497ーニコ兄はレッド
それからレオ兄は夕ご飯まで戻ってこなかった。お祖父様だけじゃなく、伯父様も深刻そうな表情をしていた。俺たちがいるのを見つけると、柔らかく微笑んでくれるのだけど。
でもそれが、余計に気になった。だってクリスティー先生に相談しないといけないくらいなのだろう?
この領地だって魔物の脅威はある。だからお祖父様たちは、しっかり見回っているし討伐もしている。なのにクリスティー先生に相談なんて、それって特別なのではないか? と思った。
「さあさあ、みんなで夕ご飯にしましょうね」
お祖母様が敢えて明るく言ったように聞こえた。お祖母様も何か知っているのだ。俺はまだちびっ子だ。何が手伝える? 足手まといにしかならないじゃないか。
お祖母様たちは、俺たちを不安にさせないようにしてくれているのだろう。
「れもな~」
夕ご飯を食べながら、俺は考えてしまった。
「ロロ、どうした? 零れてるぞ」
「あ、にこにい。ごめんなしゃい」
ついついそのことを考えてしまって、いつもよりたくさんほっぺに付けてしまった。その度にニコ兄が拭いてくれる。
「ロロ、何を考えてるんだ?」
「えっちょぉ……」
これは俺が聞いて良いことなのか分からない。口にして良いのかも迷ってしまう。だから目を泳がせながら迷ってしまった。
「なんだよ、言えないのか?」
「らって、にこにい……」
そんな俺を見ていたレオ兄が、優しく微笑んだ。ああ、きっとレオ兄は分かっているんだ。俺が気になっているとバレてしまっている。
「ロロ、大丈夫だよ」
「れおにい、ほんとに?」
「ああ、本当だよ。今すぐどうこうってものじゃないんだ」
ちょっと待って、それって今すぐじゃなくても、何かあるってことだよな? 余計に心配になってきた。
「れおにい……」
「大丈夫だ。そのために、クリスティー先生に相談するんだよ」
「でぃしゃんも、よぶ?」
「ああ、そっか。ディさんを呼べるのだったね」
俺がディさんからもらったアミュレットだ。レオ兄、リア姉、ニコ兄も同じ物を持っている。
これってとっても凄いことなのだと思う。それだけディさんが気にかけてくれている。
あのルルンデで唯一のSSランクのディさんが。それだけ俺たちを思ってくれている。
「本当に……ディさんにはお世話になってばかりだわ」
「本当だね。僕たちは何も返せないのに」
「おう、でもディさんはきっとそんなの思ってないぞ」
「しょうなのら」
そんな俺たちをお祖父様たちが黙って見ていた。お祖父様が、側に座っていたお祖母様と伯父様の顔を見る。みんなが頷いた。あれれ、何だろう?
「そうか、リア、レオ、ディさんと連絡がつくのだったな?」
「はい、お祖父様」
みんな同じアミュレットを貰っている。みんなの居場所をディさんが追えるのと、俺たちに何かあった時にディさんを呼べるように。
「でもそれで呼んだりしたら、ディさんは何事かと驚くだろう?」
「テオ、そうよね」
「クリスティー先生に相談してからにしよう。ですよね、父上」
「ああ、そうだな。どちらにしろ、クリスティー先生はディさんと連絡が取れるだろうし」
お祖父様とお祖母様、それに伯父様とテオさんがそんなことを話している。それって、やっぱ一大事なのではないか? エルフの二人に相談する必要があるのだから。
きっと、それだけイレギュラーなことがあったのだ。
「お祖父様、ロロとニコにも話しておこうと思います」
「リア、ロロはまだ3歳だ」
「はい、でも理解できます」
なんだ? 俺はちびっ子だけど、何もできないけど、知りたいぞ。
「姉上、そうだね。今だって何かあるんだって分かっている」
「わかんねーじょ、なんら?」
エルがそう言った。モグモグしながらだから、ほっぺが膨れていて可愛い。
「える、たぶん、だいじなおはなしなのら」
「しょうか?」
「あれだろう? 魔鳥の巣でなんかあったんだろう?」
おっと、ニコ兄も感じてたのか。そうだよな、だって帰ってきてから、お祖父様が深刻なお顔をしてレオ兄を呼びにきたのだもの。
いつもなら、魔鳥の丸焼きにするぞー! とか言っていてもおかしくないのに。
「俺たちは留守番だったからな。まだ戦力になれない。だから仕方ないんだ」
「ニコ、そんなことはないぞ」
「そうよ、ニコ。今日だって、ニコは魔鳥を倒していたじゃない」
「それはロロが作った、ピコピコハンマーがあるからだ。あれがなかったら、俺はまだ魔鳥を倒せるほどの魔法は使えない。剣も使えない」
ニコ兄が悔しそうなお顔をしていた。ニコ兄は俺より年上だから、将来はリア姉やレオ兄みたいに強くなりたいと思っているから、俺よりずっと悔しかったのだ。自分は何もできないって思っていたのかも知れない。
そんなことはない。ニコ兄は俺たち、ちびっ子チームのレッドじゃないか。
「にこにいがいて、こころちゅよかったのら!」
「しょうらじょ! にこにいがいたから、こわくなかったじょ!」
ちびっ子チームもそれなりに頑張ったのだから。エルと二人で力説だ。ちびっ子だって、頑張ったんだと。
ニコ兄がいてくれたから、俺たちは魔鳥をやっつけようと思えたのだと。
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宜しくお願いします。
ロロたちはまだ知りません。ですが、ここからロロは気付きます。
マジかよ!?と気付くことになります。
クリスティー先生は登場するのでしょうか?
ロロのお話も後半戦に突入です。
ここからまたなかなか進まないのですけど(^◇^;)
ロロはゆっくりでいいか?みたいな感じです。
目指せノベル10巻刊行(๑•̀᎑•́)و✧
リリが8巻で完結なので、それより続いて欲しいな〜と願望です。
あ、リリの完結巻がまた大変なのですが。新しいお話がほとんどになるので(^◇^;)
頑張りまっす!
よろしくお願いいたします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*.゜
ノベル4巻発売中です!




