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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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465/470

465-まるやき

 魔鳥を撃退したあと庭に出ると、すぐに俺はお祖母様に捕まった。


「ロロ! どうなっているの!? このサシェにいつあんな凄い効果を付与したの!?」


 えっとぉ、そう迫られてもね。俺だって全然分かっていなかった。まさか魔鳥の攻撃を跳ね返すなんて、夢にも思わない。


「ロロ、サシェを作る時に何を思って作ったんだ?」

「れおにい、えっちょぉ。いたいいたいはらめって」

「ああ、だからだね。ほら、ディさんがそう言ってただろう?」

「しょうらっけ?」

「アハハハ。ロロは無意識なんだね」

「らって、けがしてほしくないのら」

「そうだね、ロロはみんなを守りたかったんだね」


 いやいや、そんな大げさなものではない。側で聞いていたお祖母様がキラキラした目で見てくるけど、俺はただ怪我とかで痛い思いはしないようにって思っただけだ。まさか魔鳥の攻撃を跳ね返すなんてね。


「しゅごいのら」

「アハハハ! そうだね、凄いよ」


 今回のことで実証されたではないか。サシェを持っていれば、大抵のことでは怪我しないですむぞ。


「いたいいたいしないのら」

「ロロったら可愛い!」


 リア姉とロッテ姉の生温かい笑顔がとっても居心地が悪い。

 そんな俺たちの周りで兵士たちが、いそいそと討伐した魔鳥を集めていた。あれれ? ちょっぴりウキウキしていないか? 無事に全部倒せたからかな? みんなとってもいい笑顔じゃないか。


「ワッハッハッハ! 明日はご馳走だぞ!」


 一緒になって魔鳥を両脇に抱えて運びながら、お祖父様が大きな声で言った。

 んん? 意味が分からない。茜色だったお空にはもうお月様が出ている。だから今日ではないのだろうけど、どうして明日はご馳走なのかな? これからまだ夕ご飯が残っているのだよ。

 兵士が集めた魔鳥をどこかへ運んで行く。その先に、待ち構えているのはどこからどう見てもエプロンをつけた料理人たちだ。おやおや~?


「なんだ、ロロは知らないのか?」

「ておしゃん、なんら?」

「魔鳥だよ。あれ美味いんだぞ」

「ええー!?」


 それは知らなかった。魔鳥さんを食べるのか。いやいや、コッコちゃんだって魔鳥だ。肉も卵も美味しいと言っていた。

 俺がそう考えているのを察知したのか、足元に集まっていたリーダーたちがブルブルっと震えた。馬鹿だなぁ、食べるわけないじゃん。


「ピヨ?」

「うん、たべないよ。なかまらからね」

「ピヨピヨ!」


 その代わりと言ってはなんなんだけど、大きくなったら卵を産んでね。美味しいから。

 兵士さんたちに混ざって、攻撃していたリーダーたちとプチゴーレム。小さな体なのに攻撃力は高い。それに疲れていないらしくて、また走り回っている。元気だね。


「ておしゃん、ろうやってたべるのら?」

「ハーブを混ぜた塩を塗って一晩置くんだ。それからオーブンでじっくり丸焼きだ」

「ひょぉー! まるやき!」

「アハハハ、ロロは食べたことがないか?」

「ないのら!」

「そうだね、家では食べないものね」

「れおにい、はじめてなのら!」


 ルルンデの近くの森にも魔獣はいるけど、魔鳥なんて出てきたことがない。俺はお墓参りで初めて見た。

 あれだよ、魔鳥の中の魔鳥さんロック鳥だ。魔鳥さんの王者といっても過言ではないぞ。だって今日出てきた魔鳥の何倍あるだろう? とっても大きかったし強そうだった。

 まさかあの大きなロック鳥は食べられない。いや、食べきれない。俺の小さなお腹には入りきらないぞ。


 ――キュルルルルー


 食べ物の話をしたら駄目だ。俺のお腹が、夕ご飯がまだだったのを思い出してしまった。


「ロロ、お腹が鳴ってるよ」

「らって、れおにい。おなかがしゅいたのら」


 ――キュルルルル―


 おやおや? これは俺のお腹の音じゃないぞ。誰だ? 可愛いじゃないか。


「アハハハ! エルもだね」

「れおにい、おなかしゅいたじょ」


 なんだ、エルのお腹の音だった。ふふふと二人でお顔を見合わせちゃった。

 それからみんなで夕ご飯を食べて、俺はベッドへ。魔鳥騒動でいつもより遅い夕ご飯だったから、俺はすぐに眠ってしまった。



 ◇◇◇



「またまたピンチだったのですです~ッ!」


 お決まりのように登場したのは、リシアディヴィーヌだ。凝りもしないでいつものように俺に抱きつこうとしてくる。当然いつものように、俺はヒョイと避ける。


「ぶぶぶぶぶーッ!」


 ほら、またお顔からスライディングしてるよ。その度に花弁が散ってしまうお花が可愛そうだよ。

 そしてまたまたいつものように、何もなかったかのようにスックと立ち上がって話しだす。


「とっても大きな群れだったのですぅ」

「あー、しょうらね。いっぱいいたね」

「あのエルフの作った杖は凄いのですぅ!」

「うん、しょうらね」


 こう、分かるかな? グイグイこられると、ちょっぴり引いてしまう感じがさ。いつもハイテンションの女神だから、俺はかえって冷静になってしまう。もう何度も呼ばれた女神の世界だし。


「コッコちゃんたちも強くなってましたねッ!」


 そうそう、あの子たちも強かった。いつの間に、あんなにジャンプできるようになっていたのかと驚いたもの。プチゴーレムたちの蹴りも凄かった。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


投稿が遅くなりました(*>ㅅ<)՞՞


ロロは可愛いですね。何を突然と思われるでしょうが、複数の作品を同時に書籍化作業をしていると思うのです。

やっぱロロは可愛いと(,,˃ ᵕ ˂,,)ꕤ

4巻の書影をもうすぐ公開できるのではないかと思ってます。もしかしたら、またまたAmazon様の方が早いかも知れませんが(^◇^;)

ココちゃんのイラストや発売日や出版社様などの詳細も、通販サイトの方が早かったので。

OKが出たらこちらでも公開させていただきます。

それにしても、眠いです。( ⌯ω⌯)⁾⁾ᐝ

うちのワンちゃんを24時間介護中なので(^◇^;)

明日はお休みさせていただきます!

よろしくお願いいたします(*ᵕᴗᵕㅅ)


1巻〜3巻発売中です!

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
魔鳥の丸焼き 某ゲームのチャレンジ成功を思い出したのは私だけでしょうか?(◔‿◔)
>「れおにい、えっちょぉ。いたいいたいはらめって」 痛い痛い妊め…と最初読んでしまいました。しばらく、ノクターンに逝ってきますです とりま、魔鳥は何人分になるのやら
勿論、お話も楽しく読んでますが、いつも素敵なイラストを公開して下さってるのが嬉しいです。 丸焼き、美味しく焼けると良いですね!
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