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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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473ー完成

 ピコピコハンマーが乾くまで数日。しっかり中まで乾かさないといけないから。と言ってるのに、毎日お祖父様は聞いてくる。


「ロロ、最初と色が違うぞ。もう良いのではないか?」

「らめ」


 色までチェックしているらしい。毎日何度も見ているからと、エルが危機感を抱いていた。お祖父様は余程楽しみなのだろう。

 身体が大きくて強くて立派な剣を使うお祖父様なのに、こんなところはとっても可愛らしい。毎日ピコピコハンマーの前でエルと攻防戦が繰り広げられている。


「おおじいじ、らめ」

「らめ、えるのらから」

「おう、分かっているぞ!」


 本当に分かっているのか怪しい。だから毎日ピコピコハンマーの前でエルと一緒に腕を組んで立ちはだかり、お祖父様を牽制している。


「大旦那様も分かっておられると思いますよ。珍しいから興味があるのでしょう」


 毎日俺とエルの側で、穏やかな表情をして攻防戦を見守っているウォルターさんがそう言う。


「ちげー、あれはじぇったいに、ねらってるじょ」

「おやおや」


 ウォルターさんはチロに治してもらってから、すっかり元気になって毎日俺たちちびっ子の見守り担当だ。

 前にエルと黙って冒険に出てから、俺とエルには見守り担当が付いている。信用がないのだ。だって、やらかしちゃってるから。


「うぉるたーしゃん、ちゅいてなくても、らいじょぶなのら」

「しょうらじょ。みはってなくてもいいじょ」


 エルったら『見張ってる』と言ってしまった。俺はわざわざ見守りと言っているのに。


「こちらでは、私の仕事はありませんからね。私も仲間に入れてください」

「しょうか?」

「はい、そうですよ」


 うまいことを言ってるけど、実質見張っている。

 そんな数日のお祖父様とエルの攻防戦を経て、ピコピコハンマーが乾いた。どどんとお披露目だ。


「おおじいじ、しょっからうごいたら、らめ!」

「エル! 近くで見たいんだ!」

「じぇったいに、てをだしゃない?」

「おう! 約束しよう!」

「おとことおとこの、やくしょくらじょ!」

「もちろんだ!」


 ピコピコハンマーで、そんなに盛り上がってくれて俺は嬉しいよ。しかもお祖父様だけじゃなく、伯父様やテオさんまで見にきている。ウォルターさんも少し離れて見ている。見守り担当だからね。


「ロロ、できたのか?」

「おじしゃま、かんしぇいなのら」


 まずは俺が手に取り、完璧に乾いているか確認する。下から見たり横から見たり。うん、大丈夫そうだ。


「える、ふってみる?」

「いいのか!?」


 だってエルに作ったのだもの。最初はエルだ。

 ピコピコハンマーを手渡すと、エルが両手で持った。


「え……ろろ、かるいんらな」

「しょうなのら。けろ、かたくてちゅよい」

「よし!」


 エルがピコピコハンマーを掲げ、両手で思い切り振り下ろす。


「とおッ!」


 勢いよく空を切る。でも、叩いてないからね。


「エル、腰が入ってないな!」

「おおじいじ、しょこじゃねー」


 ぷぷぷ、お祖父様は触りたくて仕方ないらしい。手がワシャワシャと変な動きをしている。


「父上、大人気ない……」

「何を言う! 興味があるだろうが!」

「アハハハ! エル、地面を叩いてみないとだ」

「え、ておにい。しょうか?」

「そうだよ。な、ロロ。お手本を見せてやってくれよ」


 え? お手本も何も、ただ地面を叩くだけだ。


「ぴか、らして」

「わふん」


 ピカがコロンと俺のピコピコハンマーを出してくれる。そこにニコ兄がやってきた。


「なんだ、乾いたのか?」

「にこにい、しょうらのら」

「みんな集まっているから何かと思った」


 ニコ兄がいるなら、もう一緒に叩くしかないじゃないか。


「にこにいも、ばしこーんて」

「俺も叩くのか?」

「いっしょに、しゅるのら」


 だってきっと、ウケると思うよ。思わずニマニマしてしまう。


「ピカ、俺のも出してくれ」

「わふ」


 ニコ兄のピコピコハンマーもコロンと。ふふふ、面白くなってきた。


「ほう、少しずつ形が違うんだな」

「父上、それより音ですよ。音」

「テオ、音って土で作ったものなのだろう?」

「そうですけど、まあ見ていてください」


 テオさんは知ってるものね。あの予想外の音を。

 俺はしゃがみ込んで、地面を軽く叩く。


 ――キュポン!


 そして、ニコ兄も一叩き。


 ――ボボン!


「アハハハ! なんだその音は!?」

「ね、面白いでしょう?」


 あれれ? ウォルターさんが前に出てきたぞ。キラッキラした目で見つめてくる。


「ニコ坊ちゃん、ロロ坊ちゃん、なんて楽しい音ですか!? それはロロ坊ちゃんが考えられたのですか?」

「ちがうのら。なんれかわからないけろ、おとがしゅるのら」

「おやおや!」


 もしかして、ウォルターさんも叩いてみたいのかな? ん? やってみるか?


「ウォルターしゃん、やってみる?」

「よろしいのですか? 是非!」


 やっぱやってみたかったのだね。貸してあげよう。

 ウォルターさんが、期待に満ちた表情で地面を叩いた。


 ――パコン


「「え……?」」


 思わずニコ兄と一緒に驚いてしまった。あのおマヌケな音がしないぞ。どうしてだ?


「ロロ、これはレオ兄案件だな」

「しょうなのら」


 二人で腕を組んで考えるポーズだ。ニコ兄も様になっているではないか。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ピコピコハンマーが続いてますが(^◇^;)

ウォルターさんが叩いてもあの音は鳴りませんでした。さて、どうしてでしょうね。

ちょっぴり、引っ張りすぎかな? とも思うのですが、次回をお待ちください。


もう4巻をお読みいただいた方もおられるようです。ありがとうございます!

webにはなかったお話が登場しました。巻末の書き下ろしも力を入れてまして、webには書いていなかったことが明らかになってます。

四英雄も登場しました。

まだの方は是非お手に取っていただけると嬉しいです(*ˊᵕˋ*)ꕤ*.゜

よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
つくったほんにんじゃないとならないわけじゃないから、まりょくにかんけいするかな
書籍のロロのイラストにメロメロです。某女神と同じ。ギャンかわ!!ですよね!
ちびっこと大人で音が違う事が判明したようですね。 エルの御披露目前にまたまた謎が増えましたね。 結局おおじぃじのハンマーは作らなかったのでしょうか? 追伸、ロロ四巻オマケの特典のララちゃん迷子の真相…
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