498ーちびっ子二人の驚き
お祖父様たちが俺たちを見ている。本当に話しても大丈夫なのか? と思っているのだろう。ちびっ子だから話しても理解できないだろうと。
「よし、ではこの後皆で話をしよう」
お祖父様がそう言った。それは俺たちにも話してくれるということだ。だけど、残念だ。ね、エル。
「あー、そっか。お祖父様、ロロとエルはおネムですよ」
「ふふふ、そうね。夕ご飯を食べたら眠くなるわよね」
そうそう、レオ兄とリア姉の言う通りだ。お腹がいっぱいになったら眠くなる。ほら、エルだってそうだ。
「ふぁ~」
「ろろ、はなしをきくんらじょ」
「けろ、える。ねむねむなのら」
「おう、ねむいな」
お祖母様が、ふふふと笑っている。ごめんね、ちびっ子は睡魔には勝てない。
「エル、ロロ、また明日にしましょうね。レオ、寝かせてあげてちょうだい」
「はい、お祖母様」
翌日、お祖父様とレオ兄は朝早くから魔鳥の巣があった場所に行ったらしい。リア姉とロッテ姉は、いつも通りまた打ち合いをしている。
朝ごはんを食べたら、テオさんが俺たちを呼びにきた。
「エル、ロロ、この後少し大事なお話をしよう」
「ておにいがか?」
「える、ておしゃんも、ちゃんとおはなしできるのら」
「しょっか?」
「うん、しょうしょう」
「なんだよ! 僕だって真剣な話はするっての!」
それは分かっているのだけど、いつもこんな時はレオ兄の出番だろう? いないから仕方ないのだけど。きっとレオ兄がいないからテオさんなのだ。
「れおにいが、いないから」
「ロロ、僕はレオの代わりじゃないぞ」
「しょう?」
「ああ、そうだ。これは僕の役目なんだ」
ほうほう、どっちでも良いのだけど。
「える、きくのら」
「おー、にこにいは、いいのか?」
「ニコは昨夜起きて聞いていたからな」
ニコ兄だけ昨夜先に聞いたのか? それって前にもあったぞ。辺境伯家に行く時だ。俺だけドルフ爺が一日だけ一緒に行くと、知らなかったことがある。それを思い出してしまった。
「あー、にこにい、じゅるいのら」
「じゅるいか?」
「しょう、まえも、にこにいもしってて、ボクらけしらなかったのら」
「あー、しょれはねーな」
「らろ?」
ちびっ子二人でブツブツ言っている。これってきっと何を話しているのか、分からない人もいるだろうな。二人共超舌足らずだから。
ま、それはいいとして。テオさんに話を聞いて驚いた。
魔鳥の巣の上空にいたものを見たレオ兄とお祖父様。それはそこにいるはずのない存在だったと言っても過言ではない。
「ぴぇッ……!」
「ひょぉ……!」
そんなことよく知らない俺とエルでも、驚いて変な声が出ちゃったくらいだ。そりゃ、クリスティー先生に相談しようと思うのも無理はない。
「ま、ま、まじょく!?」
「しょ、しょんなの、ほんとにいるのか!?」
ほら、エルと二人して、超びっくりしてるだろう? それにしても魔族とは!? それってディさんが前に話していた、あの魔族なのか!?
「ておしゃん、まじょくって、かあしゃまのちゅえのはなしをしたときの、あのまじょく?」
「そうだ、ロロ。よく覚えていたな。その魔族だ」
「しょれって……しょれって、しゅっごく、たいへんなのら!」
「まじょくって、えほんにでてくるあれか!?」
「エル、そうだぞ。その魔族だ」
「ぴゃーッ!」
「ひょーッ!」
エルと二人でビックリどころの騒ぎではない。ソファーに座りながら二人お手々を繋いで、まだ床に届かない足をバタバタさせている。
母様の杖の話を聞いた時にディさんは、冒険者ランクでいうとAランクくらいでないと倒せないと言っていたぞ。どうするのだ!? Aランクって誰がいるのだ!?
鬼ツヨなのだろう? 母様と父様が二人で戦っても、勝てなかったらしいという魔族だ。
「ておしゃん、えーらんくは!?」
「なんら、ロロ?」
「えーらんくでないと、かてないって!」
「ええー! えーか!?」
「しょうなのら! えーなのら!」
ぶふふふ、と側にいたジルさんが吹き出した。あれれ、笑うところじゃないぞ。俺たちは真剣に焦っているのだから。
「ロロ君は、本当によく覚えてますね」
笑ってから褒めても、信じられないぞ。ジルさん。本当に思っているのかな? ちょっとジト目になってしまう。
「ほら、ジルが笑うからだぞ」
「テオ様だって笑いを堪えていたじゃないですか」
え、そうなの? そういえば、口元が震えていたような?
いやいや、それより魔族だ。それってどうするのだ!?
「ロロ、落ち着け。だからこそクリスティー先生に相談するんだ」
「あ、しょっか! なら、でぃしゃんにも!」
「多分、クリスティー先生から話はいくだろう」
「大旦那様が、今すぐにどうこうではないとおっしゃってました。宙に浮いているのを遠目で見ただけだからと」
「み、み、みた!?」
「みたのか!?」
「ぴゃッ!」
「ひょッ!」
ほら、また二人でビックリしてしまった。思わず二人で両手を合わせて、驚いている。なんならこのまま抱きつくぞって勢いだ。
「ぶふッ」
「じるしゃん、またわらったのら!」
「ふふふふ、だって二人とも可愛いので」
そんなことはどうでもいいのだ!
お読みいただき有難うございます!
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宜しくお願いします。
魔族の存在が一気に表に出てきました。
書籍版では、ちょこちょこ出していたのですが、投稿では触れませんでした。
ここから、今まで曖昧にしていたことを回収していきます。
書籍版を読まれた方は、はいはい。て感じだと思うのですが(^◇^;)
色々先に書いてますからね。ご存じの方は心の中で、知ってるも〜ん!と思っていてくださると(^◇^;)
5巻も新しいお話など盛り沢山にする予定です!
楽しみにしていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*.゜
ノベル4巻とコミック2巻発売中です!




