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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第1章 ルルンデで生活するのら

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47ーご無沙汰です〜

 仕方がない。だって今日は沢山歩いたし、お腹いっぱいだし。ププーの実も沢山食べたし。


「わふん」

「ぴか、しょう?」

「わふ」


 無理しないでもたれて寝るといいよ。と、言ってくれている。


「シールドの中で少し寝るといいよ」

「うん、れおにい」


 俺は両手を出す。レオ兄が抱っこして連れて行ってくれる。


「わふ」

「うん、ぴか」

「キュルン」


 横たわったピカにもたれる。尻尾で包んでもらって、俺はモフモフに埋もれる。チロも一緒だ。

 ピカの毛は極上の手触りなのだ。少し高めの体温も気持ちいい。ピカの鼓動も安心するのだ。


「安心しな、みんな直ぐそばにいるからね」


 レオ兄が頭をそっと撫でてくれる。

 もう目を開けていられない。瞼が重い。俺は抗えなくて、ゆっくりと目を閉じた。

 ああ、眠ってしまうのが勿体ない。今日は本当に楽しいなぁ。

 そんな事を、眠る寸前に思っていたのだ。



 あれれ? 俺は森の中で眠った筈なのだ。なのに、周りを見るとお花畑なのだ。遠くには小川がサラサラと流れている。

 これは……そうだ、覚えているぞ。あの泣き虫女神の世界なのだ。


「ご無沙汰ですぅーーッ!」


 そう言いながら両手を広げて抱きついてきたので、ヒョイと避けたら顔面からスライディングしていたのだ。やっぱ、どんくさい。


「ぶぶぶぶーッ!」


 スライディングしながら叫んでいる。本当にこれで主神なのだから、大丈夫なのか?

 もっとちゃんとしようぜ。威厳というものが皆無なのだ。


「わふ」

「ぴか、しょう?」

「わふん」


 ピカに温かい目で見守ってほしい。なんて言われた。

 見守るのは俺じゃなく女神の方なのだ。なんか違うのだ。

 立ち上がって復活したらしい。額とお鼻のてっぺんが赤くなっている。擦りむいたか? ポーションあげようか? いやいや、女神だし。自分で治せるだろう。

 折角の美人さんなのに、台無しなのだ。


「今日はみなさん一緒で、とっても楽しそうで良かったですぅ~!」

「うん、たのしいのら」

「で、ピカちゃん」


 と、言ってニッコリとしながら両手を出す女神。


「わふ?」

「もう、ピカちゃんったら〜」

「わふわふ?」


 その手は何なのだ?


「ピカちゃんは、沢山ププーの実を収納しているのですぅ~!」

「しょれで?」

「ギャン! 塩対応!」


 また訳の分からない事を言って仰け反っているのだ。その性格は直す方がいいぞぅ。


「私も美味しい美味しいププーの実を食べてみたいのですぅ~!」

「…………」


 ほんと、飽きれちゃうよね~。

 まさか、その為に連れて来たのか? 俺が寝た事を利用してさ。


「そ、そ、そんな訳ないのですぅ~」


 どもっているし、目が泳いでいるのだ。


「ぴか、欲しいんらって」

「わふぅ」


 仕方がないなぁ~、て感じでピカがコロンと1個、ププーの実を出した。


「えぇーッ! ピカちゃん、1個だけですかぁ~!?」

「わふぅ」


 また1個、コロン。


「有難うなのですぅ~!」


 両手に1個ずつププーの実を持って小躍りしている。やっぱ女神らしくない。

 なんだ、2個でいいのか。


「もういい?」

「1度食べて見たかったのです~! って、違うなのです~!」

「なんら?」

「まさか、ピカが狙われるなんてぇ! ほんっとぉに、申し訳ないですーッ!」


 ピッカピカで綺麗な髪を靡かせながら、ガバッと頭を下げる女神。

 領主のご令嬢に、目を付けられた事を言っているのだろう。


「あれは仕方ないのら」

「そう言って頂けるとぉ、嬉しいのです。でも、しっかりロロを守っているようで安心したのです」

「うん、ぴかはたよりになるのら」

「ロロもいい子なのです~!」


 はいはい、いちいちテンションが高い。今日は号泣していないだけマシか。


「チロもまだまだ赤ちゃんなのです」

「うん、じゅっと寝てるのら」

「でも可愛がってくれて嬉しいです」

「うん、かわいいのら」

「ピカだけじゃなく、きっとチロも役に立つ時が来るのです! ロロもまだ辛抱なのです!」


 辛抱って何なのだ? そう思っていたのだ。


 ◇◇◇


「ん~……」

「ロロ、目が覚めたか?」

「あれ? にこにい」

「おう」


 目を開けると、ニコ兄がそばにいた。

 採った薬草を並べて根っこに葉っぱを巻いているのだ。


「わふん」


 ピカ、そうだよな? あの女神に呼ばれていたよね? 夢じゃないよな?


「わふわふ」


 ププーの実を2個取られた。と、言っている。2個くらい構わないのだ。沢山採ったのに。


「わふ?」

「しょうらよ」

「わふぅ」


 ピカは、一体どれだけ食べようと思っていたのだ?


「わふッ」


 沢山食べるんだって。はいはい、分かったよ。美味しいもんね。


「キュル」

「ちろも起きた?」

「キュルン」

「良く寝てたぞ」

「うん、良くねたのら」


 ん~ッ! と、体を伸ばす。地面の上だったけど、ピカにもたれていたから体は痛くないのだ。


「にこにい、なにしてるのら?」


 ニコ兄の横から、ヒョイと顔を出して覗いてみる。ニコ兄は、本当に植物が好きなのだな。薬草を触る手がとっても繊細で丁寧なのだ。


「ん? こうしてな、根っこを守っているんだ」

「へぇ~。あれ? れおにいとりあねえは?」

「夕飯の肉を狩りに行ったぞ」

「え、お魚あるのに?」

「おう、肉も欲しいってリア姉が言い出したからな」

「しょう」


 リア姉、良く食べるな。


お読みいただき有難うございます。

久しぶりに女神の登場です。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいでっす!

宜しくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 時間経過は遅い感じですかね? 年齢の成長は無い感じで進むのかな?
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