495ー心配だった
「うぇッ、うぇぇーん!」
「ろろ、なくなって」
「ロロ、大丈夫だ。終わったぞ」
「うん、にこにい。えるもへいき? みんな、けがはない?」
「ああ、大丈夫だぞ」
「よかったのらー! ええーん!」
部屋の中からマリーとウォルターさんが出てきて、マリーに抱きしめられた。
「ロロ坊ちゃま、ご無事で良かったです」
「まりー、こわかったのら……ひっく。にこにいがって……!」
「はいはい、大丈夫ですよ。もう大丈夫です」
マリーは俺を抱きしめながら、背中をナデナデしてくれる。大丈夫だって、やっと安心できた。
誰かが傷付くのは嫌だ。それが一番怖い。みんなが無事で良かった。
「ロロ! よくやったーッ!」
下から伯父様の声が聞こえてきた。下を覗いて見てみると伯父様たちが手を振っていた。
「三人とも、よくやった!」
「おー!」
「やったのら!」
「ぼくも、れきたじょ!」
もう俺の涙は引っ込んでいた。ふふふ、ちびっ子戦隊って感じだよね。やっぱレッドはニコ兄だ。司令塔だから。
「マリーはまた心臓が止まるかと思いましたよ」
「ふふふふ、坊ちゃんたちは私の想像以上にやんちゃですね」
あらら、やんちゃだと言われちゃった。そんなことはない。こんな時だけだ。いつもはとってもお利口なのだよ。
「庭に行こう。きっともうすぐお祖父様たちも帰ってくるぞ」
「うん!」
トコトコと部屋を出て、大きな階段を慎重に下りて玄関から庭に出る。
こんなにたくさんの魔鳥が襲ってきていたのかと驚いた。庭に数えきれないくらいの魔鳥が落ちている。
こんなにいるのだから、巣にはもっといたのかな? それとも巣にいる魔鳥が全部こっちに来ちゃったのかな?
そんなことを考えると、途端にリア姉やレオ兄が心配になってきた。
「にこにい、りあねえとれおにい、らいじょぶかな?」
「大丈夫だ、ピカだって一緒なんだから」
うん、ピカは強いから大丈夫だと思うけど。それでも心配なものは心配だ。
「よくやった! 三人とも怖くなかったか?」
伯父様が俺たちの頭をヨシヨシと撫でてくれる。伯父様の持っている剣には、魔鳥の血がベットリと着いていた。それくらい魔鳥を切ったのだろう。お祖母様は大丈夫かな?
「ニコ、ロロ、エル、本当に驚いたわ」
「アハハハ、じっとしていないよな!?」
「またテオ! 笑い事じゃないの!」
お祖母様もテオさんも大丈夫そうだ。テオさんは剣を振ってシャキーンと鞘に入れた。おっと、かっちょいいぞ。俺も剣を練習しようかな? なんて一瞬思ったけど、やめておこう。だって、ちゃんと使える気がしないから。
もうお空が夕焼け色に染まってきた。だんだん周りも薄暗くなってくる。遅いなぁ、大丈夫かなぁ? どんどん心配な気持ちが膨れてくる。
「ああ、ほら。お祖父様たちも戻ってきた」
テオさんがそう言うから門の方を見ると、馬で走ってくるお祖父様たちが見えた。並走しているピカも見える。
良かった、無事みたいだ。いやいや、ちゃんとリア姉とレオ兄を見るまで安心できない。
庭で待っていると、次々に門を入ってこっちにやってくる。手前で兵士さんたちが馬を預かっている。
ああ、いた。リア姉とレオ兄だ。思わず、走って行ってしまった。
「りあねえ! れおにい! ピカ!」
ニコ兄も一緒に走ってくる。やっぱニコ兄も心配だったのだ。
だって、あんなにたくさんの魔鳥がこっちに来たのだから、巣はどうだったのだ? と思う。
「りあねえ! れおにい! よかったのらー!」
思わず走り寄って、足にパフンと抱きついてしまった。
もしも怪我でもしていたらと思うと、俺の小さな胸がドキドキしていた。いや、今日はドキドキしっぱなしだ。
「ロロ、大丈夫だよ。なんともないよ」
「わふん」
「しんぱいしたのら……う……ぐしゅ、びぇ……びぇぇーん!」
自分で思っていたより心配で不安だったらしい。リア姉とレオ兄、ピカの無事な姿を見ると、安心して声をあげて泣いてしまった。ピカが俺のほっぺをベロリンと舐める。ピカも無事で良かった。
「ロロ、怪我もしてないわよ。ほら、泣かないの」
「りあねえ、ちゃんとれおにいの、いうこときいた? ヒック」
「ロロったら、それってどういう意味なのよ!」
「アハハハ! 姉上は大活躍だったよ。二人とも、大丈夫だった? 凄い数の魔鳥が襲ってきたんだね」
お邸の庭に、無数の魔鳥さんの死体があるのを見てレオ兄がそう言った。
「おう、平気だぞ」
「とおッって!」
「ロロ、また一緒になって攻撃してたの!?」
おっと、いけない。こんなときはリア姉は心配性なのだから。
「アハハハ! ロロもやっつけたのか!?」
「うん! れおにい! みんなで、やっちゅけたのら!」
ニコ兄と一緒に、ふふふんと胸を張る。
「ぼくもらじょ」
「ねー!」
そうそう、エルも頑張った。あの短時間で、エルは成長していた。最初こそ魔鳥に届かなかったけど、後半はちゃんと落としていたもの。
「えるも、もっとできるようになるのら」
「しょっか? ぼくもろろみたいに、できるか?」
「おばあしゃまに、ちゃんとおしょわるのら」
「あー、しょうらな」
あれ、やっぱまだちょっと嫌らしい。お顔に出ているぞ。
「ぼくは、はやくおおきくなって、けんをちゅかいたいんら」
「あら、エルは剣なの?」
「りあねえ、しょうらじょ。まほうより、けんらな」
「剣でも魔法は使うわよ」
「しってる。とうしゃまたちが、やってるのみたことある」
「どっちも練習しなきゃね」
それを側で聞いていた俺たちは、思わすクスッと笑ってしまった。
お読みいただき有難うございます!
応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!
宜しくお願いします。
主人公なのに、泣き虫ロロちゃんです。私が書くちびっ子の中では、ぶっちぎりによく泣きます。
しかも一番弱いかも知れません。ハルちゃんなんて鬼ツヨですから(^◇^;)
新作のベルはハル以上に強いかも知れません。
でもロロが一番読んでいただいているのです。不思議ですね〜(^◇^;)
ロロのコミカライズのネームを確認してました。初っ端から可愛くて悶絶してしまいます!
皆様より少し早く読める原作者特権です!
ノベルも頑張るぞー!
よろしくお願いいたします(ノ˶>ᗜ<˵)ノ




