みんなフォリコッコが、卵を産んだ事を知っているから」

「そうね、きっとニコは楽しみにしているわよ」

「声を掛けてくるよ」

「はいはい、お願いしますね」


 俺達は庭に簡易テーブルと椅子を出してプリンをセッティングする。いや、俺は何もできないけど。スプーンを片手に、ウロウロしているだけなのだ。


「たのしみなのら」

「はいはい、お茶どうぞ〜」


 マリーのティータイム……いや、プリンパーティーの開催なのだ。

 直ぐにニコ兄がユーリアと一緒に走ってきた。やっぱ楽しみだったのだ。


「スゲー! なんでこんなにデカイんだよ!」

「らって、まりーが」

「ああ、なるほどな」


 ニコ兄も分かっている。マリーが大雑把だという事を。


「はいはい、取り分けますよ〜」


 マリーがオタマで、プリンを掬う。うん、何か違うのだ。


「はい、ディさんどうぞ」

「ありがとう! アハハハ、大きいね〜」


 そうなのだ。笑っちゃうくらい大きいのだ。俺が想像していたプリンとは違うのだ。

 お構い無しに、マリーはどんどん取り分けていく。


「ロロ坊ちゃま、ニコ坊ちゃま座ってください」


 テーブルに、オタマで盛ったプリンのお皿がどんどん並べられる。やっぱ、なんか違う。

 まあ、いいや。とにかく、食べよう。


「いたらきましゅ」

「いただきー!」


 俺とニコ兄はスプーンでプリンを掬う。お皿にボテッと盛られたプリン。見た目は全然いけてない。でも、プルプルしているのだ。

 お口に入れると……芳醇とでも言うのだろうか。お口に広がる卵の風味。お砂糖を控えめにして正解だったのだ。

 卵の味が濃いから、ほんのりと甘いくらいで丁度良い。


「うまうま!」

「超美味いな!」

「本当だよ、こんなプリンは初めてだ。まろやかな卵の風味がとってもいいね」


 ニコ兄やディさんも絶賛している。ワラワラと畑からやって来たご近所のおじさんにおばさん。

 みんな、あの卵のプリンだ。て、分かっている。あっという間に、プリンの試食会なのだ。


「皆さんもどうぞ〜。お茶もありますよ〜」


 マリーはもしかして、こういうのが好きなのか? 前もそうだった。ピカを狙ってきた男を見張っていた時だ。

 あの時も、張り切ってお茶を出していた。今日も、張り切っているのだ。


「わふん」

「キュルン」

「ぴかとちろも、たべる?」

「わふ」

「キュル」


 当たり前じゃん。て、言われてしまったのだ。


「あい」


 ピカとチロの前に、プリンの盛られたお皿を置いた。

 

「わふぅ」

「キュルン」

「ね〜、うまうまらね」


 ピカとチロも気に入ったみたいなのだ。

 ピカさん、お鼻にプリンが付いてるぞ。


「わふッ」


 アハハハ、舌でペロンと舐めちゃった。こんなピカはとっても可愛い。よし、もふもふしてあげるのだ。

 コッコちゃんのプリンは大好評だった。

 と、いうかプリン自体を家で作らないらしいのだ。

 お店には売っているので、無い訳ではない。珍しい訳でもない。でも、卵をプリンにする位なら普通に食べるらしい。ちょっと贅沢品なのかもね。

 美味しいクリームチーズが手に入ったら、スフレチーズケーキも作ってみたいのだ。

 いやいや、元日本人としては茶碗蒸しもいいなぁ。


「ロロ、色々考えているのか?」

「れおにい、うまうまらから」

「うん、美味しいね」

「らから、色々ちゅくれるのら」

「アハハハ、そうだね」


 実はプリンはもう1つあったのだ。1つというか、1鍋というか。


「まりー、びおじいにもっていく」

「そうですね。明日、早速教会に行きましょうね」

「うん」


 そうなのだ、びおじいに持って行こう。教会の孤児院に持っていくのだ。みんなきっと喜ぶぞぅ。


「まりー、おさかなもププーの実ももっていくのら」

「はいはい、ピカちゃんを連れて持っていきましょうね」


 ピカに収納してもらってある。そしたらいつでも新鮮なのだ。


お読みいただき有難うございます!

誤字報告もありがとうございます。助かります。^^;

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
そういえば、わがまま領主の娘はどうなったのかな 修道院にでも詰め込まれたかな?
[一言] バイキング(ビュッフェ)形式のお店とかだと、大きい四角い陶器のお皿にプリンがドーンってあって、すくって取り分ける形式よね。 大人数に向いてるし、プリンカップ1個も食べない少食の人に優しい
[良い点] ロロくん、大好きです [気になる点] みんな卵を産んでいるならメスだけなので、卵が孵ってヒヨコ→お肉コースは難しいでしょうか。 魔鳥なので、メスだけでも、卵が孵る??
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ